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中学・高校受験:学びネット

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サレジオ工業高等専門学校

 
  電子工学科が機械電子工学科に名称変更
機械工学のカリキュラムを導入し
時代が求める技術者を育成
ものづくりへの専門技術の習得で定評のあるサレジオ工業高等専門学校は、今春、電子工学科のカリキュラムに機械工学の要素を加えた機械電子工学科をスタートさせた。走査電子顕微鏡やレーダー装置など、大学でも珍しい設備を拡充し、新素材開発から特殊無線に関する技術教育や、ロボットを中心としたメカトロニクス教育を推進している。進学希望者の半数が国立大へ進み、就職希望者は大手企業を中心に100%の達成率を誇る。工作好きの素朴な夢を大きく育てる「サレジオ力」が注目される。

校 長: 小島 知博
住 所: 〒194-0215 東京都町田市小山ヶ丘4-6-8
電 話: 042-775-3020
交 通: 京王相模原線「多摩境」駅下車徒歩約10分 / JR横浜・京王相模原線「橋本」駅北口から「橋76」多摩車庫行利用「響きの丘 サレジオ高専前」バス停下車すぐ
学生数: 834名 (2008.11.1現在)
ホームページ: http://www.salesio-sp.ac.jp/

 

工作好きを技術者に育成する
カリキュラム「創造演習」

 中学生が進路を選択するとき、希望する専門分野を明確にもっていることは稀だ。だが、ロボットや工作好きで、探究心が旺盛な子どもは少なくない。そうした子どもの「好きの芽」を着実に育て、本物の技術者を養成するのが、サレジオ高専の実践に裏打ちされた教育だ。

 そんな同校が今春、始動させたのが機械電子工学科である。省エネ時代の要請に応え、電気エネルギーの有効利用のための制御を中心に学ぶ学科で、大量輸送システムや医療機器の自動制御のためのシステム開発など、今後、ますます重要視される学問領域の拡充といえる。

 カリキュラムは全体の7割を電子工学の授業に、3割に機械工学の要素を取り入れた授業に充てている。同学科長を務める高橋孝教授によると、「新たに取り入れた機械工学分野は、卓上で扱うサイズの機械を対象とし、製図の基礎から小集団活動のものづくり実践を通して、技術の習得はもちろん、自分の考えを論理的に説明できるコミュニケーション能力や発想力など、総合的な創造力を養っていく」という。これが独自の創造演習と呼ばれる教育実践で、卒業までにメカトロニクスを意識した技術者養成を図る。

 具体的には、1年次にLEGOロボットで工学基礎を学ぶことから始まり、2年次ではパフォーマンスロボットの製作を通じ、コンセプトづくりや機構の検討、設計、プレゼンテーションまでを総合的に学ぶ。3年次は自分で判断して動く自立型ロボットの製作やコンピュータによる設計CADに関する技術の習得を、4年になると、電化製品などに組み込まれるマイクロコンピュータのソフトウエア開発を、ロボットを使って実践する。最終学年では、それまでの学習の集大成としてメカトロニクス技術を最大限発揮させたロボットやオリジナルスピーカーの製作を行う。

 一連のカリキュラムを通じて、技術者を目指す自分自身を知る→技術を向上させ、自信をつける→問題解決に挑戦し、成長を実感する→調査と開発力をつけ、実を結ぶ→自ら行動し、創造力を発揮できる技術者を養成することに主眼を置いている。

充実し、選択肢も豊富な5年後の進路

 直截的な表現だが、中学校時代の評定が「オール3」であっても、ものづくりに興味があるなら同校へ入学後、一層の探究心を芽吹かせ、技術を習得し、国立大学へ進学するケースは決して稀ではない。機械電子工学科(旧・電子工学科)の進路状況を見てみると、ここ10年で進学率は16%から47%に伸び、秋田大学、茨城大学、電気通信大学、長岡技術科学大学、山形大学など国立大学へ毎年、進学者を出している。

 また、就職状況でも高い技術力が評判を得て、希望者の17倍の求人があり、就職達成率は100%。JR東日本、JR貨物、シチズン時計、東芝エレベータ、パナソニック、パイオニア、日本放送協会、旭化成など、大手企業への就職が目立っている。

 国立大へは、同校からの推薦入学者がほとんどで、就職でも企業と同校との長年の信頼関係から推薦制度が確立されている。また、第2級陸上特殊無線技士、第3級海上特殊無線技士の国家資格が、卒業後の申請により取得可能となるため、進学や就職に有利に働くことは間違いない。

 現在、需要が高いメカトロニクス技術者は、エンベデッドシステム開発者、システムデザイナー、3DCADオペレーターといわれるが、同学科ではこの3つの技術を中心に据えたカリキュラムで5年後の進路の幅を広げている。

体験入学で人気のロボットづくり

 9月と10月に開催された体験入学会では、中学生がLEGOロボットの制御を体験した。「幼いころから慣れ親しんでいるブロックを使ってのロボットづくりとあって、参加者は手際よくロボットを組み立てていくが、プログラムをつくる段階では苦労していたようだ」と高橋教授。

 当日は、同校学生が製作した自律走行ロボット「落ちない君」も披露された。木製机にくり抜かれた穴を避けながら移動するロボットだが、動きにスピード感があり、所定の位置に停まるまでハラハラさせられる。取材時に学生が動かしているのを拝見したが、その動きを見守る学生の真剣かつ楽しそうな表情が印象的だった。この学生たちも数年前には単にロボットに興味をもった工作好きの中学生だったかもしれない。だが、サレジオで学ぶうち、進路に具体性をもち、目標を持って学び続けている。「好きの芽」を形にし、夢を膨らませることの楽しさを学生の表情が物語っているようだった。

 機械電子工学科に限らず、同校ではここ数年「サレジオ力」を教育活動の柱に据え、実践を積んできた。それは、ものづくりに必要な人間性、国際性、専門家としての実践力をバランスよく身に付けるためのカリキュラムに裏打ちされている。加えて高橋教授は、「教員のチームワークをより強め、学習効果を高めていきたい」と抱負を語り、進化するサレジオ高専を強調した。

※次回体験入学会は、11月15日(土)に開催(事前予約が必要)される。

 

 
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