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中学・高校受験:学びネット

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聖母被昇天学院中学校高等学校

 
  中学段階の学力定着のために奮闘する若手教員インタビュー
よく耳にする「きめ細かな指導」とは具体的にどういう指導なのか。小規模校ならではの行き届いた指導をモットーとする聖母被昇天学院中学校高等学校を訪ねた。中学段階での基礎学力が、その後の進路や探究心に大きく関わるだけに、授業はもちろん生徒の個性を見極めた接し方、自学自習を習慣づける工夫や根気が求められる。同中学校で教務部員であり、英語科と社会科を担当する2教諭に具体的な取り組みを聞いた。

校 長: 中戸 満
住 所: 〒562-8543 大阪府箕面市如意谷1-13-23
電 話: 072-721-3080
交 通: 阪急箕面線「箕面」駅より徒歩約1km、阪急「北千里」駅よりスクールバス15分、北大阪急行「千里中央」駅より阪急バス15分
学生数: 中学校 207名
高等学校 171名 (2009.7.1現在)
ホームページ: http://www.assumption.ed.jp/

 

出会って、磨いて楽しめる英語教育

─ 英語の授業のレベルがとても高いと聞いています。小学校からの内部進学生は6年間英会話を学んで中学校に入学しますが、中学校から入学した生徒との学力バランスにどう対処されていますか。

松井 中学校から入学してきた生徒と内部進学生は、最初の1年間だけ別々のクラスで授業を受けます。英語に出会ったばかりでアルファベットの書き方から学び始める生徒には、一から丁寧に教える必要があるからです。ですが1年間意欲的に取り組み、中2進級時には中学から入学した生徒でも内部生の英語力に負けない力を発揮する生徒も増え始め、習熟度別クラスの「発展クラス」(25名)には中学校からの入学者も10名程度入ります。

 たった1年で追いつくには、よほど手厚い指導が求められますね。

松井 毎日、教科書の本文を暗唱する小テストを行います。そのほかにも単語テストや宿題も毎日出しています。

 テストが日常化しているのですね。

松井 そうですね。テストで合格に至らない生徒には、その日の昼休みや放課後などに指導しています。宿題も未提出だったり、提出しても内容が不完全な生徒には、必ず、その日帰宅するまでに再提出するように指導しています。

 勉強を習慣づけるコツはありますか。

松井 英語では積み重ねが大切であるということをまずは分かってもらえるよう、折にふれて話しています。今、勉強していること、努力していることが将来、具体的にどう生ききてくるかということを、先輩の成功体験などを交えながら話すこともあります。あとは褒めて、褒めてとにかく励ましながら、自信をつけさせ引っ張り上げるという感じです。英語をまずは好きにさせられるように日々指導にあたっているつもりです。

─ 習熟度別クラスでは「発展クラス」のほかに「総合クラス」が2クラスあるそうですね。

松井 はい。総合クラスの上位生徒は、発展クラスに入れるよう頑張りますし、発展クラスの生徒は引き続き発展クラスにいられるよう頑張りますので、互いにいい刺激になっています。英語が最も難しいと感じ始める中2の時期に語学研修(ブリティッシュ・ヒルズ)に全員を参加させ、楽しみながら語学力を向上させるプログラムも始まります。

 高校では特に海外の姉妹校との交流プログラムも盛んです。そうした取り組みは英語を学ぶうえでどのように生かされているのでしょうか。

松井 高校生になると実際に授業で学んだことを活用し、研修生との会話を積極的に行ったり、研修生の受け入れを体験したりする中で、自信を持つようになります。そうした体験を通して、モチベーションが高まり、フィリピンやフランスの姉妹校への研修プログラムに参加したいという生徒が毎回たくさん出てきています。

社会科に関心を抱かせる
独自の取り組み

 糸永先生は中学校の社会科をご担当です。英語科では宿題が毎日のように出されるそうですが、社会科はどうですか。

糸永 どうしても英数の宿題が多く、兼ね合いを考えて社会科ではあまり出しません。その代り授業の中でしっかり頭の中に入れる工夫が必要になってきます。時事問題を引き合いに出しながら、学習を身近に感じられるよう、また、エピソードを織り交ぜるなどして印象づける授業を心がけています。楽しいと感じてもらうことがまずは必要で、好きになってくれれば、あとは自主的に学んでくれるからです。

 時事問題に興味がある生徒さんが多いのですか。

糸永 そうですね。公民ではひとつの単元を学ぶ前に必ずアンケートを取っていますが、たとえば憲法の部分では「憲法について家族で話したことがありますか」や「9条の内容を知っていますか」といった問いをいくつか設け、集計し生徒に公表します。その結果を早く知りたいと生徒からよく催促されます。つまり、自分の考えはこうだけれど、みんなはどんなふうに考えているんだろうという関心があるようなんです。

 そうした問題も含め社会情勢に関心が高いのは、この学校の特色なのでしょうか。

糸永 確かに人の役に立つことは何か、人のためにできることはないかといった観点からいくつかの行事が毎年行われています。その中の一つに、大阪の釜ヶ崎での取り組みがあります。ホームレスが集って生活するようになった歴史や現状を学習し現地を訪れます。ボランティアをされている方の話を聞いたり、路上で眠っている人が凍死しないか夜回りをしたり、おにぎりやみそ汁を配ったりする活動ですが、そんな取り組みを通して社会問題に関心を寄せるようになるのかも知れません。

 他に教科学習をさらに進めるうえで「土曜講習」にも力を入れていますね。

糸永 中学校の土曜講習は、今年度は国、社、理の3教科で実施しています。通常授業より、一歩進んだ学習を望む生徒に3年前から開講しているものです。土曜の午前中という限られた時間の中で、生徒が希望する講座の時間的重複を避け、できるだけ多く受講してもらえるよう、今後さらに工夫したいと思っています。受けられなかった講座については、放課後などの講習、個別対応などで補っています。また、英語と数学は通常の授業が習熟度別展開授業をしているので、土曜講習は特に開講していませんが、講習の裏で少人数補習も行っています。

 お話を伺って、先生方が一人ひとりの個性と習熟度に合わせ、徹底的に個別指導をしていらっしゃる熱意と誠意を感じました。本日はありがとうございました。

 
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