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2005/5 塾ジャーナルより一部抜粋

2005年度 入試結果分析
── 「神奈川未来(みき)21の会」 第13回総会 ──

  2005年3月10日(木)於 ホテルコスモ横浜
主催 神奈川未来21の会
 
     

今春の首都圏中学入試も昨年に引き続いて受験者が増加し、活況を呈した。しかしその一方で午後入試の一般化や新設校の影響などさまざまな要因が絡み合い、学校関係者から「動きが読みにくい」と言う声も聞かれた。

3月10日(木)、「神奈川未来21の会」は「2005年度入試結果分析」をテーマに第13回総会を開催。安田教育研究所の安田理代表による講演や、学習塾塾長による神奈川県下の学校に焦点を当てた分析などが行われた。会場には神奈川県内の私学・学習塾関係者らおよそ80名が集まり、詳細な分析結果に熱心に耳を傾けた。

神奈川未来21の会は、神奈川県内の5つの学習塾(アクセス・学樹舎・川崎予備校・啓明舎・中萬学院)が発起人となり2001年11月22日(木)に第1回総会を開催。毎回タイムリーなテーマを取り上げて総会を開催してきた。

第13回総会は、中萬学院の石井一也個別指導事業部長の司会進行により開始された。
始めにアクセスの貴家秀樹室長が、「2005入試応募者予測数に対する結果報告」を行った。これは 昨年12月の第12回総会において予測した、県内各校の応募者数の検証である。予測数字は、2004年11月に実施された3模試(日能研・四谷大塚・首都圏模試)受験者の志望動向に、各校ごとに過去4年間のデータから算出した係数を乗じたもの。各校の応募者数は、ほぼ予測通りの結果となった。そのなかで桐光学園男子部・栄光学園・捜真女学校の3校の応募者数は予測人数を60人以上も上回り、注目を集めた。
「結果報告」に続いて安田教育研究所の安田理代表による講演が行われた。

「首都圏中学入試全体総括と神奈川私学及び2005入試トピックス」
安田教育研究所 代表  安田 理 氏

今春の入試結果で注目されるのは、首都圏全体では昨年よりも応募者数が増えている中で、神奈川県の共学校だけが応募者数を1,671人も減らしている点です。減少の内訳を調べてみますと、2月3日にその65%に当たる1,091人が減っています。これは新設の東京農大第一が2月3日に612名の応募者を集めていることから、その影響を受けたと推測されます。東京においても、応募者総数は4,868人増えていますが、そのうちの2,401人は東京農大第一の応募者です。新設校が大きな影響を与えていることがわわかります。
神奈川全体としては応募者数を1,193人増やしています。ところが入試回数が全体で11回も増えています。入試1回当たりの平均応募者数を計算すると269人。昨年は278人でしたから、1回当たりは減少しています。つまり入試回数を増やした結果、1回当たりの応募者が減ってしまったわけです。

首都圏全体の動向では、やはり新設校が応募者を集めています。
これは中学入試独特の現象です。一般的に、高校入試や大学入試において新設校が人気を集めるということは考えられません。実績も保証もないうえに中身もわからないからです。では、なぜ中学入試の保護者は新設校を選ぶのでしょうか。その理由は、株式を購入するのと似たような「期待感」と言えます。これ以上株価が上がりそうにない既存校よりも、未知数の新設校を選択しているのです。
また今年のもう1つの特徴は、複数回入試を導入した学校が応募者を増やしていることです。1月入試の千葉や埼玉が入試回数を増やし、応募者を集めています。また地方で寮のある学校が東京会場で入試を実施するケースが増え、これも応募者を増やしています。さらに午後入試も一般化し、多くの生徒が受験しました。
受験生は1月入試や午後入試などで安全校を確保した上で、上位校にチャレンジするようになりました。昨年から続く上位校志向の根拠はここにあります。逆に言うと、保護者がブランド志向になる条件を学校側が用意しているということになります。
ところで、入試結果を単年度のみで検証すると、入試日程や新設校の影響に目を奪われがちです。しかし、長期的スパンで見ると全体的な流れが見えてきます。

私は以前「学研」で、年度版の受験情報誌をつくる仕事をしていました。単年度の売り上げが悪いと、表紙のデザインが悪かったとか、競合誌よりも発売日が遅れたというような点に要因を求めてしまいます。ところが5年単位でデータをとってみると、ターゲットの変化や今のニーズに合わなくなっていると気付くことができます。皆さんにもぜひ、長期的な視点で自分たちの学校が目指すべき方向を見据えていただきたいと考えます。
最後に神奈川の学校にご検討いただきたいことがあります。
私は毎年、市販の受験情報誌3誌の12月号と1月号の広告をチェックしています。他都県と比べると神奈川は、広告を出している学校の割合が少ないようです。

またキャッチコピーも、例えば「6年制、こころが育つ進学校」「社会に貢献する人材を育てます」「礼儀 廉恥」等、おとなし目です。これに対して埼玉は、「だから東大クラス」「エリートは文理より生まれる」「高入生『東大3名合格』の実績が中学教育に反映されます」と、本音主義です。

神奈川は、よく言えば上品ですが、全体的にインパクトが弱く勢いを感じさせません。神奈川県内の私学は、早い時期に成熟し安定している世界だからでしょう。しかし、志望者を増やすには、何よりもまず生徒・保護者の目に留まらなければなりません。広告を効果的に利用することもご検討いただきたいと思います。

