入学希望者の多い
神戸屈指の人気校
関西の多くの私学が少子化や不況の影響を受け、生徒を集めることに非常に労力を費やしている中で、今年度の募集定員340名に対し、受験者数1650名。新入学生数442名になったという神戸龍谷高等学校。2002年に成徳学園高等学校より名称を変更したばかりだが、現役受験生には人気の高い高校となっている。何よりもコースが多く、まずは大きく分かれた3つのコースを選んで受験することに始まり、入学後、さらに1年間教師との話し合いの中じっくりと進路を見極めてから、細分化されたそれぞれのコースへ進級していくというシステムが、確実に将来を見据えることが1人ではまだ難しい青春期の生徒にとって大きな魅力になっているようだ。
「今年度で特進英語コースは共学2年目、特進文理コースは3年目を迎え、初めて3学年男女学生がそろうことになりました。また、来年度からの中学開校を目指し、現在新しい中学棟を建設しています。多彩な行事やカリキュラムなども作成中ですが、実現すれば6年間という時間の中で、さらに手厚い教育を行えるようになると期待しています」。
小澤輝郎学校長の言葉通り、より良い学校づくりに向けて、全国の姉妹校や中高一貫校を行っているところを訪問するなど、積極的な活動を学校全体が続けている。
多彩なコース設定で生徒の進路目標を達成
受験時に大別されるコースは、総合進学コース・特進文理コース・特進英語コースの3つ(男子学生を受け入れているのは特進2コースのみ)。
総合進学コースは2年次に、教養A・Bコース、情報コース、福祉コースの4コースに生徒の希望で分かれて学ぶことになる。教養Aコースは、受験科目に応じた選択や講習により大学進学を目指し、教養Bコースはクラブ活動など高校生活を楽しみながら芸術や日本の伝統芸能なども幅広く学べる。情報コースでは、ITのスペシャリストを目指し、情報・実務系の学校への進学を目標に、コンピュータ技術を中心に学んでいくカリキュラムが組まれている。高度なテクニックを用いたホームページやCGを作成する技術を身につけることもでき、なかには高度なゲームをプログラミングしたいと、日々熱心にコンピュータ画面を見つめる生徒もいる。また、福祉コースでは机上だけでなく、保育や障がい者・高年齢者との触れ合い、救急法の実践など、体験学習の中から「自分にできる福祉は何か」を問いかけるようになっており、ホームヘルパー2級の資格も取得できる。卒業後はそれぞれの目標を定め、福祉・看護・教育系などに進学していく。
特進文理コースでは、2年次から理系・文系のそれぞれに分かれて国公立・難関私大合格を目指す。週5日の7時間授業や、目的に合わせて細分化された少人数クラスでの指導、また学園所有の六甲山学習センターでの集中学習合宿などを行い、3年1学期には高校全課程を修了、残る期間で全員合格にラストスパートをかける。
特進英語コースでは、イギリス研修で国際性を高めながら大学進学を目指すスタンダードと、長期留学を通して高度な英語コミュニケーション能力を養成するグローバルに分かれて学ぶ。このコースでは、STやHRもすべて英語。普段から気軽に英語に触れ、会話能力を身につけていくようになっている。
「留学中にホームステイした先で他国の人々と知り合い、帰国後には英語だけではなく、大学では他の外国語を学ぶことにしたという生徒もいます。広く世界を見て、自分の進路を決定したい人にはとても適した学校ですよ」。
小澤校長の言うように、もともと当校では、留学生の受け入れなど国際交流が非常に活発である。この英語コースだけでなく、全コースに海外への旅行や留学チャンスを用意、ヨーロッパやカナダへの研修、6ヵ国への交換留学、オーストラリア長期留学・研修などは、どのコースからでも参加が可能であり、すべての生徒に海外で学べるチャンスがある。
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新校舎で始まる
新しい中高一貫コース
来年度開校予定の中学校は、カリキュラムなど詳細はまだ未発表の状態だが、新しく中学棟を建設中である。校庭には全面に芝生が敷かれ、裏には山の緑、見下ろす先には神戸の海が広がり、小川のせせらぎも近くに聞こえるという非常に自然環境の充実した学舎になる予定だ。
「高校3年間では、進路を決定し、希望進学先へ進むための準備に多くの時間を取られてしまいます。中高一貫コースでは6年間独自のカリキュラムを組むことで、国公立・難関私立大学への進学を最終目標としながら、さらに家庭学習を基本とした自学自習能力を育成、学校の理念の基本となっている仏教精神を基にした情緒面の発達や様々な躾教育などを実践していく予定となっています」。
現在、こう話す小澤校長の下、様々な中学のためのシステム作成が進められている。もちろん、現在高校で進められている多くの実践教育の中から、留学制度をはじめとした生徒の興味心を煽るような体験学習もカリキュラムの中に含まれるという。
募集人数など詳細は8月頃発表される予定だ。
また、教育方法も常に未来へ向けて進化を続けていきます。来年度よりは知的財産の授業や90分授業を実践しますし、入学生諸君が卒業される6年後までには、さらに進化を続けていくことと考えています。自らの目標を定め、夢への切符を手にすることができるよう、我々教員と共に、皆さんも東海大付属仰星高等学校中等部で強い第一歩を踏み出してくださることができるよう期待しています。
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