仏教に根ざした教育理念に
人格育成の期待が高まる
立正中学校は、志願者数が年々増えている人気校。同校を第一志望とする生徒も増え、競争倍率も昨年度は2倍超、4回目の試験では3倍を超えた。
2月7日(土)は今年度最後の試験。8時45分、子どもたちは試験会場に移動。そこでランチルームに待機する保護者に立正中学校を受験校に選んだ理由を聞いた。
「仏教の学校なので、精神的なものを重んじているのが良い」「宗教を身に付け、人間性を磨いて、社会で役に立つ人になってほしい」と話すのは、それぞれ4科と2科受験の男子の保護者。
立正は、建学の精神を日蓮聖人の人格と教えにおく仏教の学校。「行学二道」という、学校で学んだこと(学)を実際に行動で示せる(行)生徒の育成を教育目標としている。
同校の石倉尚文総務広報部長は年々志願者が増えている理由として、「建学の教育理念をぶれずに貫いてきたことと、当校の校風だと思っています」と話す。校風についてはどの保護者も、生徒の礼儀正しい姿に好印象を抱いたという声が多かった。
「今年度は女子の受験も増え、女子にも認知されてきたと感じています。現在は3対1で男子が多いのですが、活発な女子が多いので、もっといるような印象を受けると思います」と石倉先生。
特待生チャレンジの女子の保護者は、「子どもは見学時から『ここがいい』と言っていました。特に図書館がお気に入り。室内プールがあるのも魅力です」と話す。男子の保護者は、「息子本人の意志が強く、立正に決めました。入学が楽しみで、貪欲に勉強したいと張り切っています」とも。
校内に漂う清廉な雰囲気やきれいな校舎は、子どもの目から見ても魅力的に映るのだろう。
丁寧な指導で入学後にぐんと伸びる学力
もう一つ、立正を選んだ理由として多く聞かれたのは、「丁寧な指導」だ。
4科受験の男子の保護者2人は、「息子はバリバリやるタイプではないので、面倒見のよい学校がいい」「生徒に優しく手を差し伸べてくれるようなタイプの先生方が多いのが気に入っています」とコメント。また「息子は公立に行ったら大学進学はないと思います。立正なら、入学後に伸ばしてもらえそう」とも。
特待生チャレンジ受験の男子の保護者も「友人の子どもが、二人とも立正に入学しています。大学受験ではいつまでにどう勉強すればいいのか具体的に指導してくれるなど、最後までフォローしてくれると聞いて安心しています」。
立正では6年間を3つのステージに分け、段階に応じた教育を実施しているだけでなく、数学と英語に習熟度別のクラス編成を組む。また補習・補講の時間も高校生(4〜6学年)で約2,480時間用意されているなど、バックアップ体制は万全。そうした学力向上への取り組みも人気の理由と言えそうだ。
クラブ活動で楽しい学校生活を
移転でさらに充実した施設に
クラブ活動で立正を選んだ保護者や子どももいた。
「小学校から野球をしていて、中学でも続けたいと言っています。中・高一貫ならクラブ活動も6年間通してできますし、勉強だけでなく、クラブ活動でも楽しい学校生活を送ってほしい」と言うのは4科で受験の男子の保護者。「息子は鉄道が好きで、文化祭の鉄道研究部の展示を見て、すごく気に入ってしまいました」とは、特待生チャレンジ受験の男子の保護者。
平成25年4月には、より高い水準の教育環境を目指し、中学校・高等学校が馬込に移転する。勉学・クラブ活動ともに充実した学生生活を送るにふさわしい環境作りが進んでいることに、保護者は満足している様子だった。
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喜びの合格者の声
2科の試験は11時に終了。4科の試験は12時10分に終了した。子どもたちは一様にほっとした表情で保護者のところへ向かった。
合格発表は14時30分。予定よりやや早めに掲示板に結果が張り出されると、待っていた子どもと保護者は一斉に番号を目で追った。
見事合格した子どもの保護者は「2月1日の1回目からずっと受けていました。今日は合格できて本当に良かった。立正は通学するにも立地が良く、個性を尊重してくれる学校と聞いています。移転で敷地が広くなるのもいいですね」と、ピンク色のチューリップを受け取って満面の笑み。
他にも「これまでいい結果が出なくて、今日初めて合格し、安心しました」と、ほっと安堵する保護者の声もあった。
今回、保護者のインタビューから、立正の教育理念である「行学二道」に大きな期待が寄せられていること、生徒一人ひとりに合わせた、きめ細やかな指導が高く評価されていることがうかがえた。数人の保護者からは、「試験問題が過去の問題よりもレベルが高まっていると思う」という声が上がったが、むしろそれは、学校全体のレベルアップを証明するもので、好意的に受け止められていたようだ。
今年創立105年を迎える伝統校の立正中学校・高等学校。モノより心を見つめ直したい時代だからこそ、立正の教育がますます注目されていくのだろう。
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