講演後は発起人5塾の各代表より、今春の入試分析と印象に残ったトピックが紹介された。

●啓明舎 塾長 後藤 卓也 氏

昨年に比べて今年はリスク回避志向が強まったように思います。入試機会が増えている上に、出願者数がリアルタイムに公表されますので、保護者は「この学校なら安全」とか「ここは穴場」などと判断しながら受かりやすそうな学校を受験させました。ところが他の保護者も同じ「安全」校を受験させますから、競争率がアップします。リスクを回避したつもりが、結果としてどこにも受からなかったというケースが多くありました。
また、このリスク回避志向は学校の内容選びにもうかがえます。つまり、どちらかと言うと特色のない学校を選ぶ傾向にあります。これは自分の子どもが学校に適応できるかどうかが不安なため、とりあえず無難な学校に行かせようという心理でしょう。
しかし、無難で受かりやすいからと消極的選択をする応募者を集めていては、私学が今後良い方向に進むとは思えません。

ここ数年は中学入試の活況が続くと予想されます。ですから今のうちに、入試機会を増やすことで応募者を集めるのではなく、自校のカラーを前面に出してコアな層をつかむべきではないでしょうか。教育方針をしっかり打ち出した学校が、将来的に生き残れるのではないかと考えます。

●川崎予備校 教務部長 齊藤 雄次 氏

今年の入試で特に感じたのは、午後入試の一般化が受験の仕方を変えたことです。例えば、2月2日の午後入試で安全校を押さえるように日程を組むと強気になり、他は上位校ばかりを狙うようになります。その結果、押さえたはずの学校を含めて1日から5日まで軒並み失敗した場合、最後にどの学校に落ち着くか見当がつかない。中堅より下位の学校からは「受験生がどの入試日に来るか読めない」という声も多く聞かれました。
入試日程の多様化は、塾にとって都合の良い面もあります。しかし、日程が長期間になり混沌とするうえに、受験生にとっても大きな負担となる。入試機会の増加が良いことかどうか、懸念されるところです。

●学樹舎 受験情報部長 島田 譲治 氏

東京や神奈川のいわゆる伝統校でありながら、生徒募集や進学実績で近年低落傾向にあった学校が何校かありました。そのなかで昨年ごろから進学面で復活の兆しを見せているところがあります。学校側がかなり努力された結果だと思います。
これから私学は公立との厳しい戦いに勝ち抜いていかなければなりません。
神奈川においても公立高校の入試制度が変わり学区が撤廃されました。その結果、横浜や川崎などの成績最上位の生徒たちが横浜翠嵐高校に集まりました。このことが数年後の進学実績に大きく影響するでしょう。

また学区撤廃により公立高校間の競争も激化しますから、中堅上位の公立高校も大学受験対策に力を入れてきています。ある高校では、かなり充実した夏期講習のプログラムを組んでいました。また校長自らが授業を担当するなど、熱意がうかがえます。
このような公立高校の動向を見ていますと、私学の先生方は今のうちに自校の現状と将来、すなわち出口の面をシビアに見直す必要があるのではないかと思われます。

●中萬学院 代表 中萬 隆信 氏

今年の入試が昨年と比較して変わった点は、午後入試と即日発表の一般化です。驚いたことに、今年は当塾塾生のうち3割を超える生徒が2月1・2日で4校を出願しました。なかには4校とも失敗し、2日の夜は親子共々に憔悴。3日の朝に辛い気持ちでまた受験に出かけていく。今年はこのようなケースが目立ちました。
午後入試で安全校を押さえれば良いと、安易に挑戦志向に流れた結果です。私はそれを許してしまった受験指導を反省しています。来年は午後入試に対して慎重になり、4校受験してすべて不合格という生徒を1人も出さないようにしたいと考えています。

学校側が受験生の利便性を考慮して設定した午後入試や複数回入試を、どのように活用するか。塾が父母に適切なアドバイスをしていかなければなりません。
また今年は即日出願・受験の多さも目立ちました。当初の出願校全てに不合格となり、やむにやまれず即日受験できる学校を探して受験するというバターンです。即日出願・受験は便利なシステムですが、その学校の内容を知らずに入学することになります。ある学校の校長は、当日に急遽説明会を開き、学校について一生懸命説明されたそうです。私はこれを恒例化し、当日出願の場合はその日の学校説明会参加を条件にすべきと考えます。
学校についての理解なしに入学する「学校振替入学」は、生徒にとっても学校側にとってもマイナスです。しかし、学校説明会を開くというような配慮があれば、私たちも生徒・保護者に薦めやすくなります。即日出願・受験を実施されている学校には、ぜひご検討いただきたいと思います。

●アクセス 教育情報センター所長 浅見 均 氏

私からは学校の先生方にお願いがあります。
入試日程や受験科目など入試要綱を変更することで応募者を集めようとすると、毎年毎年隙間を狙うような入試改革をしなければなりません。その結果、今年は生徒が集まった、集まらなかったというように1年ごとの勝負になります。それはまた入試要綱の変更を、生徒が集まらなかった場合の逃げ道にしていることを意味します。
ですから逆に入試要綱を固め、長期的な視点に立って改革を進めていただきたいと考えます。

総会終了後は懇親会が催され、和やかな雰囲気のなかで参加者同士による情報交換が行われた。
なお次回の第14回総会は6月7日(火)、「著作権問題」に関するセミナーが予定されている。

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