気品ある進学校を目指して思いをぶつけ合う
教員座談会 (出席者・敬称略)
北川 真(高校・数学担当)
二敷 彩子(高校・国語担当)
奥田 大輔(中学・英語担当)
水澤 悟(中学・数学担当)
インタビュー 宮田 千津代(編集部)
ーーまず、こちらの学校の魅力とは何でしょう。
北川 高校の場合、特進コース、進学選択コース、幼児教育・福祉コースという3コースがあり、それぞれの進路目標の達成に教員全体で力を注いでいることですね。
二敷 それに、どのコースに入学しても、面談をする中でその子の長所を見出して個々の適性に応じたフォローをしていくこともあります。コース変更も可能ですし。
奥田 中学は今年度から2期制になりましたから、生徒の対応にさらに細やかな心遣いをしていく必要があることを、担当教員全員が知っていることかな。
水澤 それと、生活指導の徹底ですね。まず、生徒の言い分を聞き、その後で適した指導をしていくことが大事だと思います。
奥田 そうですね。特に中学生は感情の起伏が最も激しい世代ですから、きちんと指導しないと大変なことになる。
北川 精神的に落ち着くのは早くて高校一年の後半くらいかな。
二敷 そのころになると、勉強面で挫折することもあるでしょう。そのときに生徒本人があきらめても、教員がしつこいくらいに勉強をさせることも大切ですよ。そういう子に限って、後で一気に伸びるんです。「あの時に先生の言うようにあきらめないで頑張り続けて良かった」と言えるようになるまで指導を続けていくのが、私たちの仕事です。
ーー女子校としての城南の良さは何ですか。
二敷 生徒同士がすごく仲が良いこと。女の子同士だから気心が知れるのも早いんでしょう。
北川 そう、その輪に教員も入れてくれるのが嬉しいですね。それと、学校はあくまで学問の場です。性差別を無くそうという目的で男女共学にした結果、学校が男女交際をメインとした場になってしまった、ではいけません。アメリカの公立高校はそういう面があります。日本の女子校はその後追いをすべきではないんです。
水澤 私もここにいる3人の先生も共学校の出身なので共学の良さも悪さも知っています。ただ、城南の場合は環境も教員もしっかりしているので、たとえ共学化しても、勉強の場であることやクラスのチームワークの良さは崩れないと思いますよ。
二敷 確かに男女で協働することを学ぶことも大切だろうけど、大学に入ってからでも決して遅くはないと思います。まずその前にしっかり勉強に打ち込むで進学したいという生徒の願いを叶えないと。
奥田 女子であれ男子であれ、個々の価値観は持っているでしょう。その中で城南は女子校という環境を活かし、女性である自分の自己発見に繋いでいくような指導ができればいいと思うんですよ。
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ーー中学の教員の平均年齢が30代と非常に若いのですが、そのメリットは何ですか。
奥田 私はまだ30歳ですが、それでも年齢を重ねるとともに、何かをするときに「こうすれば後どういう結果を生むか」など、損得を含めて色々と考えすぎてしまうようになってきます。今よりもっと若いときはそんなことを考える前にカラダが動いて物事に打ち込めるんです。そういった行動力が魅力じゃないでしょうか。
北川 奥田先生と水澤先生はそういう魅力のある若い先生として、城南学園の機動力となってくれている先生ですよ。水澤先生は何歳になられるんですか。
水澤 27歳です。確かに年齢が上の先生方より、生徒は身近に感じてくれるんでしょうね。城南学園で生徒指導に当たって5年になりますが、生徒が距離を縮めて、勉強だけでなく家庭の悩みなども打ち解けて話してくれるようになりました。これは私にとっても非常に嬉しいですね。
二敷 もちろん、先生の人柄もあるでしょうが、女子校という環境の中、若い先生は自分たちの兄や姉のように慕うことができる存在なのでしょうね。
ーーでも、二敷先生は特進コースの担任でとても慕われているという話を生徒さんから聞きましたよ。
二敷 そう言ってくれているのなら嬉しいですね。20代の方に負けないように、頑張らないと!
ーー教員のスキルアップはどのようにされていますか。
北川 学力向上推進委員会が今年度立ち上がり、私がまとめ役を務めています。個々の先生が個別に行っていた学力向上への努力をまとめ、色々と検討・企画しています。生徒アンケートによる授業評価や教員全体の大学入試問題研究、それに秋には受験生とその保護者に向けた公開授業も予定しており、各々の教員同士でもその前に授業を見学してチェックし、より改善できるよう努力しています。
二敷 特に公開授業は特別の準備自体はないのですが、他者に見られる緊張感はあります。その緊張を通常授業でも忘れないようにして、生徒指導に当たっていきたいですね。
水澤 それと初任者研修もありますね。年に3回のレポートと先輩の先生の2回の授業参観が行われます。あと、校長や教頭にも言われていますが、個人的にも教材研究の大切さを感じており、生徒のどんな質問にも答えられて信頼を得られるように日々自分自身が努力しています。
ーー城南学園では「気品ある進学校」を目指しておられるそうですが、具体的にはどのようなことですか。
北川 生活指導面にも力を入れた上での進学指導をしていることですね。まず、きちんとした生活や服装をしていることで姿勢を正せば、自然と勉強にも力がはいります。
二敷 その気品という言葉の中には「落ち着き」ということも含まれていますから、落ち着いた学習環境を生み出すために教員同士がしっかりとした信頼関係を保っているんです。それがPR点ですね。
奥田 見た目の上品さだけじゃなく、日本人が忘れかけた「恥」を知っていることも大切です。それを含んだ精神的に芯のある人間に育てていける学校であるよう、我々も努力を続けないと。
水澤 高校から入学してくる生徒が多いのですが、城南学園のように、小学校・中学校・高校とそろった学園であり、小学校から中学校に入ってくる生徒もいるし、中高一貫で6年の特進コースの生徒もいて、安心して学べるという学校は少ないかと思います。その中で気品を身に付け、しかも高い進学実績を出せるような指導をすることが、気品ある進学校の本来の意味だと思います。
ーー今後の城南に期待しています。本日はありがとうございました。
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