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駒込学園

 
  「一私学」の立場から考える
「高校普通科解体問題」
−日本の教育はどこへ向かおうとしているのか!−

校 長: 河合 孝允
住 所: 〒113-0022東京都文京区千駄木5-6-25
電 話: 03-3828-4141
交 通: 都営三田線「白山」駅徒歩7分
東京メトロ南北線「本駒込」駅徒歩5分
東京メトロ千代田線「千駄木」駅徒歩7分
都バス 池袋-草63-浅草寿町
「駒込千駄木町」下車(正門前)
生徒数: 246名(中学校)
1,036名(高等学校)
ホームページ: http://www.komagome.ed.jp/
 

ミレニアム改革の実像

河合 孝允 学校長

 2年後の2021年、高校普通科は74単位のうち38単位を残して36単位が学校別の「特色あるカリキュラム編成」となる時代を迎える。即ち、高校普通科が解体される。だが、本校においては「ようやくいまごろになって!」の感はぬぐいきれない。

 なぜなら、小泉内閣の時代に、内閣府主導の各省庁横断の「ミレニアム改革・バーチャルエージェンシー」が立ち上がり「聖域なき構造改革」の教育バージョンとして「2002年教育改革」が行われ、幼児教育から大学院までの構造改革が提起され推進されて来たからである。東大もすでに「独立法人化」している。そして、法人同士の「合従連衡」も法的に可能となっている。だからこそ、「不採算学部」の統廃合も含め公私横断の「地域ブロック別」の「大学の統廃合」が加速されているのである。

 「高大接続」もすでに「高大接続教室」として現実化している。「その大学」が公募して合格した高校生を、その高校に在籍させたまま単位履修を可能とする取り組みが開始されている。実質的な「高大一貫」の開始である。

 本校の生徒も「都内国立大学」の「高大接続教室」に合格して「WEB学習」を開始している。そしてこれらの生徒は17歳で帰国して9月入学で大学に進学した生徒とともに、大学は半年?1年早く履修を完了する。その受け皿が1年制または2年制の「プロフェッショナル大学院」である。ロースクールとしてすでに立ち上がっているが、更に多様化され、教員免許の取得や上級公務員受験資格の取得コースにもなっていく。言うなれば「大学の種別化」はバーチャルエージェンシーが当時策定した方向性へと確実に進行し、さらに「入試形態」も種別化されて行く。次の如くである。

 A:高度学術研究大学(大学院大学)… 競争選抜型入試(Competitive)

 B:高度職業人養成大学(プロフェッショナルスクール)…入学要件選抜型(Selective)

 C:教養大学(カルチャースクール)…開放入試型(Open door)

 これに沿って大学は「APアドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)」「CPカリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)」・「DPディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)」の開示を文部科学省から命じられ、それに基づく「学部・学科の再編」が急務である。センター試験が廃止になるのはもはや「国民一律競争選抜」の時代ではなくなっているからである。この背景に世界先進国間の21世紀IoT時代の覇権争いがある。AI時代の特色は人も組織も瞬時にトランスフォーメイドされていくということにある。教育もまた同時に世界的規模でデストラクティブチェンジされていく。この時、時代に乗り遅れ改革に失敗した国は必然的に衰退する。だが、本邦の教育は「重厚長大産業時代」の成功体験例の上に留まり「ガラパゴス化」しているのが実情である。

 米国においてはすでに9年前、小学校からSTEM教育を開始している。シンガポールも上海も豪州も含め、先進国はすでにプログラミング授業を子どものときから与えている。それに比して日本はようやくこれからである。AI進化がマウスイヤー(3ヵ月で世代交代)の時代に10年の立ち遅れは致命的ですらある。本校が先行投資的に3年前「理系先進コース」を立ち上げ「埼玉大学STEM教育研究センター」と提携して「STEM授業」を導入したのは「大河の一滴」の思いからである。そしてこのコースの生徒8名は、昨年の夏「世界ロボットコンテスト(WRO)」に自作の「農業支援ロボット」で参加して地区予選大会で優勝し全国大会に出場している。すでに本校中学入試においては、「PISA型入試」「STEM入試」「自己表現入試」「英語入試」などを導入し、新時代対応の能力を身につけた生徒たちを迎え入れている。英語入試においては小学6年生で英検準1級を取得した生徒が入学してきているのである。横並び一列の学力観の終焉時代を迎えたというべきである。

 高校普通科が解体される。そして、2年後には本校と同じ取り組みの学校群が公私を問わず全国的に発足する。「経済産業省・教育産業室」による実証事業も始まっている。教育改革は待ったなしの時代である。

私学としてのレーゾンデートル

 私学の存在理由はその「建学の精神・理念」にある。もしこの1点を見失うならば公立の学校との差異は失われ、残るのは「成果主義的進学実績」だけとなる。これまでの時代はそれでもよかった。難関大学の「合格A 判定」をもらえば、受験生親子は納得し満足したからである。だが時代は激変する。AI=人工知能が「定式化されたアルゴリズム能力」において人類の数万倍の超能力をナノ秒で発揮する時代となるからである。

 これまでの知識のインプット、アウトプットの「速度と正確さ」の勝負でAIを超えて「A判定」の出せる生徒など一人もいなくなる。だがそれはそれで良いのである! 必要なのは、例えば次のような問題を自分の頭で考えて解答できる「智の編集能力」を持った「主体的人間」を生み出すことである!

問:いくら多数者に支持されようと、あるいは今生きている人間のいかに多数者が決めることであっても「してはならないことがある」という人権思想を、立憲主義的に構築した「共生社会」をどのようにしたら実現できるか1200文字以内の英文で答えなさい。

 時代はアクティブラーニングの時代に急角度にシフトしていく。この「アクティブ」とは「思考の活性化」のことを言う。既得権益の中に埋没してガラパゴス化した役人的教員集団の扱える代物ではない。私学の存在理由を今こそ見せるべき時代である。創立者の熱き想いを復活させ、シンギュラリティの未来に生徒を送り込むべき課題こそが私学の役割であると決意して!

 
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