国体なみの迫力、中高合同体育祭
秋晴れの10月1日、埼玉栄中学校・高等学校合同の体育祭が上尾運動公園で行われた。体育祭は保護者と一般の見学者を合わせ、1,400余名が集まった。
高校はスポーツが盛んなことで有名であり、オリンピック選手も出すほどの実力がある。その体育祭だけあって、入場行進から国体を感じさせるほどの迫力だ。他校の体育祭とは異なり、前日のリハーサルが予選になっており、当日は決勝に残ったクラスや生徒しか出場できない点もレベルの高さを物語る。
「最も注目される保健体育科のマス・ゲームはおそらく日本一です。同じく保健体育科の女子のダンスも見応えがある。それらを目の前で見ることができるのですから、多くの人が集まってきても不思議ではありません」と入試広報センター中学担当責任者の本間一行先生は話す。
中学校はまだ開校4年目、生徒も200数十名なので予行演習は行わず、全員が出場する。本間先生は中学の体育祭について次のように話す。
「中学は生徒たちの強い要望で、『栄中ソーラン節』と名付けたソーラン節をはっぴ姿で全員が踊りました。これはオーストラリアへ修学旅行へ行った際、交換会でもやったんですよ。昨年からの取り組みですが、ぜひ伝統として毎年やっていきたいと考えています。また、『栄リレー』という選抜リレーも盛り上がりましたね」。
体育祭ではこの日のために作った中高おそろいのTシャツを着用して臨む。迫力と技、優雅さなどに触れ、中学校の生徒たちは大きな刺激を受けた1日だった。
さらにこの10日あまり後には文化祭が開催された。メインはクラス対抗のコーラスコ
ンクール。中学1年から3年生まで学年の課題曲と自由曲の2曲で賞を競う。
このほか学年展示として遠足で体験した焼き物や藍染め、木工品の展示、夏休みの調べ学習をまとめたレポートなどが教室に飾られた。文化祭も体育祭にひけをとらないほどの来場者で盛況だった。
さらに伸ばす「αゼミ」新設
今春、姉妹校の栄東中学校からスタッフが2名転勤してきた。栄東中学校は、埼玉栄中学校と同じく中高6年一貫教育を行っている学校であるが、トップレベルの大学合格実績を持つ有名進学校である。
「栄東中学校のノウハウを入れて、ステップアップしていきたい」と今春上位層の生徒たちをさらに伸ばす目的で「αゼミ」を新設した。これは、埼玉栄高等学校の「αコース」を意識したもの。東大、京大などを目指し、偏差値68以上をとるコースだ。
「αゼミ」は、科目ごとに教師から指名された生徒だけが受講する。教室も「αゼミ」のための教室だ。
「高校のサテライトゼミのような雰囲気づくりにするため、少々手を加える予定です。床にはカーペットを敷き、大学進学雑誌を置くなどして、特別な者しか入れないという環境を作りたい。ここへ入ることが、国公立や難関私大への一歩なのだと意識させたいのです」と本間先生は熱く語る。
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文武両道の指導体制
同校は中高一貫で難関大学に多数合格者を出すなど進学実績もかなりよく、さらにスポーツが盛んな文武両道の学校である。
教育の特色としては、「6年間での学習」と捉え、教育方針、学習システム、教員が共通で合理的なことがあげられる。基礎学力養成期(中学1年〜2年)、応用力確立期(中学3年〜高校1年)、総合力完成期(高校2年〜3年)と3つに分け、じっくりきめ細かく指導していく。授業数も公立中学と比べればかなり多い。英語で2倍、数学で1.8倍、理科社会でも1.44倍だ。英語教育は特に力を入れており、補習で英検対策や短期英国留学を実施している。英検は5級からスタートするが、すでに中学3年生で2級を取得した生徒もいる。
生徒は難関大学進学を目標とする第1学系と、部活動と大学進学を目標とする第2学系に分かれる。部活動は、甲子園出場を果たした野球部をはじめ、男女陸上競技、体操、バドミントン、吹奏楽部など日本一に輝いたクラブも数多い。施設は最高レベルのものが整っており、体育館や施設はそれぞれのクラブが専用で使える広さと数がある。当然キャンパスは広大で、駅からはバスに乗る距離だが、平成17年にJRの駅が学校の近くに作られることになり、非常に便利になる。
なお、すばらしい施設のひとつに天体観測ドームがあり、今年の入試説明会の一部は、天体観測会を兼ねて実施している。
「本格的な天体望遠鏡があり、月のクレーターや土星の輪がはっきりと見えますよ。話題になった火星の大接近している様子も今でも観察できますから、ぜひ子どもさんに見せてあげてほしいですね」。
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