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中学・高校受験:学びネット

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東京文理学院高等部

 
  生きる力を伸ばし、胸張って次のステップへ
 
「卒業後にも責任を持ちたい」と市川匡史学院長。東京文理学院高等部は1992年、東京都内初の通信制サポート校として設立された。不登校や学力不振など様々な理由により一般の高校へ通えない子どもたちに、安心して学べる学校生活の場を提供している。そして、3年後には一人ひとりが自信をもって次のステップへと歩を進められるよう、社会適応力を高める指導に力を入れている。

校 長: 市川 匡史
住 所: 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場4−4−11
電 話: 03-3365-1781
交 通: JR山手線・西武新宿線「高田馬場」駅より徒歩2分
学生数: 380名 (2005.11.1現在)
ホームページ: http://www.t-bunri.co.jp/

 

無理なく学べるカリキュラム

 同校の始業時刻は少し遅めの午前9時半。登校してくる生徒たちを、先生方が校門で迎える。挨拶を交わしながら、一人ひとりの心身の状態に気を配る。

生徒数は380名。「生徒全員の顔と名前が一致しています」と市川学院長。教師陣は専門機関においてカウンセリング研修を受け、生徒の状況など必要な情報を共有しながら、教育指導に当たっている。
「普通の高校生活を期待して入学してくる生徒たちを、専門知識を持った教職員と独自の教育システムが支えています」。

 同校には制服や校則、多彩な学校行事もあり、形態としては普通の高校とさほど変わらない。1クラスの定員は30名。生徒によって学力に差があるため、習熟度別にクラスを編成。無理なく理解できるところからスタートする。カリキュラムにもゆとりを持たせている。土曜日を休業とし、水曜日は午前中まで。授業時間は1時限を40分に設定している。
  午前中はクラス単位で国語や数学など学科の授業。午後は学年やクラスの枠を越えての選択授業となる。選択科目は全22講座。年度始めに生徒の希望を募り、開講する講座を決定する。生徒の興味や関心に柔軟に対応したいという考えからだ。

人気が高いのは「調理」と「パソコン」。そのほか、「陶芸」「アニメ」「鉄道」「手話」など、ジャンルは幅広い。また「ギター」や「空手」など、その道のプロが講師を務める講座もあり、基礎から本格的に学ぶことができる。
「講座には学力も性格も異なる生徒が集まりますから、人間関係の幅を広げる機会ともなっています」。

 なお、大学進学を目指す生徒のために、「進学数学」「進学英語」など受験対策講座も設けられている。

現実社会を生き抜く力を

 二年次からは進路の希望に応じて「進学」「普通」クラスに分かれる。「普通」には専門学校進学と就職希望者が含まれる。なかには選択講座の「調理」や「パソコン」がきっかけとなり、その方面の専門学校を目指す生徒もいる。

ただし、「進路選択の前に、生徒たちには越えなければならないハードルがあります」と市川学院長。

 すなわち、「現実に対処する力」を養うことである。社会や集団に適応できるよう、自らの「生きる力」を鍛えていかなければならない。そのため同校では、学力向上と生活指導の両面に力を入れている。

 生活指導は、言葉遣いやマナー、ルールなど基本的な事柄から、人間関係能力の育成まで含まれる。「人間関係のトラブルも自力で乗り越えていかなければなりません」。

 先生方は生徒たちに「この場で起きた問題は、この場で解決する。学校はその練習の場所」と常に語りかけている。時には多少厳しい言葉で諭すこともあるという。

「開校当初は、事情を抱えた子どもたちだからと、ゆるやかな指導に終始していました。しかし、在学中は皆勤だった生徒が就職して3日でやめてしまったこともありました。実社会とのギャップが大きいと、生徒のために良くありません。現在本校の根幹を成しているのは、『生徒の卒業後』に責任をとれる指導です」。

友だちづくりをサポート

 人間関係トレーニングの第一歩は友だちづくりから始まる。ところがほとんどの生徒は自分から友だちをつくれない。そのため先生方が影でサポートする。

例えば5月に実施されるバス旅行。新入生は相模湖にでかけ、数人ずつの班に分かれてカレーを作る。班のメンバーは、担任が生徒の性格や相性を考慮して決めた。各自に役割が与えられ、協力して作業を進める。「嫌でも話さなければならない状況ですので、会話が生まれます」。心配な班には、先生が中に入り必要に応じて会話をリードする。

 このバス旅行で、それまで緊張していた生徒も打ち解け、クラスの雰囲気もなごやかになるという。その後も林間教室や体育祭、文化祭などの行事を通じて、生徒たちは先生方のサポートを受けながら友だちの輪を広げ協調性を養っていく。

 また学習・生活面でも「現在の自分」と向き合い、問題を克服する姿勢を身につけていく。

卒業生の進路は、大学進学と専門学校進学がほぼ半数ずつ。一部が就職である。就職難の時代だが、同校生徒の合格率は高い。
  市川学院長は「まじめな性格と、丁寧な言葉遣いや礼儀正しさが評価されたのだと思います」と話す。

保護者・出身塾とも連携

同校では、常に保護者と密に連絡を取り合い、連携して生徒の成長を支えている。また保護者同士が交流できるよう、親睦会も開いている。

卒業生の保護者とのつながりも強い。「お世話になった学院の役に立ちたい」と保護者から申し出があり、2001年に校友会「ひまわり」が設立された。

「文化祭に模擬店を出していただいたり、選択授業の『調理』でお手伝いしていただいています」。地域では、子どもの進学先に悩む保護者の相談にものっている。「卒業生の保護者の話を聞いて、本校入学を決める親御さんも多いようです」。

 またここ数年は、学習塾からの紹介で入学する生徒が増えてきた。そのため同校では出身塾に、生徒の学校生活の様子を写真も添えて卒業するまで定期的に報告している。

数あるサポート校のなかで、同校の特色は基礎学力と社会性の育成に徹底して取り組むこと。

サポート校を検討している生徒・保護者に対し市川学院長は「教育方針を十分に理解し納得されたうえで入学していただきたい」と望む。そして「お預かりした生徒を責任を持って育てていきます」と力強く語った。

 
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