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2011/3 塾ジャーナルより一部抜粋

数学を学んで「知の財産」を貯めよう!

 

財団法人日本数学検定協会  松本 精一

 
 

 今回は、3級〜5級の2次:数理技能検定に出題された、統計資料を見て解く問題を見ていきましょう。

 問題1は日本の人口に関する問題で、資料は典型的な形式の表です。資料と(2)は各階級に共通です。(1)はそれぞれの年齢階級の男女の合計を求めればよいので、正答率は高くなっていますが、このような単純な問題でも間違える受検者がいます。「数検」の2次:数理技能検定では電卓が活用できます。有効に活用するために、入力ミスをしないよう十分注意しなければなりません。(2)は(1)と同種の問題ですので、(1)と正答率も同程度です。(3)は日本の総人口をもとにしたときの割合を求める問題です。割合を求める公式にあてはめ、小数で求まった割合を百分率に直し、四捨五入します。これらの手順のどこかで間違えてしまうようです。比べられる量ともとにする量を逆にして計算してしまう受検者もいます。「数検」ではこの問題のような統計資料から百分率を求める問題をよく出題します。3級受検者は統計に関する問題の対策を積んで検定に臨んでいるのでしょう。社会に出てからも資料作成時に百分率を頻繁に扱いますので、よく理解しておいてもらいたいと思います。

 問題2は食品の栄養成分についての問題です。この問題を通してカロリー計算の仕方の基礎を知ることができます。3級から5級の共通問題として出題しました。(1)と(2)は、(3)への誘導になっています。(1)を間違えるとその先の問題は正解になりません。この問題も5級から3級へ階級が上がるごとに正答率が高くなっています。(2)の正答者の多くが(1)の正答者であると考えると、5級の(1)の正答者の63%が(2)を正解していることになります。同様に、4級は70%、3級は80%と階級が上がるごとに正答者の割合が上昇しています。3級の受検者の学習が進んでいることが分かります。

 問題3はトマトのハウス栽培についての問題です。この問題を通して、ハウス栽培にどれだけのエネルギーが投入されているかを知る契機になればと思い、出題しました。(1)は割合を求める問題です。直接公式にあてはめればよいので、正答率は問題1(3)より高いですが、やはり割合を苦手としている受検者は多いようです。(2)はもとにする量と割合から比べられる量を求める問題です。こちらのほうが割合を求める(1)よりも正答率が高くなっています。(3)の問題を解くことによって、加温したハウスでトマトを生産する場合、トマトを食べたときに得られるエネルギーの27倍ものエネルギーが使われていることが分かります。

 集めたデータを上手にまとめると、そこから様々な情報を読み取ることができるようになります。いろいろな統計資料に触れることによって、データを見やすくまとめる方法のヒントが得られます。将来、社会に出たとき必ず役に立ちますので、「数検」受検者に統計の重要性を伝えていきたいと考えています。

 

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