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2004/03 塾ジャーナルより一部抜粋

効果的な折り込みチラシの作り方

 
 
チラシ作りに法則はあるのか
 
 いつの間にか2月も半ばに入ってしまいました。私が住む地域ではすでに中学入試が終了し、今度は高校入試が始まろうとしています

 毎年の恒例ですが、この時期になるとどこでも、学習塾の折り込みチラシが急激に増えてきます。名前の通った塾、散歩の途中でちょっと見かけただけの塾、昔懐かしい塾、全然聞いたこともない塾――、わたしのところにも全部で20塾くらいでしょうか、そうした塾のチラシが毎日折り込まれてきていますが、これから先、3月下旬までこうしたチラシの折り込みラッシュが続くことになるのでしょう。ここ数年、3月中に卒塾生の穴を埋めるのが難しくなっていますから、ひょっとしたら今年は4月初旬までラッシュが終わらないかもしれません。

 ところで、この折り込み合戦の武器であるチラシ、どういうふうに作ったらヨリ効果的か、何をどう盛り込んだらもっとも集客効果がでるか、という法則のようなものはあるのでしょうか。

 折り込みチラシの効果というものは、とりわけ既存校舎の場合、ひとつには何回、どの時期に折り込んだかという積み重ねとタイミング、二つにはDMやポスティングをはじめとする他の広告宣伝媒体との相乗作用、そして最後になによりも、もともと消費者が持っているその塾に対する評価、先入観的なイメージによって大きく変わってくるものです。よい塾だという評判があれば、ただ「生徒募集」と書いてあるだけのチラシを一回折り込んだだけでも集まってきますし、反対に悪評が立っていればどんなすばらしいチラシを何回打ってもなかなか集客は難しい。率直にいって、チラシの姿かたち、記載されている内容に引き寄せられてヒトが集まるという要素は、かなり限定されているとみるべきでしょう。

 しかし、ではあっても、どういうチラシを作るのがヨリ効果的かという基本的な「チラシの作り方」はあるはずです。

 「チラシの作り方」についてはすでにこれまで本誌で何回かお話させていただいてきました。一般的な注意事項等に関してはそれらを改めてお読みいただくことにして、今回は、私が「ヨリ効果の高いチラシを作る」ためにもっとも重要と考えている3点を、「チラシ作りの3つの法則」と名づけてお話したいと思います。

 今回は関東、中部、関西、四国、九州とそれぞれの地区を代表する6つの有力塾にお願いして、5枚のチラシと1枚の新聞広告の現物をお借りしました。言葉は悪いですが、これら6枚を引き合いに出しながら話を進めていきたいと思います。「引き合いに出す」ということの性質上、かなり辛口になることは避けられません。制作者の意図をわざと歪めて解釈する場合もあろうかと思います。あくまで「行論上の都合により」ですので、6塾の先生方にはあらかじめご容赦をお願いしておきたいと思います。

 
● 法則1. 例えば子どもの写真などを大きく使って「目立つ」工夫をする
 いうまでもないことですが、折り込みチラシは目立たなければなりません。その場合、敵はライバル塾だけと思うのは大きな間違いです。毎日の新聞には塾と同時に他の業種のたくさんのチラシが折り込まれてきます。その中で、とにかく消費者の目にとまり、手にしてもらえなければ何にもならないからです。

 では、目立つ工夫にはどんなものがあるのでしょう。

 まずハード面では、用紙の工夫があります。チラシには普通、コート紙か上質紙が使われていますが、あえて中質紙やアート紙などを使ってみる。紙の厚さも、通常の73kgのコート紙や55kgの上質紙ではなく、例えばハガキに使う厚さの紙やごくごく薄いものを使ってみる。さらに大きさや形状。一般的にはB4判かB3判ですが、わざと小さなA4判やB5判、あるいは細長や丸形のような変形や穴の開いたものなどを使ってみる――。こういう工夫の仕方です。

 次にデザイン面の工夫。

 これには写真やイラストやグラフを大きく載せる、原色を上手に配置する、文字や数字を大きく書き込む……等々の工夫があります。

 正直なところをいえば私は、他業種のチラシも含まれる中での戦いですから、できるならハード面からの工夫も求めたいと思ってはいます。城南予備校のような分厚い紙、市進学院のような細長い用紙、あるいは塾名は失念しましたが昨年どこかの塾がやったという「丸い」用紙。そういう工夫ができればそれに越したことはありません。しかし、これをすれば間違いなく印刷や折り込みの費用が割高になってしまう。妥当なところで、普段はB4判を使いながらたまにB3判を使う、A4判を入れてみる。普段はコート紙を使いながら、たまに一分の一のような中質紙や、分教場単位で折り込むさいには上質紙も考えてみる、という程度で無理をする必要はないかもしれません。

