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中学・高校受験:学びネット

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安田学園中学校・高等学校

 
  学びの本質を突き詰める「探究」と「自学力」で
大学入試を突破し、グローバル社会で活躍できる人間に
「自学創造」を掲げ、21世紀のグローバル社会に貢献する人材の育成を目指している安田学園中学校・高等学校。探究学習に取り組んでいる学校は多いが、同校ではそれをさらに充実したものにするため、「学び力伸長システム」を導入。基礎学力と自分で考え学ぶ力を伸ばすことで、難関大学進学に必要な学力と、社会で活躍できる人材育成を実現させている。

校 長: 蓮沼 清
住 所: 〒130-8615 東京都墨田区横網2-2-25
電 話: 03-3624-2666
交 通: JR総武線「両国」駅徒歩6分、都営地下鉄大江戸線「両国」駅徒歩3分、浅草線「蔵前」駅徒歩10分
学生数: 中学校 443名
高等学校 1,151名 (2017.11.1現在)
ホームページ: http://www.yasuda.ed.jp/

 

耕作放棄地を
トキが生息するビオトープに

 森林に囲まれた田んぼ。ドジョウが泳ぎ、ゲンゴロウの姿も見える。草むらを歩けばカエルが飛び出し、トンボが頭の上を飛んでいく。ここは都会ではほとんど見られない生き物の宝庫だ。

 安田学園中学校の先進コース2年生は「野外探究・森林」として、新潟県十日町市の耕作放棄地をトキが生息できるビオトープに再生させるプログラムに取り組んでいる。生徒たちは夏休みの2泊3日、田んぼの生き物を捕まえて観察したり、葦を踏みならしての開墾作業を行ったりと、土や草木に触れながら探究学習を進めていく。

 教育企画主任の物部昌太郎先生は「本当の自然に触れながら行う探究が本校の特徴です。教科書やインターネットで調べて議論するのではなく、野外探究を通して『疑問→仮説→検証』という探究サイクルを何回も繰り返していきます」と話す。

 このプログラムでは耕作放棄地になってしまった原因や、トキの生息に必要な条件など、社会的な問題も考えた上で探究を行っている。最終日にはグループごとに検証をまとめて発表。ビオトープへの再生は来年の2年生にも引き継がれ、継続して行われる。

 探究の授業で大切にしているのは、「なぜ?」から始まる「開かれた疑問」を持つことだ。「ウニの口はどこにあるのか」では、答えが出たらそれ以上広がりがない。しかし、「なぜウニの口はそこにあるのか」と考えれば、「餌が食べやすいのでは?」「では、ウニは何を食べるのか」と発想を広げていくことができる。これが「開かれた疑問」だ。

 物部先生は「毎年、先輩たちの発表も見ていることもあって、年々、生徒の発想力が豊かになっていると感じています。教師が思いもしなかったユニークな発想が次々と生まれていますね」と話している。

大学と同じゼミ形式で研究
探究は大学受験でも有利

 先進コースでは1年次に上野動物園で動物を、千葉の東京海洋大学館山ステーションでは磯の生物を観察する。3年次になると論文作成方法を中心に勉強。書く作業を繰り返し、表現力を磨いていく。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの研究成果発表会にも参加し、大学生の研究がどういうものかを実際に体験する。

 「生徒は大学生のプレゼンテーションを見て、『自分たちのやっていることと同じだ』と自信を持つようです」と物部先生。

 4年次には社会、数学、人文、英語、生物の各ゼミに分かれて、個人探究をスタートさせる。社会ゼミ担当の物部先生は今年「人権問題」をテーマに取り上げた。人身売買を調べる生徒がいた他、人文ゼミでは「人間が集中できる環境」を調査する生徒や、生物ゼミでは細菌を実際に培養している生徒もいる。

 5年次では探究の集大成として、論文の内容を英語でプレゼンテーションする。今年の7月にはイギリスのオックスフォードのハートフォード・カレッジで大学教授や大学生を前に発表する予定だったが、テロの影響で、11月にオーストラリアのクイーズンランド大学で行うことに変更。来年以降はイギリスに戻していく予定だ。

 探究の授業は総合コースでも「探究・ライフスキル」として行われている。先進コースと同じように1年次には山へ、2年次には海に行く野外探究を実施。研究結果は必ずプレゼンテーションとして発表し、5年次までそうした経験を何回も繰り返す。

 「5年間の探究の積み重ねが、大学入試の記述問題でも大きな力を発揮すると思います。それだけでなく、社会で必要となる問題発見能力・解決能力、実践的な文章能力やプレゼンテーション能力を身に付けることができます」と広報本部長の礒正樹先生は話している。

基礎学力の土台に花開く
本当の創造的な学力

 こうした探究学習を有益なものにするためには、基礎学力という土台が欠かせない。同校では特にその点を重視している。

 物部先生は「基本的な知識がないと、きちんとした話し合いはできませんし、豊かな発想も生まれません。探究と他の教科の授業がうまく噛み合ったときに初めて、生徒の創造力が大きく発揮されます」と話す。

 同校では「学び力伸長システム」で、1〜3年生の間に学習方法を体得させている。2時間続きで行う「学習法体得授業」は「予習→授業→復習」を学校の授業内に行うもので、効率的な予習・復習方法を習得。勉強に取り組む姿勢を身に付け、基礎学力の定着を図っている。

 1〜3年生までは学習法体得合宿を行い、集中して「予習→授業→復習」を繰り返す。4年生からは、自分で立てた学習計画に基づいて独習をする「学習合宿」となる。その他、中間・期末テストとは別に「習熟度チェックテスト」を週2日、英語と数学で実施。その週で学んだことは、その週に復習して定着させている。

 また、総合コースでは中3の7月に中学内容の総復習をする「中学集大成テスト」を実施。高校で必要な基礎学力や自主的学習力を身に付けて進学できるよう、全員が合格するまで行われる。

 年々、入学者の学力が高まっている同校。来年度の中学入試では公立一貫校型入試を2回実施する(2月1日午前と2日の午前)。併願者が多い都立両国高等学校附属中学校の入試問題傾向に即して出題もされる。

 この入試は先進コースの特待入試でもあり、合格者は全員入学金半額免除。得点率により1・3・6年間の授業料全額免除の制度も設けられている。

 
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