学びの中で世界を身近に感じる
座談会参加者
高校3年 岩崎 里佳子さん
高校2年 柳 薫杏さん
高校1年 奥田 夏生さん
校長 平沢 真人 先生
司会 教頭 斎藤 直美 先生
── 最初に校長から、海外研修の目的をお話しください。
校長 聖母被昇天は世界30カ国以上にネットワークを持つ学院で、フィリピンの姉妹校生徒の受け入れと派遣行事は20年以上続く伝統行事となっています。本部のあるパリの市内観光や創立者の足跡を辿るフランス研修でも、ボルドー校の生徒との交流を深めています。一人ひとりが自分の持つ使命を見出し、社会に貢献する女性を育成することを教育目標においており、日本のみならず海外にもその視野を広げ、体験の中から自分を見つめ、磨いて欲しいと思っています。今年からはアメリカのボストン近郊にあるアサンプションカレッジでの語学研修プログラムを小中高生対象に実践することにしました。
── では生徒の皆さんに自己紹介をお願いします。
岩崎 高2の時にフィリピンからの研修生のホームステイを引き受け、同じ年に私もフィリピン研修に参加しました。
柳 高校1年でフィリピン研修に参加し、今年の4月には海外研修生を我が家で受け入れ、5月にはフランス研修に参加しました。
奥田 海外研修は未経験ですが、今年の8月に初めて実施されるアメリカ語学研修に参加予定です。
── ホームステイをするきっかけになったことは。
岩崎 聖母被昇天学院では、海外からの研修生の歓迎セレモニーなどがあり、それを見ていてこの学院で学んでいる以上はぜひ参加してみたいと感じました。受け入れた生徒がとても良い人で、私自身が今度はフィリピンに渡った時にその生徒の家にホームステイすることができ感激でした。
柳 私は中学1年の時に英語の授業で行われた『メール交換による国際交流』で、フィリピンの生徒と知り合いました。その後、私が先にフィリピンに行って、そこで初めて出会い、今度は彼女が日本に来たときに再会しました。こういうつながりは本当に嬉しいです。
── 海外研修で感じたことは何ですか。
岩崎 フィリピンの学校はとてもフレンドリーな人ばかりで、人の心の温かさを感じることができました。帰国してからはフィリピンであったことや感じたことなどを周囲の友人にたくさん伝えて、自分たちもあんな風に優しくなりたいと皆で話し合っています。
柳 フランス研修のスクールデイでは、生徒の皆さんが話しかけてくださったり、小学生から握手を求められたり、すごく嬉しかったですね。また、ボルドーは街全体が世界遺産で、特に教会はゴシック建築の高い天井や張り巡らされたステンドグラスなど、日本とは異なる荘厳さに感動しました。
── 奥田さんはアメリカ研修がこれからですね。
奥田 はい、交流だけでなく、文化を肌で感じ、英語がどれだけ通じるのか自分のレベルを知りたいです。先輩方はどんな風に海外の生徒と仲良くなったんですか。
柳 好きなアーティストが共通していたりすると盛り上がりますね。あと、科学の授業でポップコーンを作って、それをみんなでこっそり食べたり。すごく楽しかったですよ。
奥田 研修がますます楽しみになりました。 |
|
国際交流を深め
いずれは海外と日本をつなぐ橋に
── 外国語の授業は好きですか。
岩崎 聖母被昇天学院では小学1年から英語の授業がありますから、英語を使うことは自然に好きになりました。高校の英語授業は難しくて大変ですが。
柳 英語に加え、高校からはフランス語も必修になります。実際にフランスに行って分かりましたが、会話は難しいですよ。
奥田 フランス語の授業は私も春から始まりました。アクセントが無く、世界一美しい言語だと先生に教わり、今習うのがとても楽しいです。
岩崎 英語の様々な検定試験もありますが、フランス語も世界に通じる検定があるんです。私、受験したんですが問題も全部フランス語なんですよ。とても難しいですが、英語と同じ綴りなのに発音がこんなに違うのか、とか色々な発見があり、フランス語を習って良かったと感じています。
── 語学を学んでいる内に、海外研修にも参加しようと思ったのですか。
岩崎 はい。でも研修参加の応募が多い時は選抜があるので、選ばれるように頑張りました。
校長 選抜には健康なことや規律を守れること、ある程度の語学力、志望理由の作文にどれだけ研修への意気込みがあるかで決まります。岩崎さんや柳さんの時は希望者が多く、厳しかったと思いますよ。
柳 フランス研修は隔年でしか行われないので、私の在学中にはたった一度しかチャンスが無いんです。だからどうしても行きたくて努力しました。
奥田 私の場合、アメリカ研修は今年からなので、応募生も競争率が激化するほどではありませんでした。ただ、小学生から高校生まで異学年で参加するため、最高学年となる私たち高校1年が引っ張っていけるかが心配です。周囲のことにも気を配りながら考えていきたいと思っています。
校長 それを考えることも今回の研修の目的です。中高生時代に異年齢の人間関係を経験するのは、今後の社会できっと役に立つことでしょう。
── では、最後に皆さんの今後の目標や夢を聞かせてください。
岩崎 フィリピンって日本ではあまり知られていないじゃないですか。実際に行くと、人がとても優しかったり、道の渋滞が凄かったり、食事やお菓子がとても美味しいことなどを知って、地図上の国でしかなかったフィリピンをとても身近に感じました。そんなことを広く日本に伝えるような世界とつながる職業に就きたいです。
柳 英語やフランス語を勉強した後、それを実際に使って心が通じ合う楽しさを知りました。もっと勉強して、日本と世界をつなぐ位置に立つ職業に就きたいですね。
奥田 小学校からずっと英語を習ってきたので、やはり英語を使って外国と接することのできる仕事をしてみたいです。まだ海外研修経験はありませんが、フランスやフィリピンから来た研修生の皆さんに、海外の人と会話する楽しさを教えてもらったので、これからも外国語を頑張って学びたいです。
校長 語学を学び、英語やフランス語の会話ができるようになることはすばらしいことです。言葉はあくまでも一つのツール。その語学力を使って自分には何ができるのか、どういう形で世界に貢献できるのか、それを考えて欲しい。言葉の背景には様々な各国の歴史や環境があります。それを直接感じられる研修での経験を、ぜひ将来の目標につないでください。
── 皆さんの夢が叶うように願っています。 |
|