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2019/3 塾ジャーナルより一部抜粋

変わりゆく教材
~アナログからデジタルまで~

 

株式会社学文社
教材販売・セミナー・展示会を、岡山を拠点に展開
新たなテキストのページを開く機会を提供するのが仕事

 
     

 学文社は岡山を拠点に、中国・四国・九州から近畿圏まで、教材販売・セミナー・展示会を幅広く展開。「岡山の教育を考える会」の事務局も務める、地域の信頼も厚い会社だ。2018年には創立50周年を迎え、さらなる発展を期している。
同社は基本理念として、お客様の信頼と安心を重視。流通だけでなく、情報提供など顧客サービスにも積極的だ。今回は二代目社長である江口亘さんに、事業の現状や今後の展望なども含めて、お話を伺った。

お客様の声に耳を傾け
柔軟で臨機応変な対応を

代表取締役社長 江口 亘 氏

―― 会社の概要をお教えください。

江口 1968年、岡山と兵庫の塾様を対象とする教材販売会社として、創立しました。現在は岡山を拠点として、その日のうちにサポートに行ける地域を、商圏としています。岡山は非常にハブ(結節点)の町で、目の前には瀬戸大橋があり、ほぼ2時間圏内に四国、兵庫、広島があり、とても動きやすい立地環境だと思います。

 私どもの業務、教材販売も立地同様ハブの役割だと思っています。教材制作のメーカーさんがあり、(一方に)先生方がおられて、生徒というエンドユーザーがいらっしゃる。この間にいるハブの役割です。それはただ流通だけではない、プラスアルファがあるからこそ、お取引をいただいているのだと思っております。

 特に、情報には敏感であるようにしています。自分たちのエリアで見聞きしたこと、状況変化。様々な事例などの情報を、教材とともに先生方にお伝えする。それが我々の役目だと思います。ただし、我々がお伝えできるのは、情報ソースの一端で、それを加工・想定してご活用されるのは、各塾の先生方のお力です。それが上手く機能した、結果が出たと報告をいただいた時には、我々も嬉しいですね。

―― 昨年、創業50年を迎えられましたね。

江口 50周年という一つの節目を迎えさせていただき、塾様、お取引先様各位に大変感謝しております。

 初代(現・有本会長)から事業を受け継いだ時には、当社二代目として大きなプレッシャーを感じました。長年お取引がある先生方と、継続してお付き合いいただけるのか、不安でした。ありがたかったのは、当代の塾長様はもとより二代目の塾長さんからも、引き続き当社をご利用いただけている。これに勝る感謝はありません。

―― 事業を継承されたとき、新たな展開やチャレンジを考えられましたか。

江口 事業継承の前から初代の理解をいただき、ある程度自分のやりたいことを後押ししていただきました。ですから、あまり大きく立場が変わったことは、ありませんでした。積み上げられてきた事業・信用を、より一層推進していくことからが、まずはスタートだと思います。

 今後、少子化が進んで業界全体が縮小していくかもしれない、また大きな変化があるかもしれない。それらにどう対峙していくか、例えばデジタル系ICT系に関する勉強も不可欠でしょう。これまで以上に現場の先生方と対話をさせていただき、対策を考えていきたいと思います。

 もう一つのポイントは、各地域の特色を意識することです。展示会で各地に赴くたびに、つくづく地域ごとの違いを感じております。そして必ずしも共通で成功するセオリーばかりではないと思っています。柔軟に、臨機応変に対応し、その地域性をリスペクトしていくことが大切だと思います。

大きな変革の時期に向け
経験値の積み重ねがポイント

―― 2020年が近づいて対応が難しい時期だと思いますが、各塾の動きはいかがですか。

江口 塾やコンサルタントの先生方のご意見を含めて、2020年改革というのは大きな変化。我々も経験したことがない、新しい改革ですよね。ただ、ある程度の想定、情報取集は皆さんされており、推測はしています。その上で今までの経験を基に、先生方は新しいコースを立ち上げるなどチャレンジされていますが、実際の現場での状況や父兄の方の反応はいまひとつ。課題は、そのギャップですね。

―― 新たな展開を進めて行くためのポイントは。

江口 いかにログ(記録、経験値)を溜めて行くか、だと思います。今の時期に、英語4技能や小学生英語必修化、思考力問題やプログラミングなどの対応・指導実績を、実際に対応する生徒数は多くなくとも積み重ねる。そして、それに対する先生方の経験や、そこで出てくる諸問題に対する対応策など、いかに実績や経験値として積み上げるかが、後々の差になって現れるのではないでしょうか。

