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2010/11 塾ジャーナルより一部抜粋

新教材時代到来! 学研が進める新たな世界への挑戦

     
 教科書・教材などの教育コンテンツをデジタル化し、それをつなぐネットワークシステムを構築。そしてそれらを使用する端末やソフトウェアの環境を整える『教育のデジタル化』が、現在注目を浴びている。  多数の企業がこのデジタル化に向けて動く中、『学研ホールディングス』も、デジタル教材の作成と活用に乗り出した。  業界最大手の企業は、この新たな分野の開発をどのように考え、進めていくのか、緊急特集する。

各地域の中堅塾と提携をすすめ
都道府県を網羅する事業を展開

 学研ホールディングスの事業子会社である学研塾ホールディングスは、学研教室をはじめとする塾事業・ほっぺんくらぶなどの幼児事業・IT型の個別指導塾であるCAIスクールを運営する学習システム事業・塾教材開発事業など、多方面にわたって展開している。

また、4年前より各地域の中堅塾とのM&Aや業務提携などを積極的に進めており、桐杏学園(東京)・あすなろ学院(仙台)・照和学舘(福岡)・ホットライン(兵庫)・秀文社(埼玉)などの学習塾や、家庭教師派遣のタートルスタディスタッフ(東京)、近年では、早稲田スクール(熊本)、創造学園(兵庫)という優良塾をM&Aによる資本提携でグループ化。これらの塾は経営難からの資本提携ではなく、経営は安定しているが、さらに広く事業を展開するための発展的提携を行っている。

 「提携後、『翔洋会』というネットワークをつくり、積極的に情報の共有化やノウハウの交換、新たな分野への挑戦と発展的に取り組んでもらえております。同時に全国にある学研教室でも売り上げが伸びており、夏期講習では前年度比110%という結果が出ております」

 学研ホールディングス取締役の宮原博昭氏は、今回、こういった提携のひとつとして、市進ホールディングスとも業務提携に向けた協議を開始したと語る。

 市進ホールディングスは首都圏に120教室近く展開している中高受験対応塾『市進学院』や全国に500以上の加盟校を有する『ウイングネット』で名の知られた大手塾。同社間の業務提携が実施されれば、お互いの得意分野を相互に活用、また新たな分野への開拓時の協力などもスムーズに行われるようになり、小学生〜大学受験まで全学年に対応できる教育関連事業を推進できることになる。その推進業務の中に、現在、同社が進めている日本全国どの地域でも同じレベルの指導ができる、新しいデジタル教材開発も含まれているのだ。

息づかいのわかる図鑑・熱を感じる実験…
『生きた教材』の端末としてiPadを備品に

 デジタル教材開発のネックになるのが、基本となるデータの作成である。特に映像の作成や入手は、開発費の多くを割かねばならないこともあり、学校で指導する全分野を網羅するのは並大抵のことではない。しかし、学研は教育出版事業においては老舗である。もちろん、現在でも最新の情報を使用した教材は、多学年にわたって使用されている。

その教材分野で、長年培った膨大なオリジナルコンテンツを有しており、デジタル教材用の素材として使えるものは非常に多い。これを使用し、理科の実験画像や動物の鳴き声まで聞こえる動く図鑑、触れるだけでネイティブの音声が出る英会話、立体的に動いて理解を進める図形文章題などの利点を持つデジタル教材を開発中だ。

 この教材端末として学研が注目しているのが、現在ブームとなっているiPadである。生徒一人ひとりに高額なデジタル教材を渡すことは厳しいが、iPadを教室の備品として導入し、これに紙教材をうまく併合すれば、難関をクリアできるのだ。

 「あくまでも教育の根幹は人と人とのつながり。先生と生徒をつなぐ教材は紙でもデジタルでも、その関係に違いはありません。ただ、質問に来た生徒に対し、iPadで電子黒板と同じ表記を瞬時に表示すれば、指導が簡単になるというメリットはありますね」