 それよりもむしろ、考えていただきたいのはデザイン面での工夫です。

 デザイン面で目立つ工夫は、それこそ数え切れないほどたくさんあります。が、おそらくいちばん簡単なのは、例えば子どもの写真を大きく載せることでしょう。TVCM界に「困ったときの赤ちゃんと動物」という格言(?)があるそうですが、塾業界も同じで、キリリと鋭い眼をした中学生やかわいい顔で笑っている小学生の写真が大きく載っていれば、なにはともあれかなり目を引くものです。
以下、このデザイン面での工夫のさいに、注意を促しておきたいことを2点、記しておきます。

(1)「塾らしいチラシ」にする

 人口30万人のエリアに10万枚のチラシを折り込んだとしましょう。私の計算では、このエリアで多少なりとも塾に関心を持っている子どもと保護者の数は2万7862人、うち現実に入転塾を考えている子どもと保護者の数は8359人です。かりにこの全部が毎日折り込みチラシを眺めているとして、彼らは眼を皿にして一枚一枚のチラシをめくるものでしょうか。たいていははぱらぱらと目を通しているうちに、塾らしいものを見かけたらそこではじめて手を止めてじっくり読んでみる、そんなところでしょう。であるとすれば当然、塾らしいチラシでなければならない、一目で塾だとわかるチラシでなければならない、というわけです。

 後ろに協力いただいた6つの塾のチラシと新聞広告を載せておきました。5例目の早稲田スクールのチラシのオモテ面をご覧ください。中学生でしょうか、凛としたいい眼をした女の子と柔和なかわいい眼をした女の子の写真が載っています。非常によく目立って、しかも一目で塾とわかる。申し上げてきたことの好例です。

(2)「キレイ」にこだわらない

 チラシ作りにデザイナーの手を借りる場合も多いと思います。餅は餅屋で結局、広告効果が高くなるはずですから、多少経費が掛かっても私もそのほうをお勧めしますが、デザイナーによってはときに、「キレイ」と「目立つ」とを混同している方がいるものです。たいていは色の選び方とその配置(おもにパステル系の色使い)の問題で、すばらしくキレイで上品ではあるけれども、残念ながら目立たないというケースです。

 1例目の開成教育セミナーのウラ面を例にあげさせていただきましょう。この塾のチラシはかなり上質なチラシです。点数をつけるとすれば十分「優」クラスに入るでしょう。しかし、モノクロ写真ではわかりにくいかもしれませんが、例えばタテイチのキャッチが薄い青ベタの文字白ヌキになっていたり、小見出しが同じく薄い黄色だったりして、読みにくい上に目立たない。上品でキレイではあるけれども、残念ながら宣伝物としては画竜点睛を欠き、「マル優」には届かないチラシになってしまいました。もったいないというのが私の実感です。

 とはいうものの、「キレイなチラシ」に意味がないわけではありません。上品で立派なチラシにはなによりも塾生とその保護者に満足感を与え、塾への帰属意識を育むという見えない大きな役割があることを、皆さんもご存知でしょう。少しばかり目立たなくてもキレイで上品なチラシのほうが、ケバケバしく下品なチラシよりずっといいと塾生は考えるものですし、その思いはみごとな地下水脈となって塾生増加に結びついていくものです。デザイナーとクライアントがそこまで考慮して「キレイ」にこだわっているようなら、もちろん何も申し上げることはありません。

 
●法則(2) 対象顧客層を絞り込む
 チラシを作る際私は、まず具体的に、誰に向けてのチラシかということを考える必要があると思っています。

 さきに、人口30万人のエリアにチラシを10万枚折り込むとして、現実に入転塾を考えている子どもと保護者の数は8359人だと申し上げました。計算の根拠はひとまず省きますが、実はこの中には今春小学校にあがる新一年生から大学受験を控えた新高三生までの児童生徒と、お金はいくら掛かってもいいから有名校へという教育ママから子どもの不登校に悩む親御さんまでが含まれています。考えてみてください、果たしてこの人たちすべての心を動かすようなチラシを作ることは可能でしょうか。

 そこで肝心なのが、誰に向けてメッセージを送るのかという絞り込みです。

 訴える対象を子どもにするのか保護者にするのか、成績上位層なのか中位層なのか、月々3万円以上の月謝を払える層なのか1万円までの層なのか、集団授業が好きな層なのか個別、しかも一対一あるいは一対二を求める層なのか、授業に厳しさを要求する層なのか楽しさを求める層なのか、保護者が送迎する層なのか子どもが自力で通塾する層なのか、大学進学まで見すえた層なのかとりあえず高校という層なのか……。切り口はいろいろとあるはずです。この点をより具体的に、より細かく絞っていくと「お客様の像」がしっかりと見えてきます。チラシが作りやすくなり、目をとめてくれる人の心に響くチラシが出来上がるものです。

 こう申し上げると、8359人しか見てくれないのに、それ以上対象を絞り込むとますます見てくれる人が少なくなる、間口が狭くなって集客には逆効果ではないか、とおっしゃる方が必ずいるものです。

 お気持ちは分からないわけではありません。しかし、例えば皆さんがちょっと品質の高い新しいPCを買いたいとする。アイロンや冷蔵庫、TV、ヘアドライヤーなどたくさんの家電製品の中にPCの写真が出ているだけのチラシと、スペックから付属品まで書かれたPCがずらりと並んだチラシと、皆さんならどちらを手にし、どちらの店に出かけていきますか。PCは乾電池のような低額商品ではありません。いわずと知れたことでしょう。塾も年間20万円から30万円の高額商品です。

