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中学・高校受験:学びネット

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2019/9 塾ジャーナルより一部抜粋

~ 永遠に未完の塾学 ~
第32回 懇談でウケる話

俊英塾 代表 鳥枝 義則(とりえだ よしのり)
1953年生まれ、山口県出身。
京都大学法学部卒業後、俊英塾(大阪府柏原市)創設。公益社団法人全国学習塾協会常任理事、全国読書作文コンクール委員長等歴任。関西私塾教育連盟所属。
塾の学習指導を公開したサイト『働きアリ』(10,000PV/日)には、多くの受験生
や保護者から「ありがとう」のコメントが。
成りたい人格は「謙虚」「感謝」「報恩」…。

昔、何かで見つけて「なるほど!」と感心した言葉に、「塾講師は学者、役者、易者、芸者、医者の五者であれ」がある。塾の講師は、深い知識(学者)、相手を引きつける魅力(役者)、相手を安心させる予知能力(易者)、楽しく学ばせる芸(芸者)、的確な診断をくだし治癒する力(医者)を持つべしという教えで、上手いことを言うと感嘆したことを覚えている。

私の塾では、初夏と晩秋に年2回、どちらも一ヵ月以上かけて個人懇談会をおこなっている。毎日平均3~5人の保護者とお会いするので、落語家と一緒で、マクラ+本題+サゲをある程度決めておかないと身がもたない。

さらに、「おっ!」と相手を感嘆させる芸をいくつか披露しておかないと、お客様を失望させることになる。「面白い、笑える」「高い評価を受ける」という意味の若者言葉である「ウケる」要素がないと、個人懇談を受けてよかったとは思ってもらえない。商売にさしつかえる。

兄弟姉妹の何番目かを当てる

 塾生同伴で、まだ入塾したばかりの親子と懇談するときは、まず冒頭で、一人っ子さんだね」「どう見ても長女だ」と、兄弟姉妹の何番目かを当てることにしている。的中率は8割弱であろうか。

 顔つきで、長男長女か、そうでないかはだいたいわかる。一番上の子は、苦労が顔に出ている。最初の子で親も素人だから、ついつい子どもに干渉しがちになる。それに耐えてきた子の辛さが、表情ににじみ出ている。

 次に、長男長女であれば、その下は男子か女子かを当てる。こちらの的中率は7割ほど。下の子が女子の場合、上の子の表情に優しさがある。下が男子の場合、兄弟喧嘩の名残りが長子の顔に出ている。

 兄弟の何番目かを知ることは、子どもの対処法を選択する際に有効な手段の一つである。

家庭での学習時間を当てる

 塾だから、定期テストの成績の推移や模試の結果をまとめた表を机上に出して話を進めることになる。しばらく、「最近がんばっていますね」「特にこの教科がよく伸びています」等の話をした後、「伸びたのは、以前より家でテスト前、勉強するようになったのと違うかな?」とか、「塾でやってるということに甘えて、まだ家では本気で勉強していないと思う」などという話になる。

 その際、親御さんを感心させる言い方がある。まず、成績表の国語の欄をペン先で指す。「国語の成績が、お子さんの今現在の素の学力、実力です。国語は、短期間で成績は動きません」「だから、国語の点数が一番高い人は能力はあるのに勉強嫌いな人で、逆に国語がいつも他の教科より点が低い人はテスト前に頑張っている努力家だと言えます」さらにつけ加えて、「数学と英語は、テスト一週間前から必死でやっても伸びません。それまでに日々、学力を伸ばしておかないと、一夜漬けは効かない教科です」「理科社会は、直前の勉強で大きく点を伸ばすことができます」と一般論を述べておく。

 その後、「お子さんは、数学、英語より理科と社会の点数がいつも高い。家で試験直前にテスト勉強をしっかりされていることがうかがえます」とか、逆に「国・数・英の3教科に比べて、理科と社会の点数が低い。これは、テスト前に全く勉強していない証拠です」と話を続ける。

 この理論の的中率はほぼ100%。保護者の方を大きく頷かせることができるし、絶対に当たるから、こちらの話の信用度が一気に高まる。成績表を一瞥するだけでそこまでわかるんですかと、びっくりされることも多い。

社会科が大好きな子は怠け者

 塾講師が(親も)最初大いに期待し、しばらくするとがっかりさせられる典型として、「社会科だけよくできる子」がある。

 話をすると一丁前、大人のような会話ができる。自信満々だから、よくできるんだろうと思わされてしまう。しかし、社会科で点を稼ぐ子はほぼ例外なく、机に座っての勉強をしない、できない。ソファに寝そべって、雑誌をめくる、ずっとスマホを触っているという子である。特に、書く勉強が嫌いだから、英語の単語が苦手で、物を知っているわりに漢字が書けない。

 そのことを指摘すると、なんか家の中を覗かれているみたいだと何度か言われたことがある。

塾に入ってきたものの
全く成績があがらない子

 真面目で、友人としゃべって授業の邪魔をしたりすることもない、黙々と問題も解いている、そんなすぐに成績が上がるように見える子の中に、平均点が30点くらいのままで全く上がってこない子がいる。

 そういう子は、授業中に文を読ませてみるとその原因が一発でわかる。共通点は、漢字は読めても、ひらがなの部分が正しく読めないことだ。『そう、いう子は授業中、に文、を読ませ、てみる、と』といった読み方をする。

 文章を読んだ経験が圧倒的に不足しており、言葉でものを覚えたり考えたりすることができないままで大きくなった子どもたちだ。

 そうした子の保護者に限って、「結構家でも机には座っているのに…」とおっしゃる方が多い。そういう時は、今までの文を読む機会の極端な少なさがすべての原因だと、ズバリ指摘しないといけない。そこを直さないと、どんなすごい塾でも改善は不可能だ。

懇談会は塾のファンを癒す場

 わが塾の懇談会は、懇談を申し込むかどうかは保護者に任せている。

 傾向として、わが塾のファンで、「いい塾だよ」と友人を誘ってくださる保護者ほど、懇談への参加率が高い。逆に、塾へ不満を持っておられると思われる親御さんが懇談会に来られることは、まず、ない。

 だから、懇談会へ来られる保護者の方は特に大事にしないといけない。

 しかし、申しわけないことに、そういう保護者のお子さんがもれなく順調に成績を上げるとは限らない。以前に比べて暗い顔つきで懇談室に入ってこられる保護者を迎えるときは、こちらが先に、「最近、○○君の表情が暗いんですよ」と親御さんに寄り添うようにしている。

 突然成績が下がる塾生は、入室するときに挨拶をしなくなったり、急にきつい目つきになって私たちや友人を睨みつけるようになったりという子が多い。

 そしてそういう子は、実は塾ではなくて、学校やクラブでの友人関係のトラブルを抱えていることが多い。

 親御さんと一緒にそのトラブルを解消してあげないと、勉強には身が入らない。

治癒ができないと塾ではない

 私たちは評論家ではない。評価と分析にとどまっていては、月謝はいただけない。根本的な治癒ができないといけない。

 読解量の不足が足を引っ張っている子に対して、ただ「本を読め」というだけならド素人でも言える。プロとは言えない。

 例えば、教科書を読んで予習をすること、それができるようになるまで、励まし、点検し、検証すること、そのための具体的な学習プログラムを構築すること、これらを提案できて初めて、これが塾の懇談だと胸を張って言うことができる。

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