３つのコースで
普通科を活性化
近鉄「八戸ノ里」駅から第2寝屋川沿いを歩いていくと、右手に鮮やかな緑色のネットが目に入る。樟蔭東高等学校の正門横に新設されたゴルフ練習場である。
「スポーツコース」は、バドミントン、硬式テニス、そして新設のゴルフ部を強化クラブに指定して生徒を募集。それぞれスペシャリストの卵を育成する。進路は、これまでの実績から有名私大への推薦入学や実業団入りが可能だ。指導するのは、コーチとして経験と実績を積んだ学内外の専門家。
「2、3年後には全国で勝負できるチームを作りあげます」。力強く語るのは、同校入試広報室の藤原瑛佳課長。バドミントン部の顧問を務める。バドミントンの選手として実業団で活躍し、日本ランキングで最高位6位をマーク。現役引退後は実業団のコーチとして実績を積んできた。
スポーツコースは当初3種目でスタートするが、藤原課長は「将来的にはチームスポーツも強化クラブに加えたい」と話す。
そのために新設されるのがソフトボール部と女子ラグビー部だ。花園ラグビー場のある東大阪市では、中学校のラグビー部で男子に混じってプレーする女子は珍しくない。しかし高校では、女子の受け皿がほとんどないのが現状だ。そこで、ラグビーを続けたい女子のためにクラブを新設することになった。神戸製鋼で選手経験のあるコーチが指導に当たる。
「アドヴァンスコース」は、有名私大進学を目標とする。週37時間授業の他、長期休暇中も課外授業を設定。総授業時間数は公立高校よりも年間300時間も多い。さらに主要５教科に関しては、受験指導に長けた教師陣を揃え、現役合格を強力にサポートする体制をとる。
一方、進学も就職も目指せるのが「キャリア・進学コース」だ。多彩な進路を視野に入れ、基礎からの積み上げを徹底重視する。また本人の希望と成績により、2年次にアドヴァンスコースへも編入が可能である。
入試広報室の大東淸孝次長は、「3つのコースで新生『樟蔭東』の普通科を活性化させ、しっかり形作っていきます」と抱負を語る。 |
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正看護師へ
ゆとりある最短コース
キャンドルの灯火が揺れるなか、一人ひとりにナースキャップが授けられ、生徒たちは今後2年間の専攻科を前に、「看護の道」への決意を新たにする。3年生の11月に、保護者も出席して厳かな雰囲気のなかで行われる戴帽式。生徒にとって一生忘れられない式典だ。
平成21年に新設された衛生看護科は、5年一貫教育で正看護師をめざす。一般の普通高校から看護専門学校や看護短大に進むと、国家試験受験資格を得るまでに最低６年かかるため、同校の衛生看護科は正看護師への最短コースとなる。
しかも１年次より、専門教科の授業や病院実習を設定し、看護への意識を高めるとともに、5年間でゆとりをもって学べるようにカリキュラムを編成している。3年次まではクラブ活動に取り組む生徒も多い。4年次からの専攻科は講義内容が大学並みとなり、実習も厳しさを増す。特に実習では実際に患者を担当し、毎日詳細なレポートを作成しなければならない。
さらに、「命を預かる者としての態度や言葉遣い、動作のひとつひとつまで厳しく指導されて、半泣きになる生徒もいます」と藤原課長。
そんな日々を乗り越えてきた第1期生はいま5年生。来るべき国家試験に向けて猛勉強の真っ最中だ。4年制看護大学と変わらない合格率をめざす同校では、学外の専門家による受験講座も設けている。
現在、同校の正門はリニューアル工事中。来年3月には、真新しい正門から笑顔の第１期生を送り出すことになる。
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