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中学・高校受験:学びネット

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春日部共栄中学校・高等学校

 
  「夢」と「文武両道」を極めて
世界に通用する実戦的能力を養成
昭和55年に春日部共栄高等学校、平成15年に春日部共栄中学校開校。今春、県の高校入試制度が変化するも、高等学校の志望者・入学者は増加。国公立大対応の磐石のカリキュラムと、行事・部活動参加を重んじる「文武両道」への根強い支持を証明して見せた。教員たちの「夢の教育」を凝縮した中高一貫校は10年目を迎え、4期生が卒業。高い学力とプレゼンテーション能力を育む手腕への評価は年々高まっている。海外の大学進学も視野に入れる、独創的なリーダー養成教育に迫る。

校 長: 宇野 禎弘
住 所: 〒344-0037 埼玉県春日部市上大増新田213
電 話: 048-737-7611
交 通: 東武野田線・東武スカイツリーライン「春日部」駅西口よりスクールバス約10分
学生数: 2,076名 (2012.7.1現在)
ホームページ: http://www.k-kyoei.ed.jp

 

若手リーダーの新体制発動
「文武両道」は生徒の誇り

 春日部共栄高等学校の今春の大学進学実績は、国公立大81人、早慶46人、上智14人、東京理科大27人、GMARCH217人。宇野禎弘校長には、いずれは「東大二ケタ、早慶三ケタ」を達成する青写真がある。

 「まずは『教科力』の向上。近日、教員から東大・早稲田大の入試問題の研究と分析が上がってくるので、各教科の教員が共通認識を持って、さらに質の高い授業に臨むための対策を打ち出します」

 就任2期目の宇野校長は今年、大胆な人事改革を行った。学年主任と教科主任を30代の教員に刷新。ベテランの指導力に加え、目まぐるしく変わる教育情勢や生徒の気質に、若手が柔軟かつスピーディに対応する体制を整えた。宇野校長は手応えを感じている。

 「若手には、どんどん意見を言ってもらっています。実際、彼らのやる気はものすごい。ベテランがニューリーダーを盛り立ててくれるので、学校が今、すごく動き始めている状況にあると思います」

 逆に、絶対に変えてはいけないというのが「文武両道」の根幹だ。同校に伝わる至言「三兎を追おう」とは、「勉強・部活・学校行事」すべて真剣に取り組み、充実した学校生活を送り、人間の幅を広げようという意味だ。

 「勉強も部活も両立できる――そんなプライドを持った生徒が集まります。部活動に励みつつ、大学進学の道も見える。選んでくれる生徒・保護者、公立中の進学指導の先生方も、春日部共栄をそういう学校だと認識してくれているので、心強いです」と宇野校長。

 センター試験出願率95%。名実ともに進学校でありながら、水泳部はオリンピック選手を輩出、吹奏楽部はカーネギーホールで演奏するなど、世界的な評価を得る。世界水準の「文武両道」だ。

進学実績を牽引する一貫生
自ら考え行動する実戦能力

 高1の選抜・特進E系・特進S系の3コースは、高2以降、選抜、特進・一貫コースが各々文系・理系の計6つに分かれる。中高一貫生と、高入生は別クラスだ。一貫生トップ層は、高入生の進学実績を上回る実力をつけてきている。そして高入生の早稲田志向に対し、一貫生は慶應志向。それは慶應が求める「論述力」を一貫生が充分に訓練してきた賜物だ。宇野校長は十数年前の「中学設立準備室」の室長時代を振り返る。

 「『こんな中学校を作りたい、こんな生徒に育ってほしい』と、1年間貪欲に夢を語り合った。『世界のリーダーを育てる』ために、有効と考えられる実現可能なものから採り入れました」

 速読・トレーディングゲーム・企業の教育プログラム導入など、斬新な取り組みは常に注目を集めている。根本は「本物を生徒に見せる、触れさせる、聞かせる」という「本物」にこだわる教育だ。専門家や企業で活躍する卒業生を招く「講演会」は「本物との出会い」の場。南極観測に携わる卒業生の防寒服を生徒たちは実際に着て、南極の氷に触れる。ケニアの子どもたちが貧しくて学校に行けないことを講演会で知り、「自分の目で現実を見なくては」と、大学の夏休みにケニアを訪れた卒業生もいる。宇野校長は顔をほころばせる。

 「卒業後に、講演会の真価が理解でき、生き方にも影響してくる。予想を超える大きな効果でした。嬉しいです」

 講演会も体系的な学びの場だ。講演テーマについて事前レポートを提出。ネットや新聞などで調べ、さらに自分の提案を書く。当事者として「世界」に積極的にかかわるので、講演中の集中力も高く、質疑応答での挙手も多い。その日常的な訓練の一つが「ワールド・ビュー」。興味を引く新聞記事を要約、提案をする課題だ。特に「提案」へのプロセスとスキルアップには時間をかける。まず自分が主体ではない「〜すべきだ」、「〜してほしい」という述べ方や、大人が考えればいいという人任せの姿勢は「提案」として認められない。中学生なりに「自分だったらこうする」と、自分の頭で考えた「提案」が求められる。まさに世界のビジネスシーンで生かせる力だ。宇野校長が、生徒や保護者に常に語ることがある。

 「失敗の反対は成功ではなく、何もしない、何も考えないことです。失敗する、間違えるということは、自分の頭で考えて、行動に起こしたということ。失敗や間違いを繰り返しながら、自分の頭で考え、判断し、行動できる人間に育てるのが、本校の使命です」

中3全員参加のカナダ研修
身につけたスキルを試す場

 「リーダーに必要な資質」として養われるプレゼンテーション能力は、自己紹介に始まり、各教科やイベントで、ふんだんに発表の機会が設けられ、最終的には日本語から英語へと展開する。その集大成が中3の3学期に行う「カナダ研修」だ。希望者のみだったが、4年目から「全員参加」に踏み切った。「相当に勇気がいったが、決断は間違っていなかった」と宇野校長。1ヵ月間、2人1組でホームステイし、自分たちの生活を管理する。現地では英語でコミュニケーション、カナダの小学生に日本文化のプレゼンテーションを行う。つまり、春日部共栄の中学生は、「将来、必要だから」ではなく、「カナダで絶対必要だ」と明確な意識の下、実践的な英語と日本の歴史文化を学び、プレゼンテーション能力を磨き、生活を自己管理できるように成長していく。

 「夢の中学校」を追い求めて10年目。目指す方向性はブレていない、という宇野校長は、熱い口調で続ける。

 「『これでいい』と満足してしまったら終わり。どこまでも夢を追いかけ続けるのが、教育という仕事です」

 かかわるすべての人の夢を原動力に、春日部共栄は新たなステージに向かう。

 
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