平成10年度2.4%だった国公立大学合格者率が今春は、28.6%。たった6年間で10倍以上
の実績を出し、スポーツでも野球部が昨年甲子園出場。今年度はテニス、バスケット、陸上部が全国大会出場などレベルの高い成績をおさめている。
「一人ひとりを大切に、きめ細かく見るように様々な努力をしてきた。それが実ってきたのだと考えています」と馬場勲校長は胸を張る。
新中学1年生より習熟度別授業を導入
中学部では従来オプティマ(特進)とグランデ(標準)の2コース制を採っていたが、来春の入学生よりコース制は廃止し、授業は、英数国の学力により習熟度別編成で実施し、ほかの教科はHRクラスで授業をする予定である。
「5年間、コース制を採ってきましたが、入学する生徒に学力差があるので、先に進める子はそのまま進み、基礎学力をしっかりつける必要のある場合はそういう指導が受けられる習熟度別クラスの方がいいのでは、と考えたのです。ただし、ホームルームは一緒です。学力は上位でなくても、個性豊かな生徒同士の交流が成長過程で必要で、分けずにやる方がいい刺激になるんですよ。中学部ではクラブ活動も楽しみ、学力もしっかりつけ、楽しい学校生活を送ってほしい」と馬場校長は話す。
将来の目標に対応する4つのコース
高等部では、将来の目標に対応した4つのコースを設け、きめ細かな指導を行っている。クラブ活動に励み、3教科型の受験で大学に進みたい生徒は「1類・普通コース」。国公立大学や難関私立大学を目指す場合は「2類・特進コース」、国公立大学の理数系学部の志望者は「3類・理数コース」。
そして中学部から入学し、3類に行きたい場合は「3類・中高一貫コース」となる。内部進学の生徒は、かなり先取り学習をしているので、外部入学者とは別コースになる。
「目標の大学に合格するためには、まず授業時間数を確保することが大切だと考えています。1、2類は週35時間、3類は週38時間の授業を行っています。土曜日の休みは、第2土曜日だけです。新しく「情報」や「総合的学習の時間」をカリキュラムに入れなければなりませんし、公立高校のように全土曜日を休みにすると科目の学習がなくなり、国公立大学入試の5教科7科目に対応できないと考えたからです」。
3類は7限授業終了後に特別講習を実施し、より理解度を深める。この特講は1・2類の希望者も参加できる。
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センター入試2週間前の集中講座
2年前よりセンター入試に対応した「集中講座」を実施し、かなり効果を上げている。
これは、有名予備校の講師による授業で、年末年始の4日間行われる。3類の2〜3年生全員と、1・2類は希望者が参加し、総勢400名。プロのポイント指導やアドバイスで、非常に生徒に好評だ。
校長はじめ教師たちも参加しプロの教授方法を参考にして、自分たちの授業に生かしている。
「先生たちは授業内容のレベルアップを目標に、この集中講座だけでなく、様々な研修を受けたり、相談し合って常に研究しています。そのことも、生徒の学力伸長の大きな要因だと思いますよ」と馬場校長は語る。
「スクール・アワー」で心の教育
同校はキリスト教信者有志と滋賀県、草津市の協力の下に開校した学校であり、キリスト教の根本である神の愛の教えに基づき、世の光・地の塩となる人材育成を目指している。心を育てる教育を大切に考え、週1回「スクールアワー」という時間をとっている。
主の祈り、聖書朗読、講話が行われ、生徒たちはその内容と感想を「スクールアワーノート」に記す。教師がそれを見て、メッセージを書き、返す。こうしたきめ細かなサポートが、積み重なって心を育んでいる。
「いくら長時間勉強させ、一人ひとりを丁寧に見ていっても、飛躍的には伸びないでしょう。心を育て、生活面でもきちんとやっていけて初めて学力がつきます。高校入学時にわかりますが、内部進学生はすでに3年間本校での心の教育を行っていますから、外部生と比べると不思議と穏やかなんですよ」と馬場校長は話す。
卒業生には、クラブ活動に励みながら難関私立大に入り、夢を持って大学生活を送る生徒も多い。
「高校時代は、自分探しの旅だと言えるのではないでしょうか。勉強も大切だが、学力のほかに自分はどんなものに興味・関心があるのか、将来何をしたいのかを探っていってぜひ目標を見つけ勉学に弾みをつけてほしい」と馬場校長は熱く語る。
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