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中学・高校受験:学びネット

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報徳学園中学校・高等学校

 
  世界で活躍するリーダーを育てたい
男子校104年目の新たな決意
硬式野球、サッカー、バスケットボール、ラグビー。毎年、全国レベルのスポーツ大会で活躍し、その名を轟かせている報徳学園。強豪運動部があまりに有名だが、実はここ10年、進学面でも目覚ましい成績をあげている。2003年に新設した6年制中高一貫コースからは、現役で東大、京大への合格者も出ているほど。今春も60名が国公立大へ進学している。明治以来の伝統的な人間形成をもとに、あくまでも男子校にこだわった教育。104年目を迎えた報徳学園の姿を取材した。

校 長: 住友 正博
住 所: 〒663-8003 西宮市上大市5丁目28-19
電 話: 0798-51-3021
交 通: 阪急今津線「甲東園」駅下車20分
学生数: 中学校 334名
高等学校 1,239名 (2015.7.1現在)
ホームページ: http://www.hotoku.ac.jp

 

全教室に電子黒板を導入
授業の本格的ICT化を推進中

 阪急甲東園。駅を降りて静かな住宅街を歩いていく。西宮の一等地だけあって悠々とした豪邸が多い。見えてきたのは武庫川沿いの白亜の校舎。校門を入ると噴水が迎えてくれる。創立100周年を超す男子校と聞いて男らしい質実剛健な校風を想像していたが、報徳学園は実に開放的だ。太陽光をふんだんに取り入れた吹き抜けの校舎が明るい。

 104年目を迎えた報徳学園では、今春、全教室に電子黒板機能付きのプロジェクターを設置。本格的に授業のICT化へ乗り出した。取材に応じてくれた住友正博校長は話す。

 「これからは勉強への取組みが根本から変わると思います。今までは記憶型授業が大半でしたが、今後はアクティブラーニングが必須。グループで討議し、生徒自身がテーマを設定し課題を解決していく授業になります」。2020年から大きく変わる大学入試を見据えての動きだ。クラブ活動や体育の授業の場であるグラウンドも全面人工芝に張り替えた。野球部員に聞くと「練習しやすい」とのこと。雨が降ってもアッと言う間に水がはけるし、地面の異常高温による熱中症予防の材質が使われているので快適だという。

東大、京大現役合格者も輩出
中高一貫コースをより
アクティブに

 2003年には中高一貫コースを開設。これまで東大、京大、阪大、神大、北大などトップ校への進学者を輩出している。週38時間という授業数を利用して徹底的に学習量を増やし、基礎学力をあげる方針を採ってきたおかげだ。毎朝、5教科の早朝テストを実施。理解が不十分と判断されると放課後の補習で徹底的に指導を行い、問題が理解できるまで学校に残る。また、土曜日は「学習DAY」として、英数国の4時間連続授業を実施している。

 進学校として順調に実績を重ねているが、校長は反省の弁も忘れていない。

 「これまでは進路実績を求めるあまり、学校側が生徒を引っ張っていくという風潮が強かったんです。しかし、今後は生徒自身がやってみたい!という気持ちが何よりも必要。お仕着せではなく、テーマを求め探って達成感を味わう。こういう仕組みをこれからは学校生活の中にたくさん作っていきたいんです」

 中高一貫には、東大などの最難関大学を目指す「U進コース」と国公立・有名私大を目指す「T進コース」がある。今後は、意欲のある生徒は入学後もU進へ編入できるよう指導を見直したいとのことだ。

 「これまでもコース変更をする生徒はいましたが、ごく少数でした。入学後に刺激を受け成績が上昇する生徒も少なくない。そういう生徒には意欲に応じて、どんどん上へ行けるような仕組みにしたいですね」

男子校として社会貢献のできる
人材育成を

 報徳学園は、1911(明治44)年に二宮尊徳の報徳思想を基盤として開学。校訓に掲げる「以徳報徳」とは、人や物の長所を尊重し、自分の徳を捧げるとの意味だ。

 「いま男女別学校が減っていますが、本校はあくまでも百年の歴史を有する男子校として社会貢献できる人材を育成したいと思っています」

 「今の世の中、男女平等はもちろんですが」と前置きをして校長は話しを続ける。
「男性ですから在校中だけでなく、何歳になっても信頼され、関わるコミュニティで必要とされる人物でいてほしい。一生を見据えた人間教育が、これからますます大切になっていくと思っています」

 そういったリーダー育成の意味も込めて、U進コースは、2年生で国際交流合宿を行うのが伝統だ。3ヵ月前から準備して京都の地理や歴史を自ら調査。現地で外国人留学生に英語でガイドを行う。直前には、プロの通訳ガイドの指導を受け、言い回しなどをブラッシュアップ。このプログラムでは英語力向上だけでなく、生徒自身が日本文化に関心を抱くきっかけ作りも担っている。

 「大人になって活躍の場が世界へと広がっていくことも期待したいですね。」

 2年生の終りからは、ベネッセの「GTEC for STUDENTS」という英語の試験を受験。この試験は英文読解だけでなく、リスニングと英作文も多く含まれており、表現力も問われる内容になっている。2014年7月に実施したGTECでは、中3U進コースの平均点が469になった。これは全国の高3の平均値461をも上回る数字だ。

 また高1の春休みには、セブ島の語学学校での語学研修を予定している。期間は2週間。午前中はプライベートレッスン、午後はグループレッスンで集中的に英語を身につけている。

 毎年春と夏には「学習合宿」も行う。英数国を中心にレベルの異なる4、5段階のクラスを編成。苦手科目は弱点を補強し、得員科目に関してはさらに高度な内容に挑む。神戸のホテルや京都の寺院で開催される合宿には、卒業生も東大生や京大生もチューターとして駆けつけてくれる。東大に進学したOBは、合宿のためにわざわざ帰省して参加してくれた。

 「生徒たちは教師よりOBの話を熱心に聞いています。あのときの先輩のひと言に励まされた。忘れられない」。そんな声が多いという。

 取材後、校舎の窓からグラウンドを見ると、人工芝の上を色鮮やかなユニフォーム姿が所狭しと走り回っていた。校庭を取り囲んでいるのは色鮮やかな花々。聞けば「園芸部員が育てているんですよ」とのこと。運動部だけでなく、実は文化部も活動は盛んだ。理科研究部は毎夏、全国遠征としてフィールドワークを行っている。良い意味での文武両道が、しっかりと根付いていると感じた。

 
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