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中学・高校受験:学びネット

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千葉商科大学付属高等学校

 
  特色あるプログラムが 3年で資質をレベルアップ
今春から各コースが完全共学化された千葉商科大学付属高等学校は、さまざまな教育プログラムを導入して生徒に柔軟に対応し、改良を続けることで、3年間のみの授業で大学現役進学率81.4%を実現している。考える力や心の教育、資格取得へのサポートなど特色ある取り組みを中心に取材した。

校 長: 森 久人
住 所: 〒272-0835 千葉県市川市中国分2-10-1
電 話: 047-373-2111
交 通: JR総武線「市川」駅・京成線「国府台」駅より京成バス約18分、バス停「国立病院」下車徒歩7分、北総線矢切駅徒歩20分
学生数: 919名 (2008.09.1現在)
ホームページ: http://www.hs.cuc.ac.jp/

 

特別進学クラス一期生と
プログラムの継続・改良

 校門を入るとすぐ右側に鮮やかな緑のグラウンドが広がる。2年前から採用したもっともグレードの高い人工芝で、熱を吸収しにくく、水はけのよい芝生のグラウンドは雨でも使用でき、サッカー部の活動や体育の授業に広く利用され、好評だ。

 特別進学クラス一期生が今年卒業を迎え、それぞれの第一目標とする大学へ巣立っていった。全体で81.4%もの大学現役進学率を実現する中で、進学率アップに貢献した特別プログラムは早くも分析され、それを踏まえて「良かったプログラムを継続し、さらに改良を加えたい」と遠藤行巳教頭は語る。継続するひとつは大学生チューター制度で、週に1回、文系、理系各一人の東大生が教科を教え、問題の解き方や相談にも乗るというもの。生徒は東大のレベルを身近に感じて意識面で大いに刺激を受けながら、年齢の近い現役東大生にオープンに接することができる。信頼のおけるチューターに相談もできるので、モチベーションが高くなるという。

 夏期講座と2年生向けの勉強合宿も継続が決まった。大手予備校の講師が行う夏期講座は受験向けの内容だが、わかる喜びを生徒に楽しく感じさせ、活気ある講座になっている。勉強合宿はホテルのフロアを借り切っての講習で、夜は教師や、時にはチューター、予備校講師も来て自習をみてもらえ、生徒にとって手厚い内容になっている。

 改良と導入を考えているのは「個人でレベルアップできるシステム」。休日に生徒が自主的に勉強してレベルアップを図れるように、生徒の意欲、勉強量などを把握して、アドバイスや指導につなげられるシステム作りだ。「生徒一人ひとりの違いを見つけ、苦手を救い上げて弱点を克服できるようにし、特定の教員だけでなく、学校全体で生徒を後押ししたい」と遠藤教頭は意欲的だ。人数が少ない特別進学クラスだからこそ、できることでもある。一期生の進路は幅広かったが、二期、三期生は知的好奇心も成績レベルもまとまって上がってきており、次の結果が楽しみである。

クエストエデュケーション
全国大会出場の快挙

 昨年、総合学習の一環として1年生を対象に導入した「クエストエデュケーション」は、現実社会から生きる力を学び、問題発見能力、問題解決能力、プレゼン能力を向上させて、自分を高める学習プログラムである。いろいろな企業のバックアップにより全国大会が開催されており、昨年は応募が全国から1,500あまり、全国大会へは48チームが出場した。そのうち1チームが、本校1年生進学クラスの男子4人からなるグループで、ANAの「航空会社だからできる社会貢献活動」をテーマに選んだ。

 同校チームは「飛行機からザクロの種と水を撒き、砂漠を緑化する。できたザクロをジュースにして機内食に出す。ザクロの成分には美肌効果がある」という内容で、環境問題と健康・美容問題を同時に取り入れた点が評価された。全国大会当日はパワーポイントを使って、ANA 企業の前でプレゼンテーションを行った。

 「導入1年目で全国大会に出場できたことは学校としても快挙であり、しかも2年生が多い中での1年生の全国大会進出は、生徒の大きな自信になった」と遠藤教頭。今後は2年生にも対象を広げるという。

 一方、豊かな心を育むために、千葉県で初めて導入した「エゴグラム」は、10年以上も続けられている。性格診断を年度の最初と最後に行って成長を見るとともに、ホームルームやグループ体験学習で実践する。また、教室に備え付けのチェックシートで気軽にチェックできるので、伸ばしたい項目を意識付けして自分を高める効果があるという。大学進学に関しては、「ここを伸ばすといい」という項目もあるので、意欲や自立心の向上に役立っている。ただ成績向上だけではなく、生徒を「大学でリーダー的存在になり、活躍する人材として巣立たせたい」という同校の思いが実を結んでいるようだ。

商業科も共学スタート
大学進学と資格のW取得を

 普通科の共学化は6年で地域に根を下ろし、ただひとつ男子のみであった商業科も「商業を学びたい」女子の要望に応えて今年から共学に踏み切った。全国的に「商業科」名称は減る傾向にあるが、本校は逆に「名前を変えない“商業科”はわかりやすいので、受験生が落ち着いて志望してくる」という。今年は定員40名のところ62人の入学があり、うち女子は16人であった。

 商業科では、資格取得と大学進学のW合格を目指している。簿記資格取得の新たな取り組みとして、千葉商科大学と連携した「SA(スチューデント アシスタント)」という、簿記検定試験のバックアップを企画している。これは特別進学クラスのチューター制度に似た仕組みで、大学から許可をもらい、企画の最終的な詰めをしている段階だ。「実学」の伝統を育み続けた千葉商科大学は、簿記の全国大会でも昨年優勝しており、魅力あるプログラムが期待できる。

 「流行を追うのではなく、生徒にとってプラスになるものを見極めて取り入れるようにしています。ただ、生徒に迎合するだけの企画は必要ない」と言い切る遠藤教頭。学校説明会でも、そのつどアンケートをとって分析し、翌週の説明会に向けて改善点を探るという。常に情報収集、分析し、改善点を探るスピーディーで柔軟な対応が、生徒にまっすぐ向けられているのが、同校の強みと言えるだろう。これからも改善が続く同校の今後が注目される。

 
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