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2007/11 塾ジャーナルより一部抜粋

数学を学んで「知の財産」を貯めよう!

 

財団法人日本数学検定協会  松本 精一

 
 

「数検」には、クイズ・パズル的な要素を含んだ問題が出題されることがあります。数学的な思考を必要とするものが多いからです。試行錯誤のみで解けるものもありますが、そういった問題も論理的に考えればより早く正確に解くことができます。受検者には、問題を解く楽しみとともに、こういった問題が算数・数学と深く結びついていることを感じ取ってもらいたいと思います。

問題1は、和が等しくなるように数を入れる問題です。既に2、4、6の3つの数が入っているので,残りの1、3、5を試行錯誤しながら入れていけば解けますが、次のように考えれば解答が早く得られるばかりでなく、1通りに定まることも分かります。

 2+イ+4=4+エ+6=2+カ+6
 6+イ=10+エ=8+カ

この等式から、エが最小で、イが最大つまり、エ<カ<イであることが分かります。残っている数は1、3、5なので、エ=1、カ=3、イ=5となります。

問題2は,計算式を完成させる問題です。(1)は引き算ですので、アに3が入ることが分かり(6級では負の数は扱いません)、1と2はどちらに入れても成り立ちますので,簡単に解けます。(2)は当てずっぽうに入れてもなかなか完成しません。「数検」の2次検定では電卓が活用できますので、電卓を使えば計算は面倒ではありませんが,しっかり書き留めておかないと、同じ計算を何度も繰り返すことになるでしょう。この問題を解くポイントは、イとウの積の一の位の数がオになることです。このことにより、イ=3、ウ=4、またはイ=4、ウ=3で、オ=2となります。残りの数は1と5ですが、かけ算の式ですから、ア<エとなって、ア=1、エ=5です。13×4と14×3のうち、52になるのは、13×4ですので、答えは13×4=52となります。

問題3は,組合せの問題です。組合わせ・確率は現在中学校2年生および数学Aで学習することになっていますが、簡単な組合せは日常生活でもよく使われます。1枚も持っていない硬貨があってもよいというところが、小学生には難しかったかもしれません。(1)の最小の金額は、1円玉3枚の3円であることはすぐに分かります。(2)では、金額が大きい10円玉の枚数を先に決め、合計の枚数が3枚、金額が20円になるように、他の硬貨の枚数を考えていくと、考えがまとめやすくなります。このとき、枚数と金額をほぼ同時に考えないといけないので、実際の硬貨を頭に思い描けることが重要です。実際の硬貨を想像できるかできないかで、問題を解く速さがかなり異なってきます。この問題だけでなく、文章題を解くうえで、その場面を想像できるかできないかが、問題を解けるか解けないかに大きく関わってくることがよくあります。

今回挙げた問題は、6級と7級に出題された問題です。これらの階級の受検者は、主に小学生です。問題用紙を開いて初めてこのような問題を見たという受検者も多かったと思います。その場で問題文を読んで、理解し解くというのはかなり難しく、なかなか論理的な上手な方法は思いつかないものです。ですから、どのような方法を採ったにせよ、正解にたどり着いた受検者には賛辞を送ります。しかし、同じタイプの問題でも扱う数が多くなると、論理的に考えない限り、解くことができなくなってしまいます。また、社会に出ると、初めて読む書類に対するコメントを求められることや、突然大きな問題が降りかかってきて、瞬時に判断し解決しなければならないということもあるでしょう。このようなときこそ、論理的な思考が必要になります。今回挙げたような「数検」の問題に対して、受検者が受検後にもう一度問題用紙を開いて熟考し、これらの問題が持つ論理性に触れてくれることを期待します。

 
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