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中学・高校受験:学びネット

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春日部共栄中学・高等学校

 
  本物に触れる先進の英語教育― 「K−SEP」発表会開催 ―
海賊に扮してステージに登場した生徒たちが、観客席からの声援に応え、元気いっぱいのアクションを熱演する。聞こえてくる台詞はすべて英語だ。7月18日、春日部共栄中学校で中学3年生による「K−SEP(Kyoei Summer English Program)」発表会が催された。プログラムは歌や英語劇、短編映画など。すべて生徒たちが、アメリカ人大学生の指導のもとに企画・制作したものだ。そしてこの日、何度も練習した成果を、大勢の観客の前で披露した。

校 長: 矢口 秀樹
住 所: 〒344-0037 埼玉県春日部市上大増新田213
電 話: 048-737-7611
交 通: 東武伊勢崎線「春日部」駅西口よりスクールバス約10分
学生数: 中学校  365名
高等学校 1,787名 (2007.9.1現在)
ホームページ: http://www.k-kyoei.ed.jp

 

英語漬けの9日間

「世界のリーダー育成」を教育目標に掲げる春日部中学校は、2003年度の開校以来、「ダイナミックな学びと実体験を重んじた教育」をコンセプトに、多彩な最先端体験プログラムを展開している。

毎年夏休み前に実施される「K−SEP」プログラムもそのひとつだ。これは、アメリカから招いた大学生が3年生に英語で授業したり、一緒にスポーツを楽しんだり、校内外で活動を共にするもの。最終日の発表会では、生徒が英語でプレゼンテーションする。

3回目を迎えた今年は、男女合わせて8名の大学生が来日。7月10日から「K−SEP」が始まった。

3年生はすでに、他の教科の1学期の授業をすべて終了しているため、この日からはすべて「K−SEP」の時間となる。休み時間以外は日本語禁止。英語漬けの毎日だ。

1日目は、ウェルカムパーティの後、春日部市内にある大凧会館へ行き、アメリカの大学生らと一緒に凧づくりに挑戦した。

2日目からは、最終日のプレゼンに向けて準備が始まる。プレゼンのテーマは大学生の専門分野に応じて設定され、生徒は自分の希望するテーマを選び、10数名ずつのグループに分かれる。

今年のテーマは、「Year Book」「Drama」「Music」「Film」「Cartooning」の5つ。「Year Book」は、自分たちのアルバムづくり。「Drama」は英語劇。「Music」は演奏やミュージックビデオの制作。「Film」はショートフィルムやドキュメンタリーを、「Cartooning」は漫画作品をつくる。

昨年までは、「K−SEP」の期間が2週間だったが、今年は9日間しかない。その間にアイデアをまとめて作品を仕上げ、さらにプレゼンの練習をしなければならない。しかも大学生からの指導はすべて英語である。生徒たちは休日の第2土曜日も登校し、懸命に準備に取り組んだ。

急展開の英語劇に拍手喝采

発表会当日、会場となったホールには3年生のほか、2年生と教職員、保護者らが集まった。

開会式で宇野禎弘教頭は「君たちは入学して以来、さまざまな教育活動の中で何度も人前で発表する経験を積んできた。今日もしっかり前を向き、堂々と発表してもらいたい」と激励した。

プレゼンテーションの最初は「Year Book」グループ。指導者のシッド先生がプロジェクターを操作し、ステージ正面に設置された大きなスクリーンに生徒が作成したアルバムを1ページずつ映し出す。横に一列に並んだ生徒たちは、順番に英語で写真の説明をする。学校生活の思い出となるスナップ写真が多い。観客席の2年生は、一年後の自分たちの姿を思い描きながら、説明に真剣に耳を傾けていた。

「Music」では、2つのグループが登場した。

最初のグループはミュージックビデオを作成。男子による「Stand By Me」の歌声をバックに、最初は敵対していた男子たちが友情を深めていく姿を描いている。歌声や演技、撮影、編集にいたるまで、すべて生徒がつくったものだ。

もうひとつのグループはライブ演奏。ステージにドラムやキーボード、ギターが用意され、メンバーが準備する。担当のシンシア先生が各パートを紹介した後、演奏が開始された。ヴォーカリストは男子と女子1人ずつ。マイクを手に「SUNDAY MORNING」を熱唱する。息のあった演奏と歌声に、観客席から大きな拍手が送られた。

「Drama」は、ファッションショーのシーンから始まった。生徒たちは思い思いの衣装を身につけ、舞台を歩く。女子の制服を着た男子が舞台正面でポーズを決めると、会場は笑いの渦となった。担当のローレン先生も白いドレス姿で登場。このままファッションショーが続くかと思われたときに、舞台の袖から、赤いバンダナを頭に巻いた海賊たちが現われ、生徒らに襲いかかる。舞台は一転して乱闘へと急展開。海賊は剣を振るい、生徒はモップで応戦する。その立ち回りの見事さに会場からは拍手喝采。この日一番の盛り上がりを見せた。

この後にプレゼンした「Film」や「Cartooning」グループも力作が揃い、最後まで見応え十分の発表会となった。

全プログラム終了後、3年生全員が舞台に勢揃いし、お世話になったアメリカ人の先生たちに、お礼の歌をプレゼント。感謝の気持ちを込めて「旅立ちの日に」を歌った。

発表会を終えて宇野教頭は、「期間が短かったので、正直なところ不安でしたが、予想していた以上のできばえでした」と目を細めた。

中学英語の集大成、語学武者修行

世界のリーダーをめざす生徒にとって、「地球言語」としての英語は必要不可欠なスキルである。

同校では、国際標準の英語力を養うために、授業以外に毎朝10分間の英語リスニングタイムを設けたり、暗誦コンテストを実施するなど、常に英語を身近に感じられる環境を整えてきた。生徒が「K−SEP」に主体的・積極的に参加できるのも、そうした積み重ねによると思われる。

さらに昨年度からは、中学3年の2月から3月にかけて、4週間の海外研修を実施している。行き先はカナダのオンタリオ州・バリー市。トロントから北へ、車で1時間ほどの距離にある。現地の家庭にホームステイし、地元の公立中学校で授業を受ける。第1回目の今年は、中学3年の約三分の一が参加した。今年度の入学生からは、修学旅行として位置づけられ、全員が参加する。

「日本人が誰もいない小さな街を選びました。英語を話さざるを得ない環境ですから、英会話の力が大きく伸びました」と宇野教頭。

また、中学3年という早い段階で経験する4週間の海外生活は、英語以外にも得るものが多いようだ。 

保護者からは、「進んで家の手伝いをするようになった」「以前と比べて、親と話しをするようになった」「感謝の気持ちが芽生えてきたようで、小さなことに対しても『ありがとう』と言うようになった」などの声が寄せられている。

生徒たちは、当然のことながら「楽しかった」と口を揃える。自信がつき積極的になったという。なかには海外の大学進学を希望する生徒も現われ始めた。

中学1年から鍛え上げてきた英語力を実地に試す語学研修。全員参加となり、春日部共栄中学校の英語教育がさらに進化を遂げるだろう。

 
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