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2011/7 塾ジャーナルより一部抜粋

情報を集めて学校改革へ──関西の中学入試を活性化せよ!
中学入試情報セミナー 2011年度関西地区 中学入試結果総括

  2011年4月27日(水)/於 AP梅田大阪(旧アクスネッツ梅田)
主催 株式会社エデュケーショナルネットワーク
 
     

株式会社エデュケーショナルネットワークの中学入試情報セミナーが、今年も4月27日(水)に開催された。
今春の関西地区全体の中学受験は、昨年度比0.7%減とわずかな変動であったが、決して右肩上がりではない。この結果を踏まえ、来年度以降の入試対策を考える基軸となる情報を収集できるのが、今回のセミナーである。参加したのは学校関係者66校100人、塾・教育関連会社からは39社71人。合計105法人171人。過去最高数の参加者全員が、真剣な面持ちで講義に耳を傾けつつ、資料に目を通していた。


講師
株式会社エデュケーショナルネットワーク
藤川 享氏

関西地区の志願者動向

 入試日の前倒しによる単独日程入試を行う学校の減少、午後入試の増加など、さまざまな動きがあった2011年度の関西地区中学入試。しかし、全体の受験人数に劇的な変化はなく、盛り上がりを欠く結果となった。

 関西2府4県の小学6年生児童20万4,176人中、1万8,893人が解禁日初日の午前に受験。受験率は、昨年より微減の9.3%にとどまった〔表1参照〕。

大阪

 解禁日初日の受験者数は8,301人。これは初日に午後入試を行った大阪桐蔭と大阪産業大学附属の受験者数は含んでいない。受験率は9.7%と、2007年から初めて1割を切るという厳しい結果である。

 前期入試志願者数の前年対比では、開校2年目の関西大学が大きく増加〔図1参照〕。他にも清風南海、金蘭千里などの入試レベルの高い中学が増加傾向にある。ただし、大阪星光学院や四天王寺はわずかに減少した。

 昨年、3科選択を可能とし、大きく志願者を伸ばした高槻は2年前の水準に戻った。大学実績がここ2年不振であった明星は大きく志願者数を減らしたが、今春の結果では、京都大学が14人と復活しているので、来年度は要注意の学校だ。

 その他にも、6年一貫コースを新設した梅花、共学化を実施した上宮・上宮太子が増加率を上昇。一方、プール学院や樟蔭は減少率が大きかった。

 今回の入試のトピックスとしては、上宮、上宮太子の共学化が上げられる。女子の入学率は高く、上宮では新入生の4分の1、上宮太子では3分の1が女子生徒となった。また、今年新設の常翔学園は募集定員100名に対して、総受験者数225人、競争率はA日程で1.18倍と高い人気を集め、最終的には入学者数101人と定員充足を果たした。

兵庫

 兵庫の解禁日受験率は、10%とほぼ昨年並み。

 学校別では最難関と呼ばれる灘、甲陽学院は受験者数を伸ばしている〔図2参照〕。また、大学合格で高い実績を出した神戸海星女子学院、コースの改編を行った雲雀丘学園も昨年度比をかなり上昇させた。松蔭も昨年度低迷した数値を例年並みに回復させ、比率としては大きな伸びを見せた。

 一方、報徳学園は昨年より下回っているものの、これはコース改編による一時的な人気が落ち着いたため。減少傾向を見せた関西学院は、大学連携校・提携校の増加と次年度の共学化が主な要因と思われる。また、神戸龍谷は4年連続減少傾向となっており、開校当時の勢いがなくなってきている。

京都

 初日の受験率は10.8%(昨年10.7%)と、大阪・兵庫・京都の3都市で、唯一の増加傾向を見せた京都府。東山、ノートルダム女学院、花園が単独日程から初日へ参入し、專願入試の生徒を確実に獲得する動きを見せた〔図3参照〕。志願者動向でも、洛南高等学校附属、洛星、同志社、立命館といった偏差値上位校が大きく数値を伸ばし、龍谷大学付属平安、大谷、京都文教などは、志願者が前年を下回った。また、京都女子は解禁となったプレテストを開催。約700人の受験者を集めたのが、実際の受験でも大きく志願者数を上げる結果につながったと思われる。

その他の地域

 奈良県は初日の受験率が7.6%と昨年よりも低下したが、和歌山は8.2%、滋賀は3.7%で、昨年度より大きく伸ばした。

 志願者の前年対比では、東大寺学園、西大和学園、智辯学園和歌山が、前年度より大きく人数を増やした。帝塚山は減少したが、初日参入した奈良学園登美ヶ丘の影響もあったと思われる。その他には、女子の進学校として定評のある和歌山信愛女子短大附属、選抜コースを新設した奈良育英なども受験生を増やしている。

 また、解禁日以前に入試を行う関西以外の中学では、岡山白陵が前年度比174%超(非專願・男子)など、岡山県トップクラスの中学はほぼ100%を超えている。県外入試を行っている土佐塾は前年度比97.6%(前期入試)だが、総受験者数1,409人とずば抜けて多く、関西受験生にとって事前入試の魅力の大きさを表している。

