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2013/3 塾ジャーナルより一部抜粋

これでわかる私大医学部のすべて

第1回 私立大学医学部入学試験の現状

医進サクセス 室長 平野 晃康
昭和53年生まれ。南山高等学校男子部卒業、名古屋大学工学部卒業。大学院時代から塾・予備校の講師を務める。指導歴は約8年。3年前から名古屋セミナーグループ医進サクセス室長として医学部志望者を中心に指導を行う。『私大医学部入学試験を斬る2013』(名古屋セミナー出版)を執筆。


少子化の中でも大学入学者数は増加、医療系学部の人気は顕著

1992年に205万人だった18歳人口は2012年に119万人へと約40%減少しました。この減少傾向は今後も続き、文部科学省によると2040年には103万人になる見通しです。

 このように18歳人口が減少する一方で、大学進学率は増加の一途をたどっており、1992年に26%だった大学進学率は2011年には50%まで増加しました。この結果、大学進学者数は18歳人口の減少に逆行して1992年の54万人から2012年には67万人へ増加しました。

 ここ数年、やっと少子化の影響で大学進学者数は頭打ちになりましたが、高校生の大学進学意欲は高く、偏差値上位の大学では毎年熾烈な競争が繰り広げられています。
中でも人気なのが歯学、薬学、看護学、医学など医療系の資格が取得できる学部です。

 私立大学医学部のみに限ってみても、2007年度入学試験では69,421人だった総志願者数が2012年度には82,344人と5年間で約20%増加し(表1)、一般入学試験・センター利用入学試験の平均倍率は約15倍という人気ぶりです。

 次節からは、私立大学医学部受験者数増加の原因と今後の展望について説明しようと思います。

私立大学医学部の志願者数増加の理由

@冷え込む日本の経済と医師という職業の魅力

 中国・韓国などの台頭、少子高齢化、赤字国債の累積額の増加、産業の空洞化、バブル後の失われた10年、株価暴落による世界的不況、東日本大震災など、日本経済はますます厳しい状況にあり、先行きは不透明です。大学を卒業したにもかかわらず就職先が決まらない学生があふれ、就職氷河期という言葉が新聞やニュースに登場するようになってずいぶん経ちました。

 このような社会情勢の中、卒業と同時に医師免許を取得することができ、卒業後の社会的地位がほぼ確実に保証される医学部は理系の優秀な学生にとって魅力的な選択肢となっています。

 また、医学は現在最もスポットライトを浴びている学問領域で、応用できる範囲が広く、優秀な人材と多くの資金が集まっています。そのため、世界最先端の技術研究に従事したいと考える学生にとっても、非常に魅力的な学問です。

A新設私立大学医学部の子弟が受験期に差し掛かった

 国民の医療環境を整えるため、1960年頃から医学部の定員増加が始まり、1970年代にはいわゆる新設医学部が全国に作られました。この結果、1970年頃から医師国家資格の取得者数が増加し始め、1971年に3,723人であった医師国家試験合格者数は1984年には8,499人と初めて8,000人を超え、その後8000人前後を維持しています。医学部は6年制ですから、高校卒業後、ストレートに進学して医師国家試験に合格したとすると、医師免許取得時は24歳、インターンまたは初期臨床研修の2年を終えた時点で26歳ですから、結婚出産は30歳前後になる方が多いのではないかと考えられます。

 そうすると、1980年代半ばに医師免許を取得した方の子弟は1990年頃の生まれとなり、2013年には20歳前後でちょうど大学受験をする年齢になっていますから、ここ数年間、私立大学医学部の志願者数が増加している事の説明ができます。

B受験方式の多様化

 ここ数年、センター利用入学試験、推薦入学試験、後期入学試験など、従来行われていた一般入学試験以外の受験方式を採用する大学が増えてきました。センター利用入学試験を実施する大学は2002年には2校に過ぎませんでしたが、2012年には11校が実施するようになりました。(2013年には埼玉医科大学と関西医科大学が採用して13校になりました。)(表2)これにより、2002年には1,742人だったセンター利用入学試験の受験者が2012年には8,527人まで増加しました。このような受験方式の多様化によって選択肢が増えた事も志願者数が増加した事の一因となっています。

C学費値下げ・地域枠・奨学金制度の充実

 地域医療の崩壊が取りざたされるなど、地方では医師の数が不足し、都市部でも小児、周産期、救急、麻酔など特定の科の医師が不足しています。医師不足のためにいわゆる「たらい回し」状態となり、救急搬送される患者が死亡するというケースがニュースなどでしばしば報じられています。このような医療問題の解決は、国や自治体にとって急務であり、対策として、2007年に文部科学省、厚生労働省、総務省による「緊急医師確保対策」が打ち出されました。これにより、各自治体が一斉に奨学金制度を設立し、大学も定員増加を行いました。

 各自治体の実施する奨学金は月額15万円〜30万円程度で、卒業後、奨学金を貸与した自治体の指定する医療機関で一定期間医師として従事すれば返済を免除されるというもので、へき地医療や特定診療科の医師不足を解消するためのものです。

 医学部の学費は一般に高く、私立大学では6年間の合計で平均約3800万円です。
これは一般家庭が支払う事ができる金額の上限を大きく超えており、費用の壁が受験者数を抑制してきました。

 しかし、このような自治体奨学金が充実してきた事により、これを利用して私立大学医学部を志望する学生が増加しています。

私立大学医学部入学試験の今後の展望

 私立大学医学部はおそらく今後もしばらくは受験者数が増加し続けるでしょう。そのため、競争はますます激化すると考えられます。また、医学部を管轄する文部科学省はより良い医師を育てるためのカリキュラムを各大学に導入するなど、今まで以上に優秀な学生を集めて育成する事に熱心になっています。

 このようなことから、私立大学医学部入試はこれまでも難関でしたが、今後、ますます難関となると考えられます。

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