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中学・高校受験:学びネット

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愛徳学園中学校・高等学校

 
  家庭的な雰囲気の中で世界へ目を向ける真の国際理解教育を実践
世界23か国で活動する愛徳カルメル修道会を創立母体とする同校は、1955年の創立以来、一貫してカトリック精神に基づく全人教育を実践してきた。命の尊厳が問われる時代にこそ、自他を思いやり、世界へ働きかけることができる女子教育を目指す。加えて、少人数制のきめ細やかな指導体制は、希望する進路の保証を確かなものにしている。

校 長: 能美 啓子
住 所: 〒655-0037 神戸市垂水区歌敷山3-6-49
電 話: 078-708-5353
交 通: JR「舞子駅」からバス「学園正門前」下車・JR「垂水駅」からバス「愛徳学園前」下車
学生数: 360名(中高) (2005.7.1現在)
ホームページ: http://www.aitokugakuen.ed.jp/

 

人間的成長が叶える
志望校合格

「力ではなく、愛によるほうがもっと多くをかち得ます」――愛徳カルメル修道会創立者・聖女ホアキナの教育方針のもと、同校は理想的な全人教育を実践し続け、昨年で50周年を迎えた。この間、阪神淡路大震災という試練を乗り越え、混迷する世界情勢に心を痛めながら、常にホアキナの教育理念、方針を忠実に貫いてきた。

国の内外で命の尊さが軽んじられる現在ほど、健全な精神をいかに育むかが強く問われる時代はないだろう。同校では自己を大切にしてこそ、隣人を大切にできるということを、様々な学習を通して体得させている。とりわけ社会的に弱い立場の人々に自分を差し出すことができる教育を実践するため、地域の養護学校や老人施設のお年寄りとの交流事業を毎年行なっている。地域社会に自分自身を還元することで、社会を変える力になり得ることを気づかせるためだ。

このようにして身につけた奉仕の精神が、やがて地域社会から国際社会へも向けられ、その活動の場を広げられるよう外国語教育をはじめ、国際理解教育にも力を注いでいる。中学校2年次からは英語以外に第2外国語としてスペイン語を必修科目として採り入れている。ネイティブスピーカーによるスペイン語の授業は中学校では珍しい。高校2年次以降は選択制になるが、興味を持って学習を続け、スペイン語を活かした職に就く生徒もいる。
国際理解教育では立場の異なる世界の人々の考え方に思いをはせ、ものごとの多面的な見方を養っている。そのひとつの取り組みとして、平和学習を兼ねた修学旅行で、例年、中学で広島、高校で長崎を訪れている。生徒たちは、原爆投下の悲惨さや、人の命の尊さに触れ、日本、アメリカ、アジア諸国、さらには世界の人々の立場に立ち「平和」について深く考え、バランスの取れたものの見方を確立していく。そのために必要な事前学習を十分に積み重ねることはもちろんだが、他者に目を向ける教育の日常的実践が、国際理解教育に大きな成果をもたらしていることは言うまでもない。
これらの地道な取り組みが、やがて生徒自身に果たすべき役割を考える動機づけとなっていく。社会へ踏み出す前の進路決定には欠くことのできないプロセスだ。「どの大学を目指すか」ではなく、「自分に与えられたタレントを社会にどう活かすか」という一義的な観点で進路を決めた生徒は、強い意思で目標に向かうことができる。能美啓子校長は「進路決定は生徒本人の希望を尊重することが何よりです。そのために教職員が必要な学力の保証に全力を尽くします」と語る。
同校ではクラブ活動や生徒会活動、各行事の実行委員などで、積極的に役割を果たし、人間的に成長を遂げた生徒が志望校合格を果たしている。この事実はまさに全人教育の成果といえるだろう。

超少人数制の
受験対策を実施

高校2年次からは志望校受験を見据えた教科別選択授業を行なう。通常の授業でも30人の少人数制をとっているが、選択制授業では教科により受講する生徒が3人、5人であっても授業を成立させる。センター入試で履修しなければならない科目が多い生徒に対しては、正規の選択授業とは別に補習授業も実施している。また、英語科では中学2年次より数学科では中学3年次より習熟度別授業を行ない、生徒各人のレベルにあった授業で学習を進める。高校2年次で全単位30単位のうち、12単位を選択授業で、高校3年次は同30単位のうち、14単位が選択授業となる。

最近の合格実績として、神戸大学、兵庫県立大学(神戸商科大学、姫路工業大学、兵庫県立看護大学)、神戸市外国語大学などの国公立大学や、慶応義塾大学、上智大学、早稲田大学、同志社大学、関西学院大学、立命館大学、関西大学ほか難関私立大学への合格者を出している。

家庭的な雰囲気の
中での実践倫理

社会の倫理観が乏しくなったといわれて久しい。マナーをわきまえる、心をこめるといったことが日常生活で置き去りにされているように感じられる。だが、同校では人として感謝の心を表すことを、日々実践していく姿勢を片時も忘れることはない。
能美校長は「愛徳では授業の始まりに、起立して教師を迎え、そして教師のためにドアを開けて差し上げなさい、と教えています」という。言葉遣い、振る舞いを常に他者の立場に立って行なうことが、自分自身の肯定につながるという考え方だ。
そして、教職員の側もたとえ授業を受け持っていなくても、全ての生徒の名前と顔を覚えているのだという。家庭的な雰囲気の中で培われる女性としての賢さ、優しさ、謙虚さ、忍耐強さは生涯の宝となって残るだろう。
卒業生が進学した大学で、言葉遣いを褒められ、当たり前と思って行なった奉仕活動が、喜びと驚きをもって受け入れられるのは、6年間の実践倫理によるものだ。そのため、同校では卒業生がその子女に同じ教育を望み、入学させるいわば“リピーター”が多い。また、卒業生から口コミで評判を聞いた保護者が入学させる例も少なくない。
こうした愛徳の家庭的なつながりは、10年前の阪神・淡路大震災の際にも大きな力を発揮した。中学校、高校の校舎と体育館が震災による被害で建て替えを余儀なくされたが、卒業生や保護者会は復興支援バザーを開くなど、新校舎建設に惜しみなく力を尽くしたという。卒業した後も、家族のような連帯意識を持って母校と関わっていけることは、ひとつの幸せに違いない。

躾とは言葉による指導だけで成果を上げられるものではない。指導を謙虚に受け入れられる環境づくりが不可欠だ。同校を訪問して気づかされたのは、気高く凛とした空気であるということだ。手入れが行き届き生き生きとした鉢植えの数々、磨きぬかれた廊下、部屋の隅々まで行き届いた掃除。そういった環境の中でこそ、言葉による指導が生かされて行くのだろう。

 
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