ゼミで磨く
社会で活躍できる力
共生できる
「地球市民」の育成も
今年4月、武蔵大学の学長に山嵜哲哉氏が就任した。同大学が教育の課題として掲げているのは、@社会で活躍できる基礎力の育成、Aグローバル時代に活躍できる力、B力を活かせる進路、の3つだ。
「『ゼミの武蔵』とあるように、ゼミは本学の教育の基盤であります」と山嵜学長。ゼミは全学生が入学時から4年間必修。盛んな討論や発表を行うゼミでの学習が、社会で活躍できる基礎力をつけると考えている。
「グローバル時代に活躍できる力としては、今年4月から『地球市民の育成』という言葉を使っています。グローバル化というと、英語が話せてビジネスのできる人間の育成というニュアンスが強いですが、私たちは異文化共感力ともいえる、いろいろな個性の人々と共感し、共に生きていくことができる人材を育てたいと考えています」
同大学では今後、海外留学する学生の数を現在の約30人から倍増させる予定。さらに外国人留学生の受け入れも増やしていく。2012年にオープンした「Musashi Communication Village(MCV)」はキャンパス内留学ができる英語が公用語の施設。常駐するネイティブ・スピーカーと気軽に英会話ができるほか、イベント等を通して外国語や異文化に触れることができる。
力を活かせる進路としては、キャリア教育を重視。昨年4月にキャリア支援センターを移転し、さらにバックアップ体制を強化した。2013年度の就職率は94%。そのうち37%が従業員数1,000人以上の企業に就職と、成果を挙げている。
他学部・他学科と併願が可能
受験生の負担を減らす
新方式導入
武蔵大学では2015年度から一般方式入試に「個別学部併願3科目型」(2月6日、7日実施)という新たな入試方式を導入する。同一試験日での学科併願が可能で、2月6日の場合、経済学部の経営学科と金融学科、人文学部の英語英米文化学科(※選択科目で英語聞き取りを選択した場合は不可)、社会学部のメディア社会学科の併願が可能になる。
入試委員長の内藤暁子教授は「受験生の経済的負担を減らすとともに、受験日数が減っても受験機会を確保できるよう、新方式を導入しました」と話す。「本学の入試は教科書に準拠して問題を作成しており、難問奇問は出ません。英語や国語対策としては日頃から多くの文章に触れ、速く読む練習をしておくとよいと思います。あとは過去問をきっちりやること。センター試験対策もそのまま武蔵大学の入試対策になります」と内藤教授は参加者らにアドバイスを送った。
続いて、キャリア支援センター事務部長の鈴木正規氏から就職状況について説明された。
「今年はここ数年採用がなかった企業、またこれまで実績のなかった企業からも内定をもらっています」と鈴木氏。6月現在、すでに約36%の学生が内定を獲得。第一線で活躍する卒業生による実践的な就職支援セミナー「武蔵しごと塾」や11名の相談員による全員面談等、さまざまなキャリアサポートが実を結んでいる。
「企業の皆様から本学の学生は、誠実でまじめ、のびのびとして明るいという評価をいただいています。今後はさらに自信を持って面接に臨めるよう指導をしていきたいと思います」
第一部の最後は、「第9回日銀グランプリ 〜キャンパスからの提言〜」の決勝大会において、最優秀賞を受賞した経済学部金融学科の黒坂ゼミメンバーによる発表が行われた。 |
英語の小論文と面接
作品を提出等
ユニークなAO入試
第二部では学部紹介と、各学部で実施するAO入試について説明された。経済学部長の黒坂佳央教授は各学科の違いを、消費税引き上げを例に説明。
「政府の借金が1,000兆円を超えたので、税収増加によって財政をどう安定させるかを考えるのが経済学科、消費税率が8%になったことで駆け込み需要など、消費者がどう行動するかに対し、企業戦略を勉強するのが経営学科、消費税引き上げが株価や為替に及ぼす影響を学ぶのが金融学科です」
経済学部にはAO入試はないが、3年前から「指定校制特別入試」を実施している。学部が指定した高校から志願者を募り、選抜によって合否を決定する。専願ではないのが特徴だ。
経済学部にはAO入試はないが、3年前から「指定校制特別入試」を実施している。大学が指定した高校から推薦してもらうもので、専願でなくてもよいのが特徴だ。
「英語英米文化学科」「ヨーロッパ文化学科」「日本・東アジア文化学科」を擁し、各地域の言語や文化を学びながら、国際的な視野を広げていくことを目的としている人文学部。学部長の踊共二教授は「来年度は英語英米文化学科のAO入試に、『インターナショナル方式』を導入します」と発表。これは英語の筆記試験と英語小論文(PC入力によるもの)と、英語による面接で行われる入試で、「英語に自信のある生徒は、ぜひこの方式で受験してほしい」と話す。
社会問題を調査・分析し、メディアを通して発信するスキルを学ぶ社会学部には「社会学科」「メディア社会学科」がある。学部長の小田原敏教授は「社会学とは学際領域研究であり、幅広い領域をカバーし、いろいろな知見を組み合わせることが求められます。興味の幅が広く好奇心の強い生徒がこの学部に向いています」と話す。
同学部では「テーマレポート方式」や「作品方式」によるAO入試を実施している。テーマレポート方式は自分が関心のある社会の問題についてレポートを提出。作品方式は制作した出版物や音楽・映像作品やデジタルコンテンツ等から審査される。「私たちは他大学ではできない教育を目指しています。それに合致した生徒を送ってほしいと思います」と話した。 |