勉強や部活が楽しい!
友達と共に大きく伸びる
毎年4月1日に今年の経営スローガンを発信している聖徳大学附属女子中学校・高等学校。川並芳純校長が掲げる今年のスローガンは「自分たち力2倍」。
「『あの子が頑張るから私も頑張ろう』と思う気持ちがあるからこそ、今まで出せなかった結果を残すことができる。本校では、自分一人の力では難しいことも、みんなとかかわり、さまざまな影響を受けることで、自分を高めていきます。だからこそ、『自分たち力2倍』こそが、本校の生徒に合った表現だと考えています」と川並校長。
朝学習として漢字テストを実施している同校。クラスの平均点が学年で一番になれるよう、クラスメイト全員で励まし合って努力したり、英語が苦手という生徒も友達と一緒に取り組むことで英検に合格したり…。皆で取り組むことで大きな成果を出している。
「教員は生徒たちが力を出せるよう手をかけますが、その後は生徒同士の化学反応で、まるで太陽が燃えるように想像以上の力を発揮してくれます」
行事も「自分たち力」を引き出す場所だ。毎年、全校生徒が参加する3泊4日の北蓼科高原体験学習では、高3生にもなると、自分たちで計画を立てて行動する。農業体験や登山ではつらつとした上級生の姿を下級生は見て、それを見習う。こうして伝統が継承されていく。
「本校の強みは子どもたちが醸し出す学校全体のムード。教員は勉強や部活が楽しいと思えるよう、情熱を持って生徒を応援していきます」と川並校長は語る。
水曜日の午後は選択授業
自分と向き合う時間に
現在卒業生の80%が4年制大学に進学し、聖徳大学以外の4年制大学に進学する生徒の割合も50%を超えている。早慶上理・GMARCHのレベルの合格者も増えており、一昨年には中学校にそうした生徒を対象にした「S選抜クラス」を設置した。他に国公立大学や難関大学を目指す「選抜クラス」、聖徳大学をはじめ、私立大学を目指す「進学クラス」がある。
生徒の希望の進路を実現するため、手厚いバックアップを行っている同校。放課後には学習到達度に応じて英・数・国の補習や、大学受験を見据えたゼミも実施している。物理等の選択科目は10人以下の少人数クラスになることもあるが、きめ細かく対応。医学部や看護学部等理系大学を希望する生徒をしっかりフォローしている。
一方、昨年から全コース高3生の水曜午後の授業2コマをカット。生徒が自由に使える時間をつくった。
「大げさな言い方かもしれませんが、生徒たちには真面目に自分と向き合う時間が必要です。特に難関大学を目指す生徒は、自分で勉強する時間をもってほしい。教師には『教えすぎないでほしい』と言っています」
選択授業では、聖徳大学の授業を無料で受講することもできる。取得した単位は聖徳大学でも単位として認定され、聖徳大学志望の生徒は積極的に受講している。
生きる力を
会食や友和会活動で
コミュニケーション力や課題解決力といった「生きる力」の育成が重要視されている今、同校では「社会で活躍するための真の学力を兼ね備え、日本人女性としての心・人間性を有した生徒の育成」をビジョンとして掲げている。 |
毎日、全生徒と教員が食堂(じきどう)に集まり、昼食をとる「会食」では、配膳や片付けといった共同作業により協調性やコミュニケーション力が養われる。小笠原流礼法の授業で学んだマナーを実践する場でもある。放課後の清掃は縦割りのグループ「友和班」で行う。中1から高3までの生徒が1つのグループとして学年を超えた活動をすることで、座学の授業だけでは学べない大事なことを感じ取っていく。
卒業後も生徒同士の絆は深くつながっている。20歳を迎えた卒業生が成人式当日に集まる「聖徳成人式」は今年で6回目。松戸駅前の聖徳大学キャンパスで行われ、100人近い新成人が集まった。ユニークなのは「アラサーの会」や「アラフォーの会」も開催していることだ。夏休みに行うアラフォーの会の年齢は39、40、41歳。この会には3学年の卒業生200人以上が、思い出の場所・同校の食堂に集まる。
「この前、10年後の自分に宛てた手紙を校内に埋めた卒業生たちが本校にやってきました」と川並校長。昔と今との違いで卒業生が一番驚いたのが、現在の生徒たちが一番好きな行事は「体育祭」だということだった。
「10年前は、おそらくここまで自由な校風ではなかったのだと思います。本校の体育祭は女子校といえども、騎馬戦も棒倒しも行う活発な体育祭です。私はやるからには真剣にやろうと呼びかけています。生徒たちは真剣に取り組み、全力で体育祭を楽しんでいますよ。こうした一面からも『自分たち力』が上がっていると感じますね」
川並校長は「本校の生徒は知識を吸収しようという素直な気持ちを持っています。この無邪気な心は成長に大切な要素。中高生には大事な中高生としての時間があります。中高時代の今しかできないことを本校で謳歌してほしいと思っています」と熱く語った。
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