 学研のデジタル教材の開発目的は『学校・家庭・塾で連携できる教材作成』。教科書をデジタル教材で画一化するのは、出版元との関係もあり困難だが、家庭学習用の参考書や問題集と塾の教材を同じにすることはできる。その教材を教室で使う支援ツールとして取り入れてもらうことができれば、生徒は学校・家庭・塾での勉強を慣れた教材で実践できる。また、教材でシステムをつなげば、生徒の弱点が塾や学校でリアルタイムに入手できるので、効率の良い勉強に導けるという利点もある。

公教育も注目するデジタル教材を
ネットワーク化で日本全国に広げる

 学研の教室は日本全国で約1万5千件以上。生徒数は約42万人に達しており、これをネットワーク化すれば、さまざまな情報が瞬時に各地域の教室へ送られる。さらに、先述のようにM&Aで提携した塾をつなげば、ネットワークはさらに広がる。

提携塾は全都道府県で実力を持つ塾ばかりなので、最終的には日本のどの地域にいても、同じ教材で実力が確実に身に付く指導が受けられるようになる。もちろん、生徒や保護者同士の交流や意見交換の場としてもネットを活用。今年10月には会員同士が意見を交換し、会員への囲い込みもできる『ぐるみ』という交流サイトを立ち上げ、目玉としてデジタル図書館も準備している。

 一方、こういったデジタル教材開発の流れを受け、公教育でもデジタル化を進めようという動きが高まっている。日本政府は昨年末に公教育のデジタル促進について発言。それを受けて文部科学省は4月22日、「学校教育の情報化に関する懇談会」を開催し、総合的な推進方策を検討すると発表した。そして2010年7月には、民間の教育産業やデジタル分野の大手企業、出版会社などが集い、デジタル教科書教材協議会(DiTT)が立ち上げられた。会員には教材出版関連会社はもちろんだが、通信関連会社や電子機器産業、携帯動画配信会社、ゲーム機器・ソフト開発会社など、幅広い分野から参入しており、学研教育出版(宮原博昭社長)も会員として参加している。

 こういった教育のデジタル移行について、関西エリアの教育委員会関係者に意見を聞いたが、おおむね「賛成」の意を表している。

 「新指導要領導入開始や教員のレベルアップ問題などを抱える公教育の現状では、デジタル教材開発に割く時間も人材も確保するのは難しい。民間企業が開発・導入に力を貸してくれるのならありがたいし、複数社が切磋琢磨するのであれば、より良いものが得られると思う」(48歳・男性)

 「デジタル教材に拒否反応を示すのは、かなり上の世代の先生が多いのは事実。しかし、現在、その代表である団塊の世代が続々と退職しており、現場が若返っている。つまり、デジタル教材を柔軟に受け入れる世代が増えているため、導入は困難ではない」(44歳・女性)

 ただ、実際に導入となれば、現場は多少混乱するのは必須だ。しかし、それも「どんな教育でも最初は混乱するのが当たり前。それよりもデジタル教材は、情報が先行して入ってくるので、楽しみにしている教員も多いと思う」(42歳・女性)と、非常に前向きな意見が出ている。

 その一方、デジタル教材にまったく異なる視点から期待を抱く人もいる。「四肢に障害を持つ者にとって、板書はかなり困難な作業のひとつ。デジタル教材の導入でこの点をクリアすれば、今までは障害が原因で教壇に立つことを諦めていた優秀な人材も、指導に参加することが可能なのではないか」(50歳・男性)

 この意見は、教材開発企業も考えていなかった希望を教育現場に与えていることを示しているのだ。

 実際に海外ではデジタル化の動きが早まっている国が多く、特に隣国・韓国では、90年代終盤からブロードバンド普及率が世界第一位となっている(経済産業省調査)。これに伴い学校教育のICT化も全国規模で促進。多くの学校が何らかの形でデジタル教材を導入しているほどだ。

 ネットを介し、人と人をつなぎ、日本全国どこにいても、より深い知識の定着を続けることができる学研のデジタル教材開発。この挑戦が脚光を浴びるのは、そう遠くない未来のことと思われる。

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