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中学・高校受験:学びネット

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高野山高等学校

 
  「京都大学文系特別進学コース」公開授業・学校説明会開催
昨年度、高野山高等学校は京都大学進学をトップターゲットとした「京都大学文系特別進学コース」を開設。合格保証を前面に打ち出し、大きな反響を呼んだ。
その公開授業と学校説明会が7月9日(土)、高野山大学の高等学校教室において、受験生やその保護者・学習塾関係者らを集めて開催された。各教科の授業はいずれもポイントを押さえながらスピーディに進められ、見学者にそのレベルの高さを印象づけた。。

校 長: 添田 隆昭
住 所: 〒648-0288 和歌山県伊都郡高野町212
電 話: 0736-56-2204
交 通: 南海高野線「極楽橋」駅よりケーブルカー利用「高野山」駅下車
「高野山」駅よりバス ・「一の橋」行きまたは「奥の院」行き「千手院」下車徒歩20分・「大門」行き「本山前」下車徒歩15分、「高校前」下車徒歩2分
学生数: 339名 (2005.9.1現在)
ホームページ: http://www.koyasan-h.ed.jp/

 

特別講師陣が「合格力」を鍛錬

 同コースは「合格保証指導」を掲げ、3年間の授業料は目標大学に合格した場合にのみ、卒業時に一括納入するシステムをとっている。
そのため生徒を確実に合格へと導く万全の指導体制が敷かれている。
まず普通高校の約2.5倍にも上る授業時間数を確保。高校2年次で高校の学習内容を終了し、3年次は徹底した受験指導を行う。
3年間を通して基本カリキュラムは、午前中に通常授業。午後からは、1コマ90分の「受験対策指導」となる。これは受験に直結した演習講義で、国語や数学は週に2講義ずつ、英語は週に4講義を設定。その指導に当たるのが、大学入試を知り尽くした特別講師陣だ。瀧山敏郎氏(英語)を中心に、大手予備校で活躍中の講師によって構成されている。
同コースの教室は、勉学に集中できるように高野山大学の中に設けられており、現在は2年生14名と1年生5名が学ぶ。
今回の公開授業では、1年生の古典と日本史、2年生では日本史と英語の全4授業が披露された。

自分の言葉で説明せよ 【日本史】

 2年生の最初の授業は、乙部恵理子氏による日本史。乙部氏は現在、関西圏の学校内予備校の社会科特別講師として活躍中。快活なテンポで切れのある授業が人気を集めている。
今回の授業テーマは「平安は平安ではない ―― 律令体制の崩壊と武士の起こりをしっかりGET!」。
大和王朝時代からの土地制度の変化をまとめたプリントが配布され、これに沿って授業が進められた。歴史的事象を多面的にとらえるために、授業は時系列の流れを追うだけでなく、史料の解説も交えながら縦横へと広がる。
授業のスピードは速い。次々と生徒に質問を投げかけ、要点を押さえさせる。例えば、西暦723年に発布された「三世一身の法」について。まず1人の生徒に、自分の言葉で内容を説明させる。その生徒が「三世」と「一身」の違いを明確にできないと、別の生徒に補足させる。さらに当時の土地開墾の様子をイメージできるよう解説を加え、次の「墾田永年私財法」へと話を進める。この間はほんの数分。また、要所要所で大学入試の出題傾向にも言及。生徒たちは真剣な面持ちで授業に集中しメモをとる。
豊富な知識のうえに入試に精通したプロ講師ならではの、生徒を引きつける授業が展開された。

覚えれば、できる 【英語】

続いて瀧山敏郎氏による英語の授業。瀧山氏は、東進ハイスクールや代々木ゼミナール・ECC予備校などで受験英語講師を歴任。受験関係の著書も数多い。
今回の課題は「Conjunction(接続詞)」。最初に、入試問題を解くうえで接続詞の理解が不可欠であることを説明。学習に対するモチベーションを高めた。
授業は、瀧山氏が作成した演習問題のプリントに沿って進められた。「この演習問題には高3レベルの例文を使用している」と告げ、「今ごろ高2レベルでは遅い!」と生徒たちにカツを入れる。
  演習形式で、「such that」や「so (that) may」など接続詞の用法を、入試問題と関連づけながら次々と解説。同時に、確実に覚えなければならない箇所をピックアップしていく。
瀧山氏は「英語は覚えればできる。できないのは、怠けているから」と言い切る。その気迫に、一瞬、生徒たちの背筋が伸びる。
精選された例文と実践的で分かりやすい解説。気合の入った授業に、生徒ばかりでなく見学者までが引き込まれるように聞き入っていた。

1年間で大幅に成績アップ

 公開授業終了後に学校説明会が開かれ、岡本弥久教頭より学校生活の様子や成績が紹介された。
同コースの生徒は、地元出身の1名をのぞいて全員が寮生活。男女とも本校寄宿舎とは別の寮が用意され、自主学習の時間帯が定められている。曜日によっては特別講師が宿泊し、学習指導にあたる。恵まれた環境で、生徒たちは意欲的に学習に取り組んでいるという。
  現在高校2年の第1期生は、着実に成績を伸ばしている。昨年5月に実施された「河合塾全統模試」では、平均偏差値は51.5であった。しかし、1年後の今年5月には57.3にまでアップしている。なかには、51.8から66.5へと大きく伸びた生徒もいる。
ただし、個々の伸び率にばらつきが見られ、教科ごとに学力差が生じているという。その対策について岡本教頭は「第1期生に関しては、到達度別授業も検討中です」と述べた。
今春の入試では入学後の伸び方も考慮に入れ、あえて合格者を5名にとどめたが、来年度入試は20名を募集する。
現在、同コースが対象としているのは、偏差値50台の生徒たち。「中学3年時点の学力で人生のコースを限定してしまうのは早すぎる」という思いからだ。岡本教頭は「志を高くもち、懸命に努力する生徒を責任もって伸ばしていきます」と締めくくった。

可能性に挑戦できる生徒へ

高野山高等学校校長 添田 隆昭

  2004年、高野山が世界遺産に指定された記念すべき年に本コースを開設し、1年が経過いたしました。
コース名から、「勉強が厳しい」というイメージを持たれるようですが、生徒たちはリラックスして学校生活を楽しんでおります。他コースの生徒たちとの交流も生まれ、日曜日にはソフトボールの対抗試合なども行っているようです。
学習にも一生懸命に取り組み、着実に学力を高めています。しかし、生徒間に学力差が生じていることも事実です。コースとしての目標は京大ですが、最終的にはそれぞれの希望や適性に応じた大学を選択させたいと考えています。
入学後にどれだけ伸びるかは、本人の潜在的な力とそれを引き出すモチベーションの高さにかかっています。そういう意味では、1科目でも得意科目があり、自ら学ぼうとする意欲ある生徒に適したコースと言えるでしょう。本校は、自分の可能性に挑戦する生徒を歓迎し、全力で応援いたします。

 
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