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中学・高校受験:学びネット

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2010/11 塾ジャーナルより一部抜粋

『価値組』学習塾になるNo.1戦略

第4回 接近戦で心をつかむ

大咲 元延 (おおさき もとのぶ)
学生時代からはじめた英会話教室を経営するなかで数多くの取り組みを実践し、独自のノウハウを確立。さまざまな業種の中小企業の開業・経営・集客などのコンサルティングを行う一方、年間50回を越す講演会やセミナーで全国を回っている。中小企業診断士、書店経営者。趣味は、合気道、遊書。 著書は「小さなお店でガッチリ稼ぐ法」ほか。
URL: http://www.oosaki-k.com/

納車率100%のディーラー

 ある地方の数百件ほどの集落で、納車率が100%というディーラーがあります。その集落で乗られている自動車はすべてA社の車。それもS氏一人で販売されています。住民は、A社の車が特に優れているからA社を選んでいるという訳ではないようです。

 他メーカーの車を販売するディーラーから辣腕のセールスマンが、その集落に投入されました。しかし、どの家に行っても断られて帰ってきます。住民は口を揃えて、「私は車を買うのはSさんからと決めています」と言います。

 ある時、他社のセールスマンはその訳を聞いてみました。そこでどうして住民がそのように言うのかが判明しました。

車にまつわるすべての安心を買う

 S氏は、仕事専用の携帯電話を24時間ずっと持っていて、トイレに入る時も、風呂に入る時も、寝る時さえも、肌身離さず持っていると言います。

 そして、山の峠で車が故障したと聞くと、真夜中であってもすぐに駆けつけます。街中で他の車と接触事故を起こして、相手がちょっと怖そうな人であっても、渡り合って交渉してくれます。休日に車に乗ろうとして動かない時も、すぐに代車を持ってきてくれます。

 S氏から車を買っている人は、車を買っているのと同時に、車にまつわるすべての安心を買っているのです。だから、住民はS氏を信頼して、他の人から車を買おうとはしません。住民にとって車購入の決定打は、価格ではなく、安心をもたらしてくれる緊密な人間関係だったのです。

「勉強学校」という人間関係

 昭和30年代ごろ、まだ学習塾という名前は一般的ではありませんでした。しかし、「勉強学校」と呼ばれた近所の大学生や大学卒の主婦が自宅で教えているところはありました。学校のクラスで「勉強学校」に通っているというと、珍しがられるほどでした。時代を経て、これが発展して塾になったと考えられます。

 勉強学校の時は、特にチラシなどで宣伝はしませんでした。生徒は、ほとんどが口コミで集まっていたようです。母親が自分の子供を連れてきて、「面倒を見てください」と頼みにくるというものです。成績を上げるのが目的ではなく、その時間預かってもらい、宿題でも見てもらえればいいという程度で、なんとものどかな時代でした。考えてみれば、これはまさしく勉強を教える側と、教わる側がぴったりと接近していたということです。

 江戸時代の寺子屋もそうだったかもしれません。お寺のお坊さんが、境内でいつも遊んでいる子供たちの親から、読み書きでも教えてほしいと頼まれたことから始まったようです。宣伝が先にあったのではなく、人間関係が先に存在していたということです。

 公教育ではない私教育の原点は、親と教師の人間関係で成り立っていたのでしょう。その時の感覚を今一度思い出してみるのもいいと思います。

保護者が求めていることに応える

 通常の買い物は、自分が自分のためにお金を出して買います。習い事でも、自分が習うために自分が月謝を出すのが普通です。しかし、塾ではお金を出す人と、実際に習う人が違います。生徒、保護者、塾という三角関係になっています。

 塾側からみると、保護者と生徒の両方に気を配らなければいけないということになります。どちらかの気を損ねても、簡単に辞めていってしまう、それが私塾のツライところです。といって別に媚びるということでは決してありません。両方をしっかりと見ていないといけないということです。気を配るというのは、現代人の一番弱い点です。

 保護者が求めているのは、二つです。一つは、自分の子供が喜んで塾に通っているかということ。もうひとつは、学習成果が表れているかということです。遊ばせてあげると、子供は喜びますが、学習成果につながりません。

 逆に、厳しくしすぎると、成績は上がるかもしれませんが、生徒は辞めたいと親に訴えるかもしれません。その兼ね合いが難しいといえます。しかし、保護者はこの二つで塾の良否を判断するのは間違いありません。

