座談会に参加いただいた皆さん
卒業生 太田 喜之くん 本多 望さん
高1生 岩佐 奈実さん 幸福 知晃くん
中1生 尠{(さかもと) 采佳さん 横山 雄大くん
盛りだくさんな体験型学習
中高一貫の魅力を築く
── 今日はお集まりいただきましてありがとうございます。早速ですが、この学校を選んだ理由から伺っていきたいと思います。
尠{ (オープンスクールで)友達がいっぱいできそうだったし、勉強にも集中できそうな気がしたので選びました。
横山 僕は旅行が面白いという評判を聞いていたからです。
── 海や山での研修旅行のことですね。どんな活動だったのですか。
本多 海の自然研修(牛窓)では塩づくりを体験したり、ブイヤベースを自分たちで作ったりしました。
幸福 それに、皆でいかだを手作りして乗って、沈みかけたりとか(笑)。
本多 中3でカナダ・高2でニュージーランドにも行きました。ニュージーランドでは1人で1週間、ホームステイを経験しました。
──言葉が通じず、無口になったりしませんでしたか。
岩佐 どうしても伝えたいことは辞書を引きながらでも伝えました。
幸福 英語を使う機会なんて海外以外ほとんどないので貴重な機会。インフルエンザの影響が心配されていますが、どうしても行きたいですね。
── 旅行以外にもスペシャル・ウェンズデイ(S・W)という週の真ん中に行われる体験型の授業がありますね。思い出に残っているイベントは?
本多 一番はそうめん流し。アウトドアに強い平田先生が裏山から切りだしてきた竹で仕掛けをつくってくれて、2階から流れてくるそうめんが衝撃(笑)でした。
── S・Wは皆さんにとって、どのように受け止められていますか。
幸福 お楽しみの水曜があるから月、火を頑張れるというか、そんな感じです。そして、木曜からは今度は土日を目指してまた頑張るという1週間です。
―記者の目―
○異学年の男女2人ずつが参加の座談会。にもかかわらず、終始うちとけた雰囲気の中で会が進行した。中1の尠{さんが入学前に「友達がいっぱいできそう」と感じたのも、こうした雰囲気が校内全体を包んでいるからだろう。
○カナダやニュージーランドの研修で、ほとんどの生徒が初の海外旅行を経験するうえ、初めて訪れた家庭に滞在し、辞書を片手に会話するという生活を味わう。滝二ではその年齢でしか味わうことのできない感動、10代だからこそできる発見を重視した教育活動が実践されている。
○中学校開校当初から導入のS・Wもすっかり定着した。教科学習の習熟度を高めるため、集中力、意欲の保持という観点から週半ばに行われる体験型学習だ。1週間にメリハリを利かせ、教科学習と体験学習のそれぞれに相乗効果が期待されている。 |
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早期の進路決定は
中高一貫のメリットの一つ
── 太田さんは兵庫医科大学に進学し医師を、本多さんは神戸大学法学部に進学し法律家を目指されています。進路はいつごろ決めましたか。また、学習面で助けられたことは
?
太田 叔父が医師をしている影響で、漠然と小学生のころから医師になりたいと思っていました。
本多 中3の頃に法律を勉強したいと思い、法学部進学を決めました。学習面では5年間同じ先生に数学を教えていただいたことです。
── お二人とも明確な進路を早い段階でお持ちだったのですね。ほかに希望の進路が決まっている人はいますか。
横山 新薬研究の仕事をしたいと思っています。こんなこと言っていいのかどうか分かりませんが、お金になると思うし、人を助けられるし、カッコいいから。
岩佐 はっきり決まったわけではありませんが、今のところ先生になりたいと思っています。
── 最近は職業も多様化していますが、学校では職業観を拡げるため中学3年生で企業探求プログラムを行っています。
岩佐 企業探求では、森永製菓のインターンシップを体験しました。このプログラムは全国的に展開されていて、本校からも複数のチームが東京での全国作品発表会に出場しました。
── そうしたプログラムでさまざまな職業観に触れ、将来の目標が決まったとしましょう。次に誰に具体的に進路の相談を持ちかけますか。
太田 僕の場合は伯父が専門的なアドバイスをしてくれました。進路指導室の先生にも相談しましたが。
本多 法学部はメジャーな学部ですので、大学の絞り込みが難しいということはありませんでしたが、やはり進路指導の先生に相談しました。
―記者の目―
○進路は高1で文理選択が行われる際に大まかに方向づけられるが、中学段階から職業観を涵養するプログラムを取り入れるなど、進路を考える上でヒントとなる教育活動に力を入れている。
○座談会を通じて印象に残ったのは、滝二生の屈託のなさ、のびのびと大らかで教員とも近い関係性がうかがうことができた。今後、中高一貫教育の安定した実績が期待されるところである。
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