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中学・高校受験:学びネット

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四條畷学園中学校

 
  今だからこそ創れる独自の 6年一貫コース 〈来春開設〉
超難関国公立や難関私大への登竜門となっている中学校が3年コースだけではもったいない――四條畷学園中学校にはそんな声が塾関係者からも寄せられていた。おりしも私学中等教育には進学実績とともに、豊かな人間性や社会的知性・行動力の育成が強く求められている。後発ではあるが、微妙に変化を見せ始めた中高一貫教育へのニーズや常に変化する社会を見据え、独自の理想教育の実践へと舵を切った四條畷学園中学校。その設立意義と教育プログラムについて聞いた。

校 長: 梶尾 晃
住 所: 〒574-0001 大阪府大東市学園町6-45
電 話: 072-876-1321
交 通: JR学研都市線「四条畷」駅徒歩1分/京阪、近鉄バス「四条畷」停留所下車徒歩1分
学生数: 532名 (2009.11.1現在)
ホームページ: http://www.shijonawate-gakuen.ac.jp/

 

中高一貫コースをこだわりの独自路線で

 四條畷学園は幼稚園から大学までを擁する総合学園だが、中学校と高等学校の連携教育はこれまであまり積極的とはいえなかった。というのも、中学校に入学した生徒のほとんどが、3年後には近畿圏の国立、難関公立、私立高等学校へと外部進学してきたからだ。卒業生のその後の進路をみると、東大をはじめとする超難関国立大や有名私大への進学者が多いことは周知されているところだ。

 そんな四條畷学園中学校で、数年前から生徒や保護者を中心にアットホームな雰囲気の中にも、確実に成長させてくれる中学校での生活をそのままに高校でも学びたい、学ばせたいという声が聞かれるようになっていた。塾関係者からも基礎学力を確実につけるノウハウを持っていながら、3年間で生徒を送り出すのはもったいないという声もあり、中高一貫コース開設への流れは徐々に強まっていた。

 ただ、大阪府内での一貫コース開設について、後発を懸念する向きもなくはなかった。だが、後発には後発としてのしっかりとしたコンセプトが存在するのも確かである。昨今、中等教育に急速に、かつ強力に求められているのが、自ら課題を認識し、その解決のために道を切り拓いていける能力といわれる。無論、そこにはツールとしての知識が必要で、それを中学・高校で身に付け、さらにその能力を開発する専門教育の場である大学進学が重視されることは言うまでもない。

 ところが、いつの間にか大学進学自体が目的化し、大学や社会で求められる多面的な視野やコミュニケーション能力、真理を探究し続ける意欲や複眼的な思考力といった本来、中等教育で育まれるべき能力の未熟さが指摘されるようになった。

 同校ではこの点を新しい時代のニーズと受け止め、「どれだけの知識を蓄えたかでなく、自分は何ができるか」ということを念頭において、中高一貫教育の独自路線を追求していく考えだ。進学のみに特化せず、人格と知性を培い、生涯を通じて未来を切り開らく「実現力」の育成を教育活動の中心に据えている。「進学のみに特化しない」とは、最優先課題ではないということであって、理想教育の結果として「一期生で東大、阪大、京大に現役合格者を出したい」と話すのは、同校で企画部長を務める小林克彦氏。学園のスタンスとして「小学6年生になってから、初めて中学受験を意識した子どもさんに対しても、開かれた中学校でありたい」とも。

自ら伸びていくための
工夫されたプログラム

 時代が求める「実現力」とは、物事を深遠に研究し真理を追究する探究心、あらゆる事象を多角的にとらえる複眼思考、自国・他国の文化や立場を理解し国際社会に貢献するグローバルマインド、自分の考えや思いを的確に表現し、より良い人間関係を築くことができるコミュニケーション能力など、未来を切り拓いていける総合的な力。同校ではそうとらえている。

 そして、これら4つの能力を育む土台づくり「自分プロジェクト」が、中学の3年間に特に時間をかけて行われる。「なりたい自分」を見つけることから始まるこのプロジェクトは、大学進学を通過点として意識することで、最終的な目標、夢に向かってモチベーションを持続させる目的がある。

 河口俊彦プロジェクト主任は、「なりたい自分といっても、子どもたちが自分の将来像を描くために必要な具体的情報は不足している。社会で活躍する外部講師の講座を定期的に設けるなど、校外からの情報源を増やし自分と社会の接点を意識させ、どんな職業があるのか中学段階で視野を広げ、将来の目標を定めるきっかけ作りから始める」と、「自分プロジェクト」の意義を強調する。

 プロジェクトのひとつ「チーム学習」は、グループごとにテーマに沿った研究、考察を行い、まとめて発表するというもの。情報収集としての取材、データ資料の分析、成果のまとめなどあらゆる場面で教科を越えた連携を生かすことで、生徒が多角的な教科学習の必要性を認識できるプログラムとなっている。受験目的の学習からは完全に抜け出し、真に学ぶ楽しさを味わいながら、確かな学力を付けていくねらいがある。

 「たとえば『バラ』というテーマが与えられたとする。それを生物学的に調べるのか、美術的観点からなのか、文学作品と関連づけて研究するのか・・・と生徒は考える。そこに複眼的思考の意識が芽生える」と河口主任。基礎学力を確実に習得し、じっくりとプロジェクトに取り組むために年間250日の授業日を確保している。

 日常的には「自分レポート」や「振り返りシート」といった取り組みも打ち出している。「自分レポート」は将来、自分自身を見つめるとともに、目標とする職業についての情報に興味を持たせ、それに関連する新聞記事などを読んだり、感想を書き込むなどして社会を見る目を養っていく。中学段階では目標は変わるものだが、それもまた興味関心の視野が広がるという意味で有意にとらえている。

 「振り返りシート」は終礼時に、各教科の学習で不明な点、飲み込めなかった事柄を書き込んでいく。それによって他者から促されてするのではなく、自らすべきことに気づき行動に移すことを目的としている。学習は教わることだけではなく、自ら主体的に学ぶことが大切である。そのために96席ある自習室は夜7〜8時まで開放され、1日完結学習を目指す。これらの独自の取り組みを通して、生徒を知性・人格・行動力において成長させ、未来を切り拓く「実現力」を備えた人を育成しようとしている。

 中高一貫コースの募集定員は70名。これにより従来の3年コース「英数コース」は95名、「英数発展コース」は35名にそれぞれ定員が変更される。

 
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