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中学・高校受験:学びネット

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大阪国際滝井高等学校

 
  心も育てる確かなキャリア教育
 
生徒のやる気を引き出す「エンカレッジ」講座、日本の伝統を心のレベルから学ぶ「日本文化」の授業、大学でも受講する「垂直連携」講座。大阪国際滝井高等学校は「人間教育」と「実践的な女子教育」の両面から、新しい取り組みを次々と開始している。その特色ある教育内容が受験生の人気を集め、今年度は募集定員を超える260名が入学した。来年度は「チャイルドケア」コースも新設。キャリア教育がさらに充実する。

校 長: 奥田 吾朗
住 所: 〒570-0062 大阪府守口市馬場町2-8-24
電 話: 06-6996-5691
交 通: 京阪本線「滝井」より徒歩5分、地下鉄谷町線「太子橋今市」より徒歩8分
学生数: 563名 (2004.9.1現在)
ホームページ: http://www.takii-h.oiu.ed.jp/

 

入学時から描ける未来像

 昨年度、同校校長に学校法人「大阪国際学園」の奥田吾朗理事長が就任。奥田校長は36歳の若さで、理事長と校長を兼任することとなった。「現場で感じたことを、率直にわかりやすい言葉で伝えたい」と言う。就任挨拶では教師陣に対して「危機感を持ち、やればできるという信念で教育指導にあたってもらいたい」と要望した。
同校の位置する守口市は大阪市東部に隣接。門真市など周辺地域も含めて少子化が一段と進んでいる。女子校人気の下降と相まって、同校も志望者数の減少傾向が続いていた。「教育内容には自信がありましたが、これまではアピール不足でした」。
そこでまず、子どもの視点に立ち、各コースの内容や魅力をわかりやすく表現したパンフレットを作成した。「本校の特色は、併設の大阪国際大学や短期大学部と連携し、進路の希望を叶えられるシステムです」。
  コースごとに大学や短大進学も含めた進路の可能性を明示。生徒が入学した時点から、未来像を描けるように工夫された。その結果、目標をもった多くの生徒が受験。今春の入学者は昨年を大幅に上回った。

垂直連携講座

 同校は「国際科」と「普通科」の2学科を設置している。
「国際科」は実践的な英語力を養い、世界で活躍できる国際人の育成をめざす。全員が2年次にカナダで3週間のホームステイを体験。希望者には、半年または1年のオーストラリア留学プログラムも用意されている。飯田昌弘副校長は「今年は、長期留学を目的とした専願受験者が増えました」。教育内容をアピールできた成果と言う。
一方、普通科には3つのコースが設けられている。国公立大学や難関私立大学をめざす「エクセレント(特進)」、主に大阪国際大学や同短期大学部に進学する「アカデミック(標準)」、看護系への進学を目標とする「ナーシング」。これに加えて来年度は、保育士や幼稚園教諭をめざす「チャイルドケア」コースが新設される。
「アカデミック」コースは、2年次で「情報」「人間科学」「生活文化・栄養士」「国際文化」の4つの「系」に分かれ、授業を選択。3年次では、系別選択をさらに発展させた「垂直連携講座」が始まる。これはアカデミックコースの生徒全員が大阪国際大学の科目等履修生となって、週1日4時間、大学の授業を受講するもの。前・後期制で、前期は同校で、後期は大学の守口キャンパスで受講する。考査により取得した単位は、大学の卒業単位として認められる。
「クラスの中には専門学校に進んだり、就職する生徒もいますが、大学とはどういうところかを体験できる、良い機会になると思います」と飯田副校長。
  来年度に新設される「チャイルドケア」コースは、大阪国際大学短期大学部の「幼児保育学科」に無試験で進学できる、5ヵ年一貫教育。高校での授業も「音楽リズム」や「キッズイングリッシュ」等、実践的に学べる。中でも「児童文化」の授業では、折り紙・紙芝居・手品・指人形など、楽しみながら幼児教育に必要なスキルを身につけることができる。なお、「アカデミック」と同様、垂直連携講座も用意されている。

茶道・華道・着付け・写本

 同校では「心の教育」にも力を入れている。奥田校長は生徒に対して常に「自分の感情や感性に敏感であれ」と語る。自分の心の動きを深く知らなければ、他人をも理解できないからだ。また「躾やマナーを形式ではなく、心の中から湧き上がるものとしてとらえさせたい」とも。
「例えば、優れた演奏を聞いたとき、生徒たちは自然に拍手しています。演奏を素晴らしいと感じる心が相手への尊敬や感謝を生み、拍手となって表れたのです」。
今年度からスタートした「日本文化」の授業は、豊かな感性を育むことを目的としている。プログラムは、茶道・華道・着付け・写本の4種類。和室の入り方から靴の置き方、挨拶の仕方まで、丁寧に指導している。「普段は活発な生徒たちも、日本文化の奥深さに触れるせいか、姿勢を正し物静かな雰囲気です」と奥田校長は笑みを浮かべる。

自立心・対人関係能力・創造力

「エンカレッジ」講座も、今年度から開始した「心の教育」のひとつだ。「エンカレッジ」教育とは、生徒を元気づけ、やる気を引き出す教育手法で、アメリカではすでに中学・高校教育で広く浸透しているという。日本では、2002年度に大阪国際大学が「エンカレッジセンター」を設立。大学の授業に取り入れ、大きな成果を上げている。
「受講した学生は、就職活動でも粘り強く会社訪問を重ね、次々と内定を取り付けています」。
「エンカレッジ」教育は、困難にぶつかっても決して諦めず、前へ進む心を育てる。奥田校長はかねてより、大学生よりももっと早い段階から取り入れたいと考えていた。
  講座は「総合的学習の時間」に外部から招いた講師が指導している。例えば「携帯電話を買う」というような身近な事柄をテーマに、「なぜこの機種を購入したのか」、宣伝に引かれたとすれば「どこがポイントだったのか」「自分であれば、どう宣伝するか」と考えを深めて行く。その上で仲間と協力し、ひとつの答えにまとめる。さらにクラスのメンバー全員の共感を得られるように説明する。その過程で、一人ひとりの意見は尊重され、より高次なものへと統合される。
「自分の周りに課題を見つけ、ホップ・ステップ・ジャンプの要領で解決する訓練を積みます」。回を重ねるごとに「自立心」「対人関係能力」「創造力」を高めていく。将来的には同校教師が講座を担当する予定だ。「いわば日常的にエンカレッジしている教師が手法を身につければ、より大きな効果を期待できます」。
  奥田校長は「今後も、生徒の生涯にわたって役立つような教育に、力を入れていきます」と力強く語った。

 
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