中高一貫6年教育に加え、今年度から高校3年教育がスタート。同時に、高校は難関国公立大学を目指すソフィアコース、難関私立大・国公立大を目指すルミエールコースの2コース制になった。
今春の進路実績をみると、卒業生153人中、国公立大に28名、早慶上智に4名、関関同立には33名の合格者を出している。
同校の英語の授業は、スプリット、習熟度別のきめ細かい指導、楽しく学べる工夫により、“生きた英語”“使える英語”の習得を目指している。
モットーは、英語嫌いを作らないこと
釼持僚子先生は、同校の卒業生で、現在、中学1年を担当。他の私立中高一貫校と塾で教壇に立った後、10年前に賢明女子学院に就任した。
中学校のテキストには、内容が多く難度が高い「プログレス21」を使用。中1では、1クラスを出席番号で2つに分け、別々の教師が担当するスプリット授業(教師は定期考査ごとに交代)を行っている。中2・3は習熟度別授業だ。
「できるだけたくさん英語で発言するチャンスを作れるようにしています。1クラス18人と少ないので、生徒は頻繁にあたります」
授業では、楽しく英語に親しめるよう、ピクチャーカードや歌、ゲームを取り入れている。早くできたり、ゲームに勝ったりした生徒には、シールをプレゼント。また、毎日の単語テストに合格するたびにポイントカードに記入し、いっぱいになると、大きめのシールを進呈する。
1年生のあいだは授業では聞く・話すの活動を重視し、読む・書く活動は主に宿題になる。そうして、話す、聞く、読む、書く力の習得を図っている。1学期中には、授業はほぼオールイングリッシュになる。
渡航経験豊富。指導研究熱心な先生
玉岡亜有子先生は、高校1年担当。ソフィア・ルミエールの両コースで教鞭をとっている。ルミエールの3クラスは、習熟度で4クラスに分けている(1クラス25.6人程度になる)。定期考査ごとに担当教師が代わり、生徒も成績によってクラスが変わる仕組みだ。ソフィアコースは、ルミエールと比べて難度が高いだけでなく、進度も1.2倍と速い。
玉岡先生は、公立中高出身。大学院卒業後、同校に着任し14年目になる。外国部学部の比較文化専攻で、社会の教員免許も持っている。渡航経験が多く、英語が好きで、英語教師になったと言う。 |
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「指導前にしっかり教材研究をするようにしています。中学生を担当していた時は『プログレス』を書かれた六甲学院の先生の授業を見学したりしました」
高校になると、受験に向けて進度も速くなるが、テンポのよい、迫力ある授業が持ち味のようだ。
「生徒の夢に向けて助言、橋渡しができるような先生でありたいと思っています」と語る玉岡先生のもとには、多くの卒業生が訪ねてきて、近況を聞かせてくれると言う。
英語に多面的にかかわってきた経験を生かす
高校2年を担当する山下偉芳子先生も同校の卒業生。大学卒業後は一般企業で秘書として務めた。母校の教師になったのは15年前だが、それまでの間も専門学校や予備校で英語を教えたり、通訳案内業の資格を取得したりと、好きな英語にかかわってきた。
今の高2は、コース編成前のクラスで、必修の英語は標準・発展に分け、選択の英語は理系、国公立文系、私立文系に分け、それぞれ習熟度別授業を行っている。必修・選択とも、生徒は学期ごとに成績によって再編成される。
「丁寧な指導を心がけており、生徒には、基礎が大事と繰り返し言っています。高2は、難度が高くなるので、退屈させないよう、発話の機会を多くし、前向きに取り組むようにもっていきたいと思っています」
生徒たちには、賢明で学んだ英語で何をしたいのかを見つけ、その目標実現に向け歩んでほしいと願っている。
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