園田学園中高は、阪急塚口駅から徒歩5分という交通至便な立地にある。しかも、周りは閑静で緑あふれる住宅街だ。
園田学園高校の特別進学コースでは、7時間目を「部活動への参加」、「特別講座での演習」のいずれかを選択することになっており、真の意味での文武両道を目指している。3年間で受験する模試は20回以上。うち13回の進研模試の前には、HRの時間を利用して、事前指導が行われる。担当は、進路指導室・特別進学コース主任の小林ひかり先生。4月下旬に行われた3年5組の進研模試事前指導の様子を見学した。
入試日程・方式等を詳しく説明
同高等学校の特別進学コースでは、国・数・英の3科目については、1年の時から予備校の専門講師が担当。受験対応の授業となっている。また、こまやかな進路指導も大きな特徴だ。今回取材した授業は、その一例である。
3年生最初の進研模試の1週間前に行われた「進研模試事前指導」。てきぱきとした授業開始の挨拶に続き、小林先生の受験についての説明が始まった。
「1学期は進研模試が3回、2学期になると、進研・全統併せて6回の模試があります。センター試験は、来年の1月18・19日ですが、出願は9月です。9月1日頃には、センター試験のガイダンスを行います」と進研・全統模試と入試のスケジュールを詳しく説明しながら、黒板に板書していく。さらに、私大の公募推薦・一般入試、国公立大の前期・後期入試について説明し、「私大の公募推薦も一般入試も1回でなく、何回もチャンスがあります」と続ける。「模試≒本番です」という先生の言葉に、生徒たちの間にざわめきが広がる。
「2学期になると、すぐ出願が始まります。たくさん出願すると、(合格の)可能性が高まることにもなります。どの大学をどの方式で、何回受験するか、よく相談してください。“こうしたい”と思ったら、間髪入れず先生に言ってください。言いそびれていると、締切が過ぎてしまいます」と具体的なアドバイスが続く。
オリジナルの記入シート集を活用
次に、コード表が配付され、2年の時との違いを中心に説明が行われた。続いて配られたのが、「進研模試記入シート集」。今回の模試の目的・概要、志望校の入試科目・配点、目標、自己採点シート、事後活用シートなどがまとめられた冊子である。模試受験前に目標を設定、受験後はすぐに自己採点、結果返却後は振り返りと個別面談という流れになっており、生徒たちは、このシートに各回、自分の模試の実際を記録し、次の模試、集大成としての入試本番へとつなげていくわけである。 |
記入シート集の各ページの内容・書き方についての説明終了後、記入時間が設けられた。その間、ひっきりなしに「先生!」と手が挙がる。小林先生は、一人ひとりのそばへ行き、質問を聞き、答えていた。同じ目線で考え、答えてくれる先生。こんなところにも先生と生徒の距離の近さが感じられた。
授業の感想を生徒に聞くと、「次にどうすべきかわかりやすいです」「細かい指導で役に立ちます」「入試に向かって勢いがつきました」など、すこぶる好評だ。「部活推薦で関西学院大学の社会学部に行きたい」「関西大学の生命生物工学科が目標です。将来は研究者になりたい」「教育学部で学び、小学校の先生になりたい」と目標・夢を語る生徒たち。同コースの来春の進学実績の伸びが実に楽しみである。
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