 加えて生徒さんにとっては、こういう変化があって先が見えない時期こそ、土台作りが大事だと思います。基本的な素養があって、はじめて変化に対応する力が出る。土台がないのに、変化に対応していくのはむずかしいと思います。今だからこそシンプルに、真の学力、基本的な学力を身に付ける。そのための学習塾様あるいは私学様であり、それを支援させていただくのが、我々の役目だと思います。

―― 近年、教材やツールが多様化していますね。

江口 例えば、電子黒板とデジタル指導書。これは、授業の高効率化を目指しています。今まで全部黒板やホワイトボードに書きながら解説をされてきましたが、デジタル指導書でしたら、電子黒板により時間的なロスはかなり抑えられると思います。それを上手く使われている先生方は、ここ最近多くいらっしゃると思います。これからは、効率化で出来た時間、余った時間をいかに有効利用するかが、鍵ではないでしょうか。
それから、自立学習。より細分化される学習内容に対して先生方がすべては対応しきれないので、「ここは自分のペースで学びなさい」という自習教材のニーズは、出てきていると思います。

 学力の差は、どこの地域でもかなり広がっています。それに対して、すべての生徒が満足を得られる、マルチな教材はありません。コアな部分は先生方が牽引されていきますが、それに収まりきらないものに関しては、ある程度生徒さん自身の力に期待して、学習していただきたいと思います。ですから、自立学習的な学習教材やツール、そしてデジタル的なICT的なものの普及は、それらを補っていくものなのかなと思います。

―― デジタル教材の、普及度合いはいかがですか。

江口 これからです。ただその使い方も、まさに今、経験値のログを溜めている時期だと思います。しかし、溜めていきながらも、今来ている生徒さんに対しては、求められる成果は出さなくてはなりません。本当にそういう部分では、先生方のご苦労には頭が下がります。

信頼・安心を軸に
未知の分野へもチャレンジ

―― 塾の先生方とお付き合いされていく中で、重視されていることはありますか。

江口 まずご信頼いただき、安心いただくこと。もしトラブルが起きた場合、それに対してスピーディーな対応をすることが、絶対的な条件だと思います。とにかくフットワークを軽くして、何かあった時には誠意を持って対応することを続けていくこと。これしかありません。

 そして先を見た提案、行動をすること。的確な情報提供は、当然必要だと思います。でも一番は、確かな信頼と安心ですね。

―― 教材販売をするうえで、注意点は何ですか。

江口 先生方と接するときに、既成概念にとらわれないことが、最も大切だと思います。
「個別指導の塾さんなので、先生のところはこうですね」とか、「先生のところは、進学塾でいらっしゃるのでこういうツールですね」という発想で、自分たちが決めつけてはいけません。先生方の方向性に寄り添う、あるいは意識に従って動いていくことに、注意を払います。

 教材については我々が説明するよりも、ページを開けば先生方の方が十分おわかりです。ですから我々は、今まで開いたことがなかった、見たことがなかったテキストのページを開いていただく機会を提供する。また、まだご存知なかったツールの存在を知っていただく、それが我々の仕事です。

  

―― それが展示会やセミナーに、積極的に取り組まれる理由ですか。

江口 展示会は、「教材は例年通りこのパターンで行こう」と決めたら、行く必要はないわけです。でも、何か自分の見落としたものはないのか。何かもう少し今よりもいいものがないか。マッチするものがないか。皆さんご多忙な中、わざわざ展示会場に足を運んでいただいています。その姿勢には本当に頭が下がります。展示会場に来ていただく先生方は、当社の大切な財産だと思っています。

 セミナーについては、旬のテーマに即して開くように、努めています。何が本当に先生方にとって有益な情報になるのか、常に我々も探しながら開かせていただいています。

―― 最後に、教材会社として今後どのような展開をお考えですか。

江口 未知の分野へのチャレンジを、進めなくてはいけません。デジタル化、ICT、AIは、避けて通れません。これをどう現場の先生方にご提案していくのか。しかし、それにとらわれすぎるのではなく、オーソドックスで、スタンダードな教材への目配りも必要です。

 先生方も以前のように、ただ子どもたちにいい授業をすればよいというだけでなく、ファシリテーター(調整役、促進者)的な役割が、今必要とされていると思います。ある程度生徒が主役で、それを後押ししていく役割が今出てきている。そうでないと、多様化する学習内容に必要な自学力は養われません、また、すべてを先生方が担っていく事は不可能です。

 塾業界は教務内容だけでなく、生徒との関係や保護者との連携やサービス、サポートなど、熟成が進んだ業界だと思います。その中でこだわりも必要ですが、変化に対応できる柔軟さも必要です。そのバランスが大切ですね。

 そして、情報を活用すること。中央でも地方でも情報は同じものが入ります。その加工の仕方、あるいは上手に吸収する力。今後は様々な情報をどう活用するか、その力の差だろうと思います。

―― 本日は、どうもありがとうございました。

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