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中学・高校受験:学びネット

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武蔵大学

 
  「ゼミの武蔵」がキャリア教育も強化
今年度より全学共通で「総合科目」を導入
1922年に設立された旧制武蔵高等学校(7年制)を前身とする「武蔵大学」。90年近い歴史をもつ伝統校というだけでなく、全学生が4年間必修でゼミを履修する「ゼミの武蔵」として知られている。すべての学生がひとつのキャンパスで学ぶ「ワンキャンパス」でもあり、この利点を生かした「三学部横断型ゼミナール・プロジェクト」等、特色あるゼミ教育が展開されている。6月25日(土)に高等学校関係者に向けて行われた「大学説明会」では大学概要の他、「総合科目」の導入やキャリア支援等についても紹介された。

学 長: 清水 敦
住 所: 〒176-8534 東京都練馬区豊玉上1-26-1
電 話: 03-5984-3715(入試課)
交 通: 池袋より西武池袋線で7分「江古田」駅、新宿より大江戸線で15分「新江古田」駅、渋谷より副都心線で20分「新桜台」駅、各駅下車徒歩約7分
学生数: 経済学部 2,038名
人文学部 1,530名
社会学部 1,122名 (2011.09.1現在)
ホームページ: http://www.musashi.ac.jp/

 

社会人として必要な能力を
ゼミで鍛え上げる

 最初に、清水敦学長が武蔵大学の概要について語った。

 清水学長は「ゼミの武蔵」を大きく打ち出している理由として、建学当時からの教育目標のひとつである「自ら調べ自ら考える(自立)」の実現には、ゼミが非常に重要であると強調。

 「与えられたことをただ記憶・暗記するのではなく、自ら考えて答えを出す。このプロセスを4年間通じて行うことで、主体的に考える力がついていきます。さらにゼミでは、学生同士や学生と教員の間で対話が密になる。そのやりとりの中で、自分の考えを伝える力、相手の話を聞く力が養われます。こうした力はマニュアルではなく、繰り返し試行錯誤していかないと身に付きません」

 異なる学部の学生が協働して取り組む「三学部横断型ゼミナール・プロジェクト」では、産学連携のもと、実際の企業の「CSR報告書」を作成する。経済、人文、社会の異なる学部の学生が集まることで、多様な視点が身に付くことも特徴だ。加えて、プロのキャリアコンサルタントとの面談がゼミ開始前・中間・事後に3回設定されている。学生はゼミを通して自分がどのように成長しているかを自覚しながら、自らを高めていくことができるのだ。

 また武蔵大学では、2011年4月から全学部共通の「総合科目」を導入。学部や学科にはない基礎知識を学ぶもので、「ゼミの武蔵」らしく、少人数での演習も盛り込まれている。

 続いて、各学部の紹介が行われ、最初に経済学部長の板垣博教授が登壇。経済学部には7つのコースがあるが、どの学科に所属していても、好きなコースを選択できると解説した。武蔵大学ではゼミの成果を発表するイベントが学部ごとにあり、経済学部では「ゼミ対抗研究発表大会」。このイベント等を通じ、板垣教授は「手前味噌ではありますが、年々学生のレベルが上がっていると感じています」と話す。

 人文学部長の光野正幸教授は「これまで各コースには履修マップというものがあり、学生の履修する科目が固定する傾向にありました。これを学生の興味に応じて選択できるようにしました」と話す。また、1年次の基礎ゼミから、卒論を念頭に置いた指導がスタートし、3年次後半から卒論の準備にとりかかる。就職活動との兼ね合いも含め、早目に準備をすることで、十分な指導時間を確保し、「卒業論文報告会」として一般公開しているのも大きな特徴だ。

 社会学部の紹介では、学部長の栗田宣義教授が「社会学は、実習実学重視の生きた教育」であることを強調した。ある学生がコーヒーチェーンの研究をし、社会学部の卒業論文・卒業制作報告会「シャカリキフェスティバル」で発表。さらに就職活動で、某コーヒーチェーンから内定をもらったという実例を紹介し、「自ら興味をもったことを学問として研究し、それが生活の糧となる仕事に結びついた」と報告した。

銭湯ペンキ絵師を追う
ドキュメンタリー制作で得たもの

 第二部では学生によるプレゼンテーションが行われた。テーマは「自分というフィルターを通して、事実を伝えるということの難しさ」。登壇したのは社会学部メディア社会学科3年の池田祥子さん。2年次に所属した永田浩三教授のゼミで学んだ、映像ドキュメンタリー制作について発表した。

 池田さんはゼミでのドキュメンタリー制作で、銭湯ペンキ絵師の中島盛夫さんを取材する企画を提案。「大学進学で東京に来て、銭湯ペンキ絵師という仕事を知り、『こんな仕事があったのか』と興味が湧くと同時に、銭湯文化を支える人を撮影したいと思いました」と池田さん。

 池田さんの出した企画が採用され、いざ取材をスタートすることになったが、インタビューや取材の仕方がわからない。永田教授に教えてもらおうとすると、『とにかく話を聞いてきたら?』というアドバイスのみ。ひとまず実際に銭湯の現場を訪ねた池田さんは、中島さんが絵を仕上げていくスピードや迫力に感動し、時間を忘れて、見入ってしまったという。

 「現場を見たことで、中島さんの人柄を伝えたいという気持ちが強く湧いてきました。同時にこの気持ちがドキュメンタリー制作の原動力なのだと実感しました」

 さらに取材を重ねるうちに、ノウハウではなく、池田さんと中島さんの人間関係が成立してこそ、いい取材ができるということも学んだ。

 制作が進むにつれ、池田さんは「感動を与える番組を作るにはどうしたらよいか。ありのままを伝えるだけでいいのか」と悩んだと話す。やがて「メディアとは、私というフィルターを通して再構成したものである」と気づき、ドキュメンタリー制作の根幹をつかむことができたという。

 今後はメディアのもつ可能性を探り、メディアと上手に付き合うための環境を考えたいという池田さん。集まった高校の進学担当者を前に、「自分の足を使って学べるゼミがある武蔵大学を、高校生にぜひ勧めてほしいと思います」と締めくくり、大きな拍手が送られた。

センター後期で7科目型導入
キャリア支援も一層手厚く

 説明会ではこの他に入試の変更点について説明された。24年度入試では、センター方式入試の後期日程において、7科目型を人文学部と社会学部で導入する。生徒の総合的な力を見るとともに、国公立大学を目指す生徒にも受験してもらいたい考えだ。

 最後に就職状況について、キャリア支援センターの江上節子センター長から報告があった。2011年3月時点で、就職希望者のうち就職が決まった学生は90%。現在の経済状況を考えると低い数字ではなく、江上センター長は「学生の頑張りと、OBやOGをはじめとする関係企業が手を差し伸べてくれた結果」と語る。今後2〜3年は先の見えない状況が続くと思われるものの、「学生に自分は何のために勉強し、社会に出てどのような力を発揮したいか、大きな目標を掲げるようアドバイスしています」。総合科目の中にも「ライフマネジメントとキャリアデザイン」分野を設置するなど、学生がゼミで身に付けた実力を社会で存分に発揮できるよう、新たな取り組みを展開している。

 
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