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2019/7 塾ジャーナルより一部抜粋

~ 永遠に未完の塾学 ~
第31回 魚は、頭から腐る

俊英塾 代表 鳥枝 義則(とりえだ よしのり)
1953年生まれ、山口県出身。
京都大学法学部卒業後、俊英塾(大阪府柏原市)創設。公益社団法人全国学習塾協会常任理事、全国読書作文コンクール委員長等歴任。関西私塾教育連盟所属。
塾の学習指導を公開したサイト『働きアリ』(10,000PV/日)には、多くの受験生
や保護者から「ありがとう」のコメントが。
成りたい人格は「謙虚」「感謝」「報恩」…。

 ロシア発祥のことわざに、『魚は頭から腐る』がある。わが国の最近の状況を眺めていると、今のわが国は、国を代表する大企業から腐っていっているのではないかと思うことが多い。

トップ企業の誇りはどこへ

 私の干支(えと)は巳(へび)である。占いの本によると、巳年生まれは「執念深い」らしい。

 開業してから数年後だったが、りそな銀行の行員に、「早くうちと取引できるように、せいぜい頑張りなはれ」と言われたことがある。わが市には、大手の支店はりそなしかないが、以来一切、りそなとは絶縁している。不便だが、隣の市の別の銀行まで通っている。

 しかし、昔の大企業には、社員にそんな傲慢な言葉を吐かせるだけの誇り、プライドがあった。小企業が足元にも及ばないような、仕事を通して国家、社会に奉仕しようとする公益性を自覚していた。

 ところが、人口減、特に生産年齢人口の急減で、生産力、消費力が急激に低下している昨今、大手企業が先に恥を捨て、生き残りをかけてなりふりを構わなくなってきている。わが国を代表する大企業から、先に腐ってきている。

NHKの騙しの手口

 つい昨日も、あきれる出来事があった。

 日本放送協会名義で、公文書に似た立派な封書が届いていた。なんだろう、いよいよ私に出演依頼か?(ここ、笑うとこですよ)と思って開封すると、1ページ目は「NHK衛星放送をお楽しみいただくためのご案内です」と、猫なで声で書かれ、「お楽しみいただく方法は裏面をご覧ください」とある。

 ところが、裏面ではいきなり、事務的な口調に豹変し、「衛星放送の受信が可能な場合は、受信契約を『地上契約』から『衛星契約』への変更が必要となります」と書いてある。

 日本語としてもおかしいが、私には、「受信が可能」とは、受信設備がなくてもBSが視聴可能でさえあれば衛星契約をしなければならない、としか読み取れなかった。

 さらに二枚目を見ると、「地上契約から衛星契約への変更差額の清算手続きについて」と脅しに近い。

 しかし、これって、振り込み詐欺と紙一重じゃないか!

 冷静に考えれば、受信が可能なだけで割増料金がかかるはずがない。しかし、年寄りが読むと、受信設備がなくても衛星放送契約への切り替えが必須だと誤解するように、上手に誘導する外観と文面になっている。

 平均年収が千百万円を超え、賢く優秀な社員が集まっているはずのNHKで、この程度の老人をだますに近い悪文をでっち上げ、さらに立派なリーフレットにして送りつける程度の悪知恵しか思いつかないとは…。世も末である。

NTTも悪知恵ばかり

 次男が長期入院した時、不意の出金に備えて手持ちのカードを持参した。他の会社は丁寧に説明してくれたが、アメックスだけは、「うちは、お手持ちの現金が尽きる方は相手にしておりません」と、鼻で笑いおった。だから、アメックスの解約をすることにした。

 その際、明細を調べたら、一つだけ、何の金額かわからない項目があった。明細にはNTTとしか記載がない。

 調べようとしたが、アメックス、NTT、NTTファイナンス、さらに子会社のプララとたらいまわしにされ(そのたびに、「ただいま大変込み合っております。そのままでお待ちください」が、延々続く)、やっとわかったのは、二年前、契約がNTTからNTTファイナンスに移行した際、終了したリモートサービスという付加契約の請求だけが残ってNTTに支払われていたことだった。

 NTTにそれを訴えると、グループ会社間の契約移行時には客から不必要な契約事項の解約を申し込ませることになっており、今回はファイナンスの責任であって、NTTは徴収した料金を返さないと言う。

 グループ会社同士で勝手に契約を譲渡しながら、別会社であることを口実に民法上の不当利得を返さないと公然と言い放つ。さらに、こちらがまだ話しているのに、自社の主張を早口で一方的にまくしたて始めた。ということは、同じようなクレームが殺到しているのであろう。

 録音して公表したいくらいの無礼な電話応対を、NTTがやって恥じないとは…。

組織替えで客をだます

 以前は、NTTと関係があるふうを装った営業電話がよくかかってきた。最近は、NTTの子会社が、悪徳業者顔負けの営業電話をかけてくる。

 数カ月前、「NTTですが、職場のwifi環境を点検してあげます」という電話がかかってきた。そして、正規のNTT西日本の名刺を持った男性が二人、やってきた(あとでよく見たら、下の方に小さい字でNTT西日本ビジネス※※株式会社と書いてあった)。そしてwifiについては数分話しただけで、「職場のネットワーク環境が非常に危険である」と言って、パックになった高額のセキュリティ・サービス商品を売り込み始めた。

 雑談中、ウィルスバスターが外部へ個人情報を流していた話に私がふれると、二人、「え、うちのシステムは同じトレンドマイクロ社のものなんです」と顔を見合わせ、そそくさと帰って行った。

 昔であれば悪徳詐欺会社がしていたに近いことを、今は国を代表する会社が子会社をつくってやっている。

騙される方が悪い社会へ

 十万円前後の高額なスマートフォン端末の代金は、二年間の分割で払うことができる。最近の報道によると、実は代金を支払い終わったはずの二年後以降も同額を徴収され続けていて、NTTの大きな利益源となっているとのことだ。

 契約書のどこかに見つからないように書いてあるのだろうが、ニュースになるくらいだから誰も気づかなかったのだろう。

 また、ドコモショップでスマートフォンを購入すると、いくつかの無料サービスがついてくる。口頭で、あるいは書面で、ある期間内に解約しないと有料になるとの説明はあるが、ほとんどの人、特にお年寄りは、一度も使わないサービスを解約しないままずっと料金を支払い続けている。

 こうした、人々の無知や錯誤につけこんだ不当利得の総額は、NTTだけでもおそらく何百億円をこえるであろう。一流大学を卒業したであろうエリートたちが、こういう新手の「詐欺システム」づくりに知恵をしぼっているのだ。

 なんという国になってしまったのだろうか。

塾の世界も一緒?

 塾も、人のことは言えない。

 代表的な予備校が、そっと九十分授業を六十分授業に変更して、授業料はそののまま据え置いて講師料は値切る。

 個別教室に多い成績アップのグラフで、上昇前は平均点の低い実力テスト、上昇後の点数は平均点の高い定期テストの点数なんてのもよく聞く。

 でも、そうしないとこの国がやっていけなくなっているとしても、そういう卑怯なことに知恵をしぼるようなできそこないだけは、塾でつくりたくない。

 「武士は食わねど高楊枝」と言い続け、貧乏なまま死んでいった親父をずっと馬鹿にしてきたが、今は親父をちょっと見直している。

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