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中学・高校受験:学びネット

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2015/1 塾ジャーナルより一部抜粋

ズームアップインタビュー この人に聞く110
中学受験の老舗「日能研」の一翼を担い
関西に新風を吹き込む

     

株式会社日能研関西
代表取締役社長 小松原 健裕さん

 日能研グループは、全国に140教室以上を展開し、生徒数約3万人を抱える中学受験の最大手塾である。その一翼を担う日能研関西の代表取締役社長に昨年2月、小松原健裕さんが就任した。大学卒業後、日本IBM勤務を経て、8年前に事業継承のために日能研関西に入社。今年36歳の若きリーダーである。中学受験率が低下する関西圏において、グループ各社と連携を図りつつ、独自の取り組みを進めている。昨年4月に設立した一般社団法人「関西教育機構」では理事長を務め、私立中高一貫校の教育の優位性と中学受験の意義を広くアピールし、地域の教育水準の向上を目指す。

日能研で学んだからできたこと

── プロフィールを拝見すると、慶応の法学部を卒業して、日本IBMに就職されています。関西に戻って、日能研関西を継ぐというお考えはなかったのでしょうか。

小松原 全くなかったですね。学生時代から大企業で働きたいという思いがあって、日本IBMに就職しました。当時はITバブルの頃で、営業をしながらシステム構築にもかかわることができて、仕事が楽しかったですね。ところが就職して6年ほどたったときに、父から「そろそろ戻ってきて、会社の手伝いをしないか」という話が出てきました。

── どうするか迷われたのではないですか。

小松原 そのとき、自分の人生を振り返ってみたら、中学受験を経て、中学、高校、大学、社会人と充実した生活を過ごしていたことに気付きました。これは、小学校のときに日能研で勉強していたことが活きているんですね。だったら、一人でも多くの子どもたちに中学受験を経験して、社会で羽ばたいてほしい。それを応援することを一生の仕事にしてもいいかなと思いました。

── ITビジネスの最先端から小学生相手の学習塾の世界に入って来られて、違和感はありませんでしたか。

小松原 IBM時代は、いかに利益を上げて会社に貢献できるかが重要でした。しかし、ここでは子どもが第一です。仕事の効率より、子どもの面倒をみることが優先される。一般の企業とはまるで違う基準で動いていることに、最初はギャップを感じました。

── 授業も担当されたのでしょうか。

小松原 一般の新入社員と同じように研修を受け、一昨年までは授業を担当していました。徐々に経営に携わる比重を増やし、副代表を経て、2014年2月に代表に就任しました。

── 現在、日能研関西としては、何教室を展開されていますか。

小松原 兵庫、大阪、京都、岡山、広島を合わせて25教室です。生徒数は6〜7千人。売上高は約38億円です。

── 今後の教室展開の予定を教えてください。

小松原 具体的な場所は未定ですが、教室は展開していきます。教室によって、100人から700人まで規模はさまざまです。一定の生徒数が見込める地域に、その数に見合った規模の教室を出していく考えです。

── 人材確保はどのようにされているのでしょうか。

小松原 新卒・中途採用ともに行っていますが、今いる社員を大事に育てることを重視しています。そうすることで、社員とのつながりから、新しい人材を採用できることもあります。

── どのように人材を育てられているのですか。

小松原 やはり研修の積み重ねですね。また、社員同士の懇親の場を提供したりしています。授業の研修は毎月2時間かけています。その他、保護者会の研修や社会人としてのマナー研修なども行っています。また事務職員、若手職員、教室長など、対象を絞った研修も行っているので、トータルとしてはかなりの時間をかけています。

リビングでWeb授業を受講

── 日能研グループということで、テキストや教室運営など統一されている部分が多いと思います。テストごとに成績順で座席が決まるというのは有名ですね。

小松原 日能研の伝統です。自分が子どものときも成績順に座っていましたから(笑)。

── どんな気持ちでしたか。

小松原 大人だと深刻に受け止めるかもしれませんが、子どもは、今週は頑張ったから前の席になった、さぼったから後ろの席に下がったというような感じで、自分の頑張り度を確認しています。ただ、成績がかなり落ちて、クラスまで変わってしまったときは、きちんとフォローします。それだけ成績が下がるということは、何らかの理由があるはずですから、子どもに納得させます。その後に少しでも頑張ったら褒めています。

── では、各地域で異なる点はどんなところですか。

小松原 一番大きいのは学校対策です。首都圏の4科目入試と違って、関西は国・算・理の3科目入試が主流です。学校ごとに入試問題の傾向も違います。関西では、他の地域より、算数に多くの時間をかけています。
その他、文化の違いもあります。例えば、首都圏は子どもをなるべく早く帰宅させて、家で勉強させたいという家庭が多い。一方、関西では、できれば塾に残して勉強させたいという要望が、以前は多かったですね。そのため、関西が最初に質問対応専門の「チューター」を配置しました。もっとも最近は安全面から、関西でも子どもを早く帰してほしいという家庭が増えてきましたが。