志願者減少の要因と対策

 全体として、私立中学入試が盛り上がりを欠く要因のベースに、長引く不況があることは間違いない。そのような環境下、中学受験を目指す保護者の目が厳しくなってくる。つまり、中学入試に明確な目的(=メリット)が必要になってくる。その明確な目的が見つけられなかった保護者は高校入試を選択に入れる。しかし、残念ながらその高校入試とは公立高校入試のことである。また、雑誌『サンデー毎日』が毎年発表する高校別京都大学合格者数では、上位ベスト20のうち8校が公立高校となっており、最近の公立指向に拍車をかけている。まして、公立高校は無償である。私学にとっての最大のライバル(=敵)は公立であると言えるだろう。不況の中、このような考えが広がった結果が、中学受験率の低下を招いていると考えている。

 こういった動向に対し、大上段から、「大学合格実績だけが、学校の良しあしを決めるわけではない」と主張しても、自分の子どもたちの将来を考える保護者の心にはなかなか響かない。保護者の視野を私立へ広げるには、しっかりと進路保証を行った上で、教育理念や私学の指導の本質を訴えることが大切だ。学校選びのイベントだけでなく、さらに私学全体として、中学受験を身近なものにする働きかけが必要だと考える。

関関同立付属校・
提携校の入試状況

 進路保証という点では大きな武器となる、関関同立の付属校・提携校の入試状況について見ると、その人気も盤石でないことがわかる。過去5年間の受験者数の推移を見ていくと、関西大学の附属・連携校は、2010年に開校した2校を合わせ、計4校で非常に多くの受験者を確保している。やはり、大阪における関西大学のブランド力は絶大である。

 関西学院系は全5校。帝塚山学院が人気を集めているものの、全体では2年連続で低下。

 立命館系6校は全体では横ばいだが、立命館は2010年度の500人減から200人以上の回復を成した。が、まだ最盛期には届かない。

 同志社系は同志社が35人ほど回復したものの、5校合計では2007年度から右肩下がりを続けている。

 同志社では今春、京都大学13人を含む、国公立に43人の合格者を出している。このように、今後は有名大学の付属校と言っても、併設大学以外の進路の要望にも応えていく必要がありそうだ。

日程別志願者の推移

 解禁日の入試が易しくなれば、後期入試を受験する必要がなくなり、多くの学校が後期日程の受験者確保に苦慮している。

 大阪は入試日程の前倒しが顕著で解禁日より4日目でほぼ終息。その混雑する日程を回避する意味で、今年度より解禁初日に大阪桐蔭、2日目に関西大学北陽、桃山学院、常翔学園の午後入試が始まった。

 兵庫では3日目以降の受験者数が一気に下がるが、3日目の松蔭が入試日程の前倒しを行い、受験者数を大きく伸ばした。

 京都は過去の入試の流れから2日目、3日目にも多くの受験生が集まる。立命館・ノートルダム女学院・京都女子などが昨年以上の受験生を集めた。

午後入試の導入

 2011年度入試では午後入試が大きな話題となった。今年より午後入試を始めた学校では、帝塚山学院、上宮、関西大学北陽、桃山学院が前年度比160〜180%超にアップ。大阪桐蔭は初日の午後で前年度比339.9%と高い数値を上げた。午後入試のメリットとして競合する学校が少ないことが挙げられるが、一方では、手続率の低さを懸念する向きもある。しかし、今春の午後入試の手続率平均は24.2%と、午前入試とそん色ない手続率になっている。

 尚、話題となった大阪桐蔭の初日午後入試の午前併願校は、大阪星光学院、四天王寺、清風南海、帝塚山、明星、清風、開明といったところが多かったようだ。

定員充足状況と入学率

 関西地区全体で定員を充足させた私学は全146校中66校。ただし、京都は24校中11校、大阪は66校中22校と、ともに半数を下回る。解禁日初日の志願者が定員を超えていることが、最終的な定員充足の大きな条件となっているようだ。

 すべての入試を経た最終的な関西地区の私学への入学者数は1万8,687人で、ほぼ昨年と同数。しかし、児童数を分母とした私学入学率は9.6%で、2005年度と同レベル。2005年以降、新しい私学が11校増えたことを考えると、私学にとっては非常に厳しい状態となっている。

 さらに、学校ごとの定員充足率を偏差値帯で相関を見ると、当然のことながら偏差値が上がるほど、定員充足率の高い学校が偏る傾向が見て取れる。充足率100%のラインは偏差値55。3年前の2008年度入試では、ラインが45だったことからも、受験率の低下の影響が、偏差値の低い学校を直撃していることがうかがえる。

2012年度入試に向けて

 このような厳しい入試結果に終わった2011年度入試を終え、各学校はすでに次年度への対策および広報活動に入っている。例年になく早い日程で、塾対象の説明会を行ったり、法人を挙げた合同での説明会も行われている。

 今後は例年以上に入試制度の変更情報も発表されてくると思われる。ただし、大切なのは入試制度のみの変革ではなく、学校改革に連動した結果、入試制度が変わるということである。塾の先生方は魂の入った学校改革と単なる入試変更を見分ける目を持っている。

 私学が活性化していくために、本日のセミナーが参考になれば幸いである。

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