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中学・高校受験:学びネット

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龍谷大学付属平安中学校・高等学校

 
  「こころの教育」の充実とコースコンセプトを明確化
新生・平安の船出が始まる
燧土勝徳氏が新校長に就任した今年を、改革元年として新たなスタートを切った龍谷大学付属平安中学校・高等学校。従来の3コース制の目標をより一層明確化し、特に難関有名大学を目指すプログレスコースでは、外部受験を推奨。生徒たちは、より一層の集中とモチベーションの上昇が必須とされるようになった。また、「こころの教育」は仏教精神を基盤に、「ことば・じかん・いのちを大切にする」というわかりやすい言葉で宗育を促して、こころ・からだ・ちせいを総合的に成長させることを目標とする。136年の歴史ある学校の不易と流行とは。

校 長: 燧土 勝徳
住 所: 〒600-8267 京都府京都市下京区御器屋町30
電 話: 075-361-4231(代)
交 通: 京都駅前より市バス・JRバス5分、近鉄東寺前より市バス10分、阪急・京福四条大宮より市バス・JRバス5分、京阪七条より市バス10分いずれも七条大宮下車/JR山陰本線(嵯峨野線)丹波口駅より徒歩10分
学生数: 中学校 150名
高等学校 1,429名 (2012.7.1現在)
ホームページ: http://www.heian.ed.jp/

 

仏教精神をもとにした
『三つの大切』でこころの教育を

 京都駅から徒歩15分、バスでも5〜6分下車すぐという立地の良さは通学生にとっては何者にも代えがたいものだ。登校時、校門から正面に見える講堂のお内仏に向って一礼をする生徒たち。髪の刈上げ痕も初々しい男子生徒や元気な女子生徒が、次々と一礼してHRに急ぐ姿が清々しい。それが、龍谷大学付属平安中学校・高等学校の朝の風景である。

 今年度より新校長に就任した燧土勝徳氏は、自身も平安高校の出身であり現場指導から教頭、副校長を経てきた、平安の歴史の一端を担う人物だ。生徒たちと先生の距離の近さを示すシンボリックなオープンスペースの職員室(わからないことがあればいつでも教科の先生に質問できる場)は同校の特徴だが、そこに今も校長の席を置き、多くの職員や生徒と直接触れ合っている。

 創立137年目を迎える同校は、長い歴史の中で時代に合わせて様々に改革を進めてきた。しかし、いくら時代が変化しようと、基本となる建学の精神に基づいた、こころのあり方の教育は変わっていないと燧土校長は語る。

 「少し前ですが、知能指数『IQ』と同様に『EQ』の大切さがクローズアップされたことがあります。EQとは、こころの知能指数とも呼ばれ、現代社会を生きる力の指数であると言われています。私はこのEQを育てることが、仏教的なものの見方ができる人づくりだと考えているのです。こころを一本の木に例えると、花や葉は夢の実現や体力・学力の向上、それを支える枝は知育と体育、そしてその枝に栄養を運ぶ動脈は人間力です。そして幹を育てる根から吸収されるすべての栄養源が『EQ』。つまり、こころの知性であり、我々が行う宗育なのです」

 一般的に『徳育』と呼ばれるこころの教育を、あえて燧土校長は『宗育』と呼ぶ。それは、同校の宗教的情操教育が、仏教精神をもとにした宗教的な視点と、素直に人の話を聞く姿勢を大切にするためである。

 だが、この『建学の精神』は、小学校を卒業したばかりの生徒には理解が難しい場合もある。そこで同校では、これを『三つの大切』という言葉に置き換え、ことば・じかん・いのちを大切にすることを説いている。ことばはこころの表れであり、素直な心と謙虚な心を持つことが大切。じかんは刻々と流れる無常なものであるから、今という時間を大切にすること。いのちは仏さまからの預かりもの、親や教員にいつまでも頼ることなく、自分で磨く時期が今なのだということを「こころの教育」に据えている。

3つのコースのコンセプトを明確化
教員の意識改革も必須

 新校長を迎え、龍谷大学付属平安中学校・高等学校の新たな改革元年となった今年度。平成15年より男女共学とともに始まった高校の3コース制のコンセプトの明確化をスタート、生徒に分かりやすく進路を示すことを始めた。

 プログレスコースは、週6日制[月〜金は6時間授業、土は4時間授業]に加えて週3回(月、水、金)は7・8限にプロジェクトチームによる大学受験対策講座「ドラゴンゼミ」、週3回(火、木、土)は積み残し解消のための指名補習(チューター制導入によるセルフラーニングシステム)、さらに夏期集中講座「0限授業」などを行い、国公立大学・難関私大現役合格に備える。したがって、最終的に龍谷大学への内部推薦を期待するのではなく、十分な学力を身につけ、第一志望校現役合格を目指す。

 一方、クリエイトコースは龍谷大学進学コース。ただし、目標は龍谷大学進学ではなく、龍谷大学進学後、そこから世界にはばたく人間を輩出するコースだ。自分のペースでしっかりと学習ができ、龍谷大学教授の講義見学等、様々な連携プログラムがある。

 アスリートコースでは硬式野球部に絞ってアスリートを育成。もちろん学力向上も同時に行い、通常授業で習熟度が低ければクラブに参加できない。

 この3コース制に国公立・有名私立大学を目指す中高一貫コースをくわえ、名だたる進学校に肩を並べる勢いを見せる同校。だが、そのためにも必要なのが教員の意識改革である。教員の自己評価制度の一環である「トライアルプラン」では、生徒に示す授業内容だけでなく、どれだけ生徒に知識を定着させられるかなどを自己目標として立て、前期では自分で評価し自己反省を促す。後期になると自分が出した評価を校長に提出、そこに浮かぶ問題点を協議し、解決していくことになる。また、「相互授業参観週間」を設け、その期間ならどの教員の授業にも他教員が参観できるよう呼びかけた。これにより、若手の教師がベテランの技術を実際に体験し、自分の指導力を向上させることがより一層容易となった。

 今年秋には新球場・龍谷大平安ボールパークも完成予定。充実した3コースの授業に仏教をベースとしたこころの教育。この両立こそが龍谷大学付属平安中学校・高等学校の特徴と言えるだろう。

 
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