── グループ間の調整はどうされているのですか。

小松原 月に一度、幹部が交流しています。指導内容は基本的に統一していて、教室運営や学校対策などは、地域ごとに工夫して行っております。

── 全国組織ならではのメリットはどんなところですか。

小松原 互いにアイデアを出し合ったり、ひとつの法人が先行してうまくいったことを取り入れられるという点です。例えば、2006年に関東で始めたDI(デジタルイメージ)採点システムは、関西でも5年ほど前に導入しました。これは、「テスト当日に間違い直しをさせたいが、子どもは問題用紙を見ても自分の答えを思い出せない」という保護者の声が多かったことから生まれたシステムです。テスト終了後に、回収した答案用紙をその場でスキャニングしてPDF化し、子どもに未採点の答案用紙を返します。子どもはそれを持ち帰り、家庭で間違い直しができます。採点結果は解説とともに2日後にWebにアップされますので、そこで最終確認ができます。

── システム導入の効果はいかがでしたか。

小松原 導入以前と比べて、特に6年生で全体的に学力の伸びがはっきりでました。導入してよかったと思います。システム構築にはかなりの初期投資が必要ですので、1社では難しかったと思います。

── 一昨年から関西独自でWeb授業を開始されましたが、今後は全国展開になるのですか。

小松原 各地域の判断になると思います。関西は教室数が少ないので、兵庫西部や大阪南部など、遠方の子どもたちもWebで授業を受けられるようにと始めました。

── Web授業だけを受講している子どもは多いのですか。

小松原 まだ、少ないですね。受講生の半分は本科生で、家での復習に利用しています。中高生と違って、小学生がPCやタブレットに向かって1人で勉強するのは難しいと思います。

 しかし、これからはテレビとネットをつなぐ家庭が増えてくるので、リビングでWeb授業を受けられるようになります。今も中学受験生の多くはリビングで勉強していますので、新しい学習スタイルを提案していきたいと考えています。

3社合同模試で
中学入試に新しい指標

── いま注目を集めている一般社団法人「関西教育機構」について伺います。どういう経緯で浜学園、アップと一緒に設立することになったのですか。

小松原 日能研としては、もともと中学受験率が下がっている中で、私立中高一貫校に通う価値、小学生のときに勉強する重要性を幅広く伝えていきたいと考えていました。しかし、自分たちだけでは限界がありますし、他塾と協力できれば大きな効果が期待できます。そんなとき、大阪の私学展で浜学園さんとご一緒する機会があり、「中学受験を盛り上げていこう」という話になりました。アップさんは同じ兵庫県に本社がある塾ということで、話を持ちかけたところ、趣旨に賛同していただき、参加してくださいました。

── 浜学園は一番のライバルですよね。

小松原 普段は完全な競合関係で、常に比較される存在です。野球で言えば、阪神と巨人のような関係でしょうか。絶対負けたくない相手ですが、対サッカーでは協力しようという感じです。

── 小松原代表が理事長に就任されましたね。

小松原 3社の中で、私が保護者に中学受験のメリットを話す機会が多かったのと、「新しいことをやるのだから、一番若い者がいい」と言われて、理事長を引き受けることになりました。

── これまでにどんな活動をされてきたのですか。

小松原 各地で私学フェアや男子校フェア、女子校フェア、保護者会などを実施しました。将来的には、合同模試を考えています。そうすれば他塾の生徒も受けるだろうし、関西の統計データとして一番確かなものが出るでしょう。実施に当たっては、互いのカリキュラムやシステムなど調整が必要ですが、ぜひ実現したいですね。

中学受験の日能研と
別ブランドの可能性

── 日能研関西の今後の課題を教えてください。

小松原 直近の課題としては、大学入試の変更に伴って、中学入試で要求されることも変わってくると思われますので、その準備です。すでに教材に少しずつ自由記述を差し込んでいます。

 また、どこの塾も同じだと思いますが、一番の課題は子どもの意欲をどう高めていくかです。一人ひとりの子どもにどう目標を持たせるか。工夫が必要です。モチベーションが上がれば、短い時間で効率よく学習できるので、結果的に子どもが早く帰宅することにつながります。

 中長期的には、動画やタブレットの有効活用ですね。授業に取り込んでいくか、他の方法を取るかは、まだわかりませんが。

── 少子化対策として、中学受験以外にもターゲットを広げるというお考えはありませんか。

小松原 日能研としては、今後も中学受験専門でやっていきます。別ブランドで新しいサービスを提供することも可能性としてはゼロではありません。しかし、今のところは、教室運営方法などを工夫して、生徒数が以前ほど多くなくとも採算が取れるようにすることで、教室展開を進めていきます。また、Web教室とのリンクも含め、新しい指導スタイルを提案したいと考えています。

── 本日はどうもありがとうございました。

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