 6塾の中からの好例をあげておきましょう。不登校や高校中退者に焦点を当てた6例目のJIA日本国際学園の新聞広告はもちろんですが、4例目の名進研のチラシも秀逸です。学力低下論を前面に打ち出すことによって、教育熱心な保護者層にターゲットを絞り込んでいるわけです。失礼ながら、決して豪華とも立派ともいえないチラシにもかかわらず、6000名を超える塾生が集まってくる理由ではないでしょうか。

 補足しておきますが、これとは対極的な「カタログ」や「大学の履修案内」のようなチラシの作り方ももちろんあります。しかし、それは専門店の集合体という評価を得ている大手塾にだけ許される方法であって、それ以外の塾には適しているようには思われません。この点を間違えると大失敗してしまいます。

 
●法則(3) 証拠をあげる
 いまから20年前から30年前、塾ができたよとチラシを撒けば、ぞくぞくと生徒が集まってきた時代がありました。そのころの名残りなのでしょうが、塾のチラシは「告知」と「風呂敷広げ」で埋め尽くされていて、「結果」や「証拠」の表示が見当たらないのが普通です。

 「開設コース/中3本科・5教科・2万5000円……公立高校受験を目指すコースです」「中1ハイレベル理社科・週1回・6000円……国立付属高・公立トップ高希望者対象」「中学受験日曜特訓……面倒見のよい指導で圧倒的な合格率を誇っています」――これではビーフカレー700円、ポークカレー550円、シーフードカレー600円、きのこカレー600円と書いてあるだけのカレー屋さんのメニューとなんら変わるところがありません。

 お客さんには当然、メニューも必要でしょう。しかし、お客さんがもっとほしいと思っているのは「うまいかどうか」「満足できるかどうか」という情報、いわば「結果」、つまり「証拠」です。だが、それがあまりにも少ない。

 もちろん、付近にカレー屋さんが1軒しかなくて、どうしてもカレーが食べたいとなれば、仕方なく人はその店に入っていくかもしれません。が、カレー屋が軒を並べていればどうか。海のものとも山のものともわからない店に、一体誰が入っていくでしょうか。
たとえ話はともかくとして、チラシには結果の表示、証拠が必要だと私は思っています。というよりも、証拠を提示することがチラシの役割であるとさえ感じでいます。
では、証拠とは具体的には何を指すのか。

 定量的なものとしては客観的な数字、定質的なものとしては保護者や塾生などの利用者の声。代表的なのはこの二つといってよいでしょう。

 塾には一般的にいって、指導効果をウリモノにする塾と、面倒見のよさウリモノにする塾との二つのタイプがあります。前者の場合は数字、後者の場合は「声」が証拠としてもっとも説得力を持っています。

 6塾の中の2例目、サピックスのチラシをご覧いただけますでしょうか。「開成高80名」「国立大附属高179名」。ここは指導効果をウリモノにする塾ですから、ほかに何がなくてもこれだけで塾のよさが語り尽くされてしまっています。指導効果のほどが、それだけでわかってもらえるわけです。

 一方、3例目の進級スクールの場合はどうかというと、中学受験を扱っているにもかかわらず、残念ながら数字がまったく見当たりません。地域では知らない人がいない塾ですからそれでもよいという考え方もありますが、やはり広告物としてはイマイチというべきでしょう。

 利用者の声に関しては、ご協力くださった6塾中に面倒見のよさをウリモノにする塾がないためか、早稲田スクールを除いて例が見当たりません。

 しかし、指導効果をウリモノにする塾であっても、本来は声が必要です。いい講師がいるので指導効果が高いといいたい場合、「A先生のおかげで年号を簡単に覚えられた」「B先生の説明はわかりやすくて、数学が得意になった」という塾生の声ほど説得力のある「証拠(証言)」はありませんし、あるシステムが完備しているので指導効果が高いといいたい場合も「このシステムを利用したからウチの子の成績が伸びた」という保護者の声ほど影響力のある証拠(証言)はないからです。

 いずれにしてもサービス業である塾には、手にとって見ることが可能な商品がありません。とすれば、その良否を判断する材料は、合格実績や成績上昇度のような客観的な数字か「利用者の声」以外にありません。そこを省いてどんなすばらしいチラシを作っても、効果の高いチラシになるわけがないことはおわかりいただけたと思います。

 
以上、ここまで簡単にですが、効果のあるチラシを作るための法則3か条をお話してきました。今年の生徒の動きは少し早いのではという見方もありますが、まだまだ新年度生募集のシーズンは半分以上残っています。追い込みの武器として折り込む、最後のチラシをお作りになるさいに、ひとつでも思い出していただければ光栄です。
 

【塾チラシデータサンプル】 (一部抜粋)

・開成教育セミナー オモテ面 / ウラ面

・サピックス オモテ面 / ウラ面

・進級スクール オモテ面 / ウラ面

 
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