 塾としては、進学などの情報提供を十分にしていることで、保護者は喜んでくれているだろうと考えます。でも保護者たちは、こういったことは当たり前と考えており、特にありがたがることはないようです。

月1回の双方向通信

 では、この二つに共通することは何でしょうか。それは、塾の先生がいかに自分の子供をしっかりと見てくれているかということです。それはどのようにすれば伝わるでしょうか。

 人間関係は、放っておいたのでは徐々に希薄になってしまいます。そうならないためには、何らかのツールを持つ必要があります。

 塾だよりなどの通信を発行している塾はたくさんあります。これには、行事や連絡事項、結果報告など塾側からの一方通行のお知らせがあるのが普通です。これはこれで大切なものです。せっかく作って生徒に持たせても、通塾カバンの中で眠ってしまい、保護者まで届かないケースもよくありますが。

 これとは違い、生徒についての塾から保護者への双方向のコミュニケーションツールというものがあります。学校では、毎学期末に通信簿という形で成績と先生からの一言を添えて生徒に渡されるものがあります。私たちも子供の時、家に持って帰るのがドキドキした覚えがあります。でもここでいう双方向のコミュニケーションツールというのは、これではありません。

 もっと頻繁に塾の先生と保護者との間で交わされる会話のような通信です。ちょうど交換日記のようなものと考えてもらえばいいでしょう。先生としては大変です。でも月1回程度であればどうでしょう。なんとか時間を作ることはできるのではないでしょうか。

 こういったツールを作り、保護者に「あなたのお子さんをしっかりと見ていますよ」というアピールをしてみましょう。きっと良い緊密な人間関係を築くことができます。誤解は、会話不足から発生することが大半ですから。

生徒が胸襟を開く環境を作る

 成績が上がれば、少々厳しくしても子供は喜んで通ってくるよ、と言われる塾経営者がおられます。確かにそういう生徒はいます。ただこれらは成績上位クラスの生徒で、全体の割合からすると少ないと考えられます。子供は、勉強するより遊びたいと思うのが普通です。大人でもそうかもしれませんが。

 では、ゲーム感覚で勉強を教えるということかと聞かれます。それも違います。来年度小学校の教科書が全面改訂されます。そこで、従来の教科書を作る会社以外に、ゲームソフトを作る会社が参入するということです。そこが作る教科書は、まさしくゲーム感覚で勉強を進めていくという作り方と聞いています。これがどのように受け入れられるのかは、出てからの反応如何でしょう。

 しかし、ここでいう生徒に好かれるというのは、こういったことではありません。あの先生が好きだから、その科目も好きになり、成績も上がる。これはよくあることです。先生と生徒の人間関係が密になっているということです。といっても、ベタベタした関係ということではありません。

 子供は、大人が思うよりずっとしっかり大人を観察しています。観察していく中で、どういった大人が信頼できるのか、信頼できないのかを判断しています。信頼できる大人はというと、言ったことと行動が同じで筋が通っていること。生徒を平等に扱ってくれること。生徒の間違いを正す時は、目と目を合わせて話をしてくれること。約束したことは、どのように小さなことであっても守ってくれることなど細かいことではありますが、我々大人がついつい疎かになっていることかもしれません。
生徒とより緊密な関係になるというのは、先生から無理やり接近していくことではありません。生徒に受け入れてくれる素地ができる環境を提供することです。その環境とは、先ほどのようなことです。簡単なことですが、はたして出来ているか今一度自問してみる必要がありそうです。

地元を固める

 よくうちの生徒は遠くの町から電車に乗ってやってくると自慢される経営者がいます。それはそれで凄いことです。では、塾の近所に住んでいる子供はどうですかと聞くと、決してすべての子供が自塾の生徒ではありません。遠くの塾へ通っているみたいです。塾の性格や形態にもよるでしょうか、地元の子供がたくさん通ってくれる塾でありたいものです。

 本誌7月号で、地図上に生徒の住まいをプロットしてくださいとお願いしました。実際に実行された方は、気づかれたと思います。自塾のまわりにも空白が多いなと。原因はさまざまだと思いますが、ぜひとも、何が原因なのかを追及していく作業をしてください。販促や広告の仕方なのか、授業のやり方なのか、生徒や保護者の管理が不十分なのか。地図上のプロットの色を変えることで、数年前との比較ができます。原因が分かれば、地元を固める手立てが必ず見えてきます。

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