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中学・高校受験:学びネット

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天王寺学館高等学校

 
  生徒たちがコミュニケーションのできる場
利便性を重視したことで校地には制約があったものの、工夫された新キャンパスで800名近くの生徒が「学び」に向き合っている。移転3年目、施設がもたらす学校教育への影響は多大だ。

住 所: 大阪市平野区平野北1-10-43
電 話: 06-6795-1860
ホームページ: http://www.tg-group.ac.jp

 

キャンパスのコンセプト

 2010年10月に大阪市阿倍野区から平野区にキャンパスを移転した天王寺学館高等学校。JR大和路線「平野駅」北口すぐそばに建ち、駅ホームからも一望できる6階建てだ。淡いグレーの外観にブルーの学校名とロゴが際立っている。校舎のコンセプトは「生徒たちがコミュニケーションのできる場」。

 同校は総合学科・単位制で通信部と通学部があり、生徒が登校日数や登校形態を選択できるコース編成をとっている。学習指導要領に大きく左右されることなく学校裁量によって、時代が求められている教育を実践している。

工夫したやさしさがある

 敷地面積1861.09u、校舎面積3418.81uのキャンパスは生徒たちの普段の顔が見える設計がされている。

 登校してきた生徒はエントランスから入り、正面の事務室を通り各教室棟に行く。安全面を考えてのことで、常にスタッフ陣が生徒を見守っているという姿勢だ。そのため各階には教員が居るように配置。2階は職員室、3階は進路指導室、4階は合同研究室といった具合だ。図書室や談話室兼食堂、家庭科実習室は1階で占められている。また警備員が常駐しているのも安心感がある。

 芸術コース(美術)に力を入れている同校では、ロビーに生徒の作品を展示するギャラリーがあり、お互いの作品を評価しあう。来訪者にも目に留まり、自分が認められていることを肌で実感できるのだ。食堂兼談話室では多くの生徒が休み時間をここで過ごす。3階にもラウンジがあり、生徒の憩いの場となっている。

 取材当日は家庭科室で料理の実習が行われていた。先生1人に生徒が15人ほどでプリンを作る班とミネストローネを作る班に分かれての実習だ。2班といっても1人ひとりが1つの料理を作る、共同ではない。最後まで責任を持たせるという本校の考え方がある。テーブルは左右の先端が半円形になっており、コンパクトな教室を広く使えるように工夫がされていた。収納するスペースも多く確保されており、調理器具や食器などが綺麗に収納されていた。水周りのシンクもピカピカに磨かれており、片付けなどの指導も行き届いていることが分かる。床のPタイルはピンクで統一されており、楽しく料理ができる雰囲気にも役立っている。

パステルカラーで特徴つける

 キャンパス内は、基本モノトーンであるが、階ごとにアクセントカラーがある。1階の踊り場ドアには「1」と黒色で大きく書かれている。2階はイエローのドアに白で「2」、近くにあるエレベータ周りもイエローで統一。ここからは普通教室棟が入り、教室のカーテンもイエローだ。3階がブルー。4階が黄緑となっている。5階はピンクで体育館だ。当日はバレーボールの授業があり、広い体育館でのびのびと手足を伸ばす生徒の顔は皆明るい。

 パステルカラー使いがやさしさや同校の若さが表現され、ここにもコンセプトがちりばめられている。

少人数制にこだわる教室棟

 通常の教室は縦8m横8mの広さで40人教室が標準だが、同校は縦6mに横が8mの30人教室となっている。学校が拘る少人数制を実践することで、先生と生徒の距離が近く、コミュニケーションをとるには最適だ。ただし、3階には集中講義や学年単位で集まるときに使用される大教室がある。普通教室の2.5倍の広さで90人は収容可能だという。

 その他、音楽室と理科実験教室を4階に設置。グラウンドも校舎横にあるが、テニスコートが1面取れるほどで決して広くはない。この地へ移転することが決まる前、グラウンドの広い遠方の小学校跡地に移転することも視野にあった。だが、車椅子で通う生徒のことを思うと「グラウンドは借りればいい」という久井校長の考えのもと、広さよりも便利さを重視した。実際、白鷺運動公園を借りている。

伝統を引き継ぐモチーフ

 2階まで吹き抜けとなっているロビーの壁一面には、ステンドグラスのモチーフが飾られている。これは天王寺学館が50周年を迎えた時に作ったもの。現在、阿倍野の記念館に飾られているが、その伝統を引き継ぎ、これから伝統を作り上げていく上にも、このモチーフを飾ってもいいのではないかとなった。夢や希望を感じさせるダイナミックな画が同校を象徴している。平野の地で3年目、すでに市民権は得たと久井校長は話す。

※孟母三遷 列女伝母儀出展の故事。日常において目に耳にするなんでもないことの積み重ねが週間となって成長の要因になる喩えから、教育には環境が大切であるという教え。

 
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