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2018/3 塾ジャーナルより一部抜粋

現役塾長が実践中の塾教材活用法

第3回 中学生指導用教材 その一

須原 秀和(すはら ひでかず)
1979年、須原英数教室を創塾。講師を雇わず妻と二人だけで指導。
『学校の授業』と『自分の勉強』を大切にさせ、教えることばかりではなく、育てることに心を配る『塾教育』を実践。それをテーマに2013年9月、国際教育学会で発表。国際教育学会(ISE)正会員。
2017年9月の国際教育学会にて『SUHARA式』テキストを使ったJ-CLIL教育について発表し、好評を得る。

 私の教室の正式名は『中学生・高校生 須原英数教室』です。今年で創塾40年目になります。最初の12年間は公立中学生を対象とし、卒塾生のアフターサービスのつもりで高校2年生の途中までボランティアで教えていました。現在では、小学4年生から大学受験生までいますが、相変わらず講師を雇わず妻と二人だけで指導しています。そのような訳で、教材に関しましては中学生・高校生指導教材の方が小学生対象の教材よりは豊富だろうと思っています。

 第3回目の今回は国私立中学受験用教材『国語の知識』に触れた後、中学生指導用教材、教育開発出版『新中学問題集』その英語版『T H E S H I N C H U M O N 』・『SUHARA 式J-CLIL 教育テキストMathematics』・朝日新聞『今解き教室』・英語『語順訳』・J E S 出版理科テキスト『実戦DO!』『実戦問題集』・絶版となって久しいですが育伸社『ユニテスト』について書いていきます。

『国語の知識』

 第1回目でご紹介しています『中学受験基本シリーズ算数』と同じ出版社から出ています。中学受験用と高校受験用があります。漢字や慣用句・ことわざ・故事成語あるいは短歌や俳句、更には文法など、入学試験に必要な基本的な『知識』を網羅してくれていて、しかも『自宅学習用』としても使い易くなっています。私のところでは中学受験用を長く使っています。

40年の歴史『老舗のタレ』 教育開発出版『新中学問題集』

 『新中問』の名を知らない先生は恐らくおられないでしょう。教育開発出版の方に『新中学問題集』(以後『新中問』)の歴史的背景を尋ねてみますと、1976年に創刊され、当初は数学と英語の2教科で、内容については現在の『発展編』のレベルに相当し、学習塾に通う学力上位層の生徒向けに開発された教材だったということです。多くの塾や私立中学校の先生方からのアドバイスを受け入れて『改善』を重ねた点が、『老舗の秘伝のタレ』のような絶妙な味わいのある、使い勝手の良い問題集に仕上がっていて、私が気に入っている理由の一つです。

 また、2002年の『ゆとり教育』によって、『解の公式』や『イオン』といった内容が学習指導要領から削除されたときでも、学習内容の削減をしないでそれらを掲載し続けレベルを維持したところが、時代の流れに左右されないで自分の信じる道を進む、私の教室の指導方針と軌を一にするところがあり、私が気に入っているもう一つの点です。新中問も私の教室も、40年に及ぶ歴史がそれを物語っているのです。

 1980年代中盤に、生徒数の増加に伴い基礎を中心とする『標準編』と、応用問題を加えた『発展編』の2レベルの構成になりました。印象深く残っていますのは、標準編の例題問題の中に空白部分があり、生徒がその中に数や式を書き込むことによって自らの知識を確認できる工夫がなされていたことでした。数学の弱い生徒や逆に一学年下の生徒の先取り学習として利用できるものでした。今はそれがなくなっているのが残念です。

業界初、画期的な数学英語版問題集
『新中学問題集』から“THE SHIN-CHU-MON”へ

 2015年3月、教育開発出版は英語イマージョン教育とクリル学習教育の両方に対応した新中学問題集数学英語版『THE SHINCHU MON』7th Grade(中学1年生用)を発刊しました。『標準編』をそのまま英文にしたものです。同年10月、奈良の西大和学園の先生から1冊いただき、私の知るところとなりました。『須原先生のところでは英語で数学を指導されているから役に立つのではありませんか』と言ってわざわざ持参してくださったのです。

