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中学・高校受験:学びネット

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春日部共栄中学高等学校

 
  世界へ飛び立つ学びのステージ
中学棟が完成
 
英語では、アメリカの大学生が中学3年生に英語で授業を実施するプログラム(K-SEP)がある。また、数学では中学3年生が高校2年の特別進学クラスで、「数学2+B」の授業を受けている。「世界のリーダー」育成を目指し、3年前に開校した春日部共栄中学校。旧来型の「進学校」を超えた教育プログラムにより、生徒たちの能力を大きく伸ばしている。今年は待望の中学棟が完成。快適な学習環境も整えられた。

校 長: 矢口 秀樹
住 所: 〒344-0037 埼玉県春日部市上大増田新田213
電 話: 048-737-7611
交 通: 東部伊勢崎線、野田線「春日部」駅西口よりスクールバス約10分
学生数: 中学校  252名
高等学校 1,782名 (2005.9.1現在)
ホームページ: http://www.k-kyoei.ed.jp

 

自然の中の教室

今年完成した中学棟は鉄筋コンクリート2階建て。校舎の外観は、鳥が翼を広げて飛び立つ姿をイメージしてデザインされた。同高校の卒業生で建築家の田中俊行氏が設計。「世界に羽ばたいてほしい」というメッセージが込められている。
校舎内は吹き抜けのメイン廊下が通り、樹木が植えられている。2階まで届くこれらの樹木は「大地に根ざし伸び行く力」を象徴。廊下の両脇に配された教室で学ぶ生徒たちを見守っている。

ロビーにも、屋外の庭と一体となった緑鮮やかな植栽がある。石造りの水鉢から流れ落ちた水は、水路を通り庭の池へと注ぐ。この池に放した蛍の幼虫が羽化し、6月には美しい光を放ちながら飛び回る姿が見られた。
宇野禎弘教頭は「設計者の田中氏が、本校の目指す教育を若い感覚で表現してくれました」と話す。
昨年10月には、田中氏自らが工事中の現場を案内する見学会が行われた。ヘルメットをかぶった生徒たちは、まだコンクリートがむき出しの建物の中に入り、興味深く内部を見てまわった。

本物に触れる

校舎2階に、生徒の研究レポートや工作などの作品を集めた展示室がある。そのなかに中学棟の設計図も置かれ、自由に閲覧できる。工事現場を実際に見学しているだけに、設計図に関心を示す生徒も多い。なかには将来建築家になりたいという生徒も現れている。
同校では日常的に「本物や最先端に触れさせる」教育が実践されている。建築現場の見学や設計図展示もその一環だ。
また年間を通して数々のプログラムを用意している。

例えばツインリンク・モテギで実施された「HONDA最先端教育プログラム」は、2足歩行型ロボットの「アシモ」や、自然いっぱいの里山(ハローウッズの森)を見学・調査し、「ロボット(最先端技術)」と「自然」についてのプレゼンテーションを行った。「筑波宇宙センター」では、天気予報に使用された気象衛星「ひまわり」の試験モデルを前に、専門家から説明を受けた。また大塚製薬の工場ではポカリスエットの製造工程を見学。環境問題への取り組みも学んだ。いずれの場合も、生徒は事前に下調べし、レポートにまとめている。そのため、現地では次々と質問の手が上がった。
学内でも年に10回、講演会を開催。様々なジャンルで活躍する専門家を講師に招いている。今年4月の第1回講演会は、1年生と2・3年生に分かれて開かれた。1年生は「南極について」。南極海洋調査に加わった同高校卒業生が、南極の氷や防寒具を紹介しながらわかりやすく解説した。2・3年生には、NHKテレビ天気予報で活躍中の気象予報士・平井信行氏による講演。平井氏は、天気だけでなく進路選択についても話され、生徒たちは熱心に聞き入っていた。

「K-SEP」と「学内飛び級」

先進的な教育プログラムにより、生徒たちはめざましい成長を遂げている。
現在中学3年の1期生は、昨年の段階でおよそ6割が英検3級以上に合格。準2級合格者は14名にものぼる。

宇野教頭は「講演会で専門家の方々から英語の必要性を説かれてモチベーションが高まっている上に、常に英語を身近に感じられる環境が良い効果を及ぼしています」と話す。
毎朝始業前には10分間のリスニングタイム。英語暗誦コンテストも開催。さらに、ネイティヴスピーカーと話す機会も多く設けている。
その一つに、今年7月にスタートした「K-SEP(Kyoei Summer English Program)」がある。これは、アメリカから招いた大学生5名が2週間の間、3年生に英語で授業するもの。生徒たちはおおむね聞き取れるという。聞くばかりでなく、グループ単位で日本の文化を紹介する英語でのプレゼンテーションも行う。また一緒に春日部市内を散策したりスポーツを楽しむなど、様々な交流を通じて、英会話力を伸ばしていく。
英検だけでなく、数学検定試験の実績も目を引く。1期生の約7割が2年生のときに3級以上に合格。5名は、高校1年終了程度の準2級に合格した。そのうちの男女2名は、今年4月より高校2年の特別選抜クラスで「数学2+B」の授業を受けている。「学内飛び級」である。昨年、同高校2年生が千葉大学飛び級入試に合格したことから、発案された制度だ。とはいっても、高校は毎年多くの卒業生を難関大学に送り出す進学校。今年も100名が国公立大学に合格した。授業レベルは相当に高い。

「さすがにトップは無理ですが、平均点前後は取れているようです」。
今後は他教科の飛び級も検討される。来年度は、さらに多くの生徒が高校生に交じって授業を受ける姿が見られるかもしれない。

保護者とともに

同校の学校説明会は、生徒たちがプレゼンテーションし、質問にも答える。参加者からは「生徒の生の声が聞けて安心」と好評だ。昨年からは在校生の保護者も加わり、実際に子どもを預けてみて、どのような中学であるかを語った。

同校では学校づくりに保護者も参加、協力している。保護者が講演会の講師を務めることも多い。当然、コミュニケーションも緊密だ。保護者会だけでなく、「母親との昼食会」や居酒屋での「おやじの会」もある。昨年11月に実施した「おやじの会」には、各学年とも生徒数のおよそ半分に当たる30名以上の父親が参加。盛大な会となった。

「学校と保護者だけでなく保護者同士も親しくなれば、子どもの間でトラブルが起きたときも、すぐに解決できます。そういう意味でも保護者の皆さんにはいつでも気軽に学校に来ていただきたい」と宇野教頭。学校行事への参加も呼びかけている。講演会はもちろん、遠足や修学旅行まで、すべての行事にである。修学旅行は神戸でディナークルーズが予定されており、今から楽しみしているお母さん方もいるという。また講演会は、子どもと共通の話題ができると、参加者も多い。宇野教頭は「学校だけでは限界があります。保護者とともに子どもを育てていくというのが、本校のスタンスです」と言う。
同校では、家庭と一体になって子ども伸ばす教育が実践され、確実に成果を上げている。

 
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