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中学・高校受験:学びネット

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2016/1 塾ジャーナルより一部抜粋

次世代を担う講師たち 志道館学園 講師 美川 圭介さん
“先生は答えを言わないで!”
『受け身の作業勉強』から『討論し合う学び』へ

     

志道館学園(岐阜県大垣市)
学習部代表 美川 圭介さん

 昭和55年に岐阜県大垣市で開塾した志道館学園。文武両道の精神を礎に、学習塾だけでなく、剣道・居合道を指導する道場としても人気がある老舗の塾である。この志道館学園に30年以上携わり、学習部代表として多くの生徒たちを指導してきた美川圭介さんは、厳しさだけではなく、考えさせる授業で子どもたちの能力の根幹を養い、豊富な知識で子どもたちの“自立学習力”を育てている。

理系のモノづくりより
教育の人づくりを選んで

 志道館学園が開塾した当時、美川圭介さんはまだ大阪に住む高校生だった。その後、岐阜の大学へ進学し、化学専門分野を学ぶ傍ら、父親の知人だった志道館学園の代表の勧めもあり、美川さんはアルバイト講師として働くようになった。それから32年。現在、代表は剣道部、居合道部の指導に専念するようになり、学習部の指導は美川さんの肩に担われている。

 「父親は大学教員。母親も若い頃は中学校教員で、家庭に入った後も自宅の和室で近所の小・中学生を相手に寺子屋塾を開いていました。だから家には、大学の専門書や中・高生の参考書が所狭しと積んであり、両親の生徒さんが頻繁に出入りする生活環境でした。私たち兄弟のしつけや育て方も、今にして思えばどこか先生目線でしたね(笑)。そんな幼少年期を過ごしましたので、私自身も大学時代のアルバイト講師の体験を経て、本来の専門だった研究職よりも、やはり教育関係の仕事のほうが自分に合っていると考えるようになりました」

 そう語る美川さんだが、受け持っている子どもたちのために…という熱意で続けていたら、現在歩んでいる道が自然にできあがっていったと振り返る。

 もともと地元ではない岐阜で、アルバイト講師からそのまま塾に就職した美川さんにとっては、塾生やその保護者のかかわりが唯一の心の拠りどころだった。その頃は企業も学校も“週休2日制”が導入され始めた時代。世間が休んでいる時に働き続ければ、何の取り柄もない自分でもいつか頭角を示せるだろうと休日返上で突っ走った。

 そうして気付けば30年以上が経った。初期の教え子はすでに40代である。今では地域にしっかり根付き、最近では元塾生のお子さん、すなわち2世代目をお預かりする機会が増えてきている。

 「普通“母校”というのは、建物は残っていても中味は別。卒業生が恩師に会おうにもまずそこにはいない。そのうえ少子化の影響から、合併や廃校で母校が消滅するケースもあります。だから、塾講師と言えども、30年間同じところで変わらず、脈々と続けている存在は結構貴重だなと。卒業生が当時を懐かしんで戻って来れる場所であれば良いんです」

 美川さんの考え方は新陳代謝の激しい塾業界では大変珍しいが、これは志道館学園が進学塾であるとともに剣道、居合道の“道場”という一面を併せ持つ影響が強いという。今でもつながっている多くの教え子たちへ向けて、志道館学園では数年前からフェイスブックを開設。イベントの告知や教室での授業の様子など、日々の出来事をリアルタイムで情報発信している。

考え抜く学習方法で
楽しんで討論する生徒たち

 主に小学生から高校生までの理数系科目を中心に指導している美川さんだが、その指導は決して厳しいだけのものではない。確かに、生徒たちの習熟度レベルを上げるには、繰り返し学習や多くの問題履修が必要なときはあるが、一方で最近、その弊害から子どもたちの勉強の中味が「作業」になっていると警鐘を鳴らす。

 「短絡的に見て書き写すだけ。学校や塾への提出期限を守ることだけに囚われている。だから、問題量をこなしても、自分で再現できない。解決できない。下手するとミスしたままお構いなしです。これは子どもたちの学力レベルに関係なく言えることです。彼らの意識の中ではすでに作業が“正当な勉強”になってしまっている。今後10年、20年先に訪れる日本社会の変化に対応するために、巷では『高大接続改革』が話題となっていますが、国際社会でも通用するスーパーエリートを育成するほうに目が向けられやすい。それは学力の上位層、世代人口の5%程度が対象です。では残り95%の子どもたちをどのように導いていくべきなのか。『予測がつかない時代が到来するのだから従来型の学力や指導ではいけない』という意見が大半なのですが、果たしてそれで良いのかどうか。身近な子どもたちが抱えている問題点を目の当たりにすると首を傾げざるを得ない」

 そこで、志道館学園が取り入れているのが、「考え抜く学習方法」である。

 「数学ではすべてを一方的に教えるのではなく、生徒同士の討論で解決策を見つけさせるように言葉掛けをします。アクティブラーニングに近いと思いますが、生徒を受け身にさせない、思考停止させないように、このやり方を導入して以来、生徒たちが先を争って考える姿勢が見られるようになりました。講師が横やりを入れようとすると、生徒側から『自分たちで解決させてほしい』と解説を止められることもありますね」

 また、学習意欲を盛り上げるきっかけとして、科学館への見学や理科実験室、自然体験など、イベントを豊富に取り入れた実践教育も行っている。

 こういった指導を受けたいと通塾している生徒は、少人数クラス制で約100名前後。塾運営の方向性を決めるときには「お預かりした子どもの困りごとを解決するのが基本」と考えてきた美川さんは、寄せられる期待を裏切ることはないようにと日々真剣に指導に取り組んでいる。

リアルタイムで熱を伝える
SNSやHPを駆使した情報発信

 時代は先へ先へとすごい早さで流れている。それは学習業界にとっても他人事ではない。中高一貫教育、高大連携教育と、縦のつながりが強くなり、大学受験も数年後に社会に必要とされる人材を見極める内容に変化している。

 では、その大学へつながる高校受験がどのように変化していくのか。現在、多くの塾が受験対策として行っているような過去問練習や英単語・公式の暗記だけでは、合格につながらなくなる日が必ず来ると美川さんは懸念しているのだ。

 「受験だけでなく、社会で起きているさまざまなジャンルのことにアンテナを張り、理解していく努力を続けないと、塾は時代の流れに押しつぶされます。志道館学園ではその考えを軸に柔軟に指導方法を変化させてきていますが、これは広告などの印刷物ではなかなか伝えることができません。そこで導入しているのが、先に述べたフェイスブックやホームページ、ブログ、ツイッターなどの毎日更新ができるネットツールです。その日に起きたことをありのままを伝えることで、塾での子どもたちの熱い姿勢を多くの人に感じていただけるでしょう」

 時代の流れに敏感に反応しながらも、生徒一人ひとりに手をかける時間をできるだけ長くし、コミュニケーションを取りながら、「自ら考える学習」へ導いていく美川さん。すでに訪れている世界規模のネットワークを使った教育にも興味津々であり、今後どのような手段で生徒をさらにステップアップさせていくのか、注目の講師である。

  

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