 英語の授業を英語で指導することは大学では珍しくなくなり、高校や中学校でも取り入れているところがあります。英語の授業内容を文法や英作といった従来の語学学習そのものの指導にとどまらず、本文の背景にある文化やコミュニケーションなども取り入れた、新しい語学指導方法を“Content and Language Integrated Learning”【内容言語統合型学習】と言います。頭文字をとってCLIL教育と呼んでいますが、20数年前にEUヨーロッパ連合ができた頃、欧州各国で非ネイティブが英語で語学教育を始めたことがきっかけで、現在ではアジア諸国にも広がっているのです。

 一方、1960年代カナダのマギール大学の教授が提唱したとされる『英語イマージョン教育』は、ネイティブが母語で数学や理科といった教科を指導することです。フランス語を母語としてフランス語で数学を指導する場合はフランス語イマージョン教育であり。英語を母語とするネイティブが英語で教科を指導する場合を英語イマージョン教育と呼んでいます。カナダから北米全域に広がっているようです。

『SUHARA 式J-CLIL教育テキスト Mathematics』

 私はこのような理論の存在を知らず、ただ英語で算数や数学を塾生に教えることができれば楽しいだろうと考えて、2010年頃から独学で『英語で数学』の勉強をしていました。しかし、参考になる教材がほとんどないことに加えて、60歳を超えてからの勉強は零
に等しい記憶力との戦いでした。そのような折に、この『THE SHIN CHU MON』との出会いは衝撃的でした。

 同じ頃、大阪教育大学英語教育講座の先生から、帰国子女用の中学校数学の英語版教科書の存在を教えていただきました。私は教科書会社啓林館の許可を得て、左ページに日本語を右ページにそれと全く同じ内容の英語を配置し、見開き2ページにして『日英両言語参照型』テキストを作りました。これを『SUHARA 式J - CLIL 教育テキスト Mathematics』と名付け、自塾で使っています。この二つの教材が、私の数学の授業を一変させました。

 世界共通の数式や図形ですから、教わらなくてもある程度意味を推測できますので、『英語ではこう表現するのか…』と塾生たちは予想以上に興味を示し意欲的に取り組みます。英語の苦手な子も数学が不得意な子も、楽しく授業をすることで英語と数学の相乗効果を起こし、成績向上につながっています。語学教育のポイントの一つは『習うより慣れよ』だと思います。従来の『英語⇒日本語』という思考過程に加えて、『日本語⇒英語』という新しい思考過程が加わることによって、これまでと違って英語に対する親しみが湧いてくるのです。

 私は、この実戦的経験を2017年9月国際教育学会で発表しました。2020年の抜本的
な英語指導改革に対応できる、グローバル教育の指導方法の一つだと訴えて、好評を得ました。

グローバル時代が求める教材

 『THE SHIN-CHU-MON』は、2 0 1 6 年2月には8th Grade(中学2年生用)・9th Grade(中学3年生用)が揃いましたが、その制作の中心的役割を担った方が常務取締役営業本部長の糸井幸男氏と担当課長の経塚久彦氏でした。経済同友会で教育改革のリーダーシップを取っておられる開倫塾の林塾長から『世界の英語教育は教科を英語で学ぶのが当たり前』などと多くの助言を受けたと、発刊秘話をお二人から聞いています。

 教育開発出版は同年6月には、西日本の英語や数学の高校の先生を集め、大阪でイマージョンワークショップを開催しました。『THE SHIN CHU MON』の監修を手掛けたアメリカ人のBrian Shaw さんが英語イマージョン数学授業をされ、私は初めてネイティブの数学授業を経験しました。ブライアンさんはコロンビア大学を卒業されたとても優秀な方で、現在全国各地で英語イマージョン教育の普及に取り組んでおられます。例えば、2017年6月の國學院久我山中学校・高等学校や同年12月の京都府立南陽高校での授業を参観させていただきましたが、生徒の心をつかむブライアンさんの授業は素晴らしいと思います。私は手本にしたいと考えています。否応なしにやってくるグローバル時代の教育に、『THE SHIN CHUMON』も『SUHARA 式J - CLIL教育テキスト Mathematics』も、時代が求める教材になるのではないでしょうか。J - CLIL 教育につきましては別の機会にお話しできればと考えています。

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