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中学・高校受験:学びネット

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開智中学校・高等学校

 
  初期指導の徹底で 「学習スキル」を備えた生徒を育て進学実績が向上 国公立大合格者145名の現役率88%
入学式ではなく、合格発表の日から開智生の6年間(3年間)が始まる。中学高校時代をいかに過ごすかを親子で考えたり、また教科別の課題も出される。入学式当日、スタートラインに立った生徒は、すでに十分なウォーミングアップをしているのである。一日、一日を大切にする習慣もまた開智生を大きく飛躍させる要因の一つだろう。初の東大現役合格者も出し、国公立大学合格者145名。それでも「まだ進学校への道半ば」と言い続ける私学のこだわりを聞いた。

校 長: 近藤 信隆
住 所: 〒640-8481 和歌山市直川113-2
電 話: 073-461-8080
交 通: JR阪和線「六十谷」駅から徒歩5分
学生数: 中学校 487名
高等学校 878名 (2011.9.1現在)
ホームページ: http://www.kaichi.ed.jp/

 

学びの面白さを知るには
覚悟をもつことから

 開校から19年目。まだ青年というにも若すぎる開智中学校・高等学校だが、今春も東大、京大、阪大などいわゆる旧帝大をはじめとする国公立大学へ145名の合格者を出した。その合格現役率は実に88%。それでも進学校という言葉が学校関係者の口から出たことはない。「うちのような中堅校は・・・」と常に話すのは、同校の土井和正法人本部長。開校から現在までの開智の軌跡を見守ってきた人である。

 たしかに、中学校に合格した生徒のその時点での成績は、他の進学校のレベルまで達し切れていない生徒も多くいるが、その生徒たちが6年後には、既述のような結果を出すのだ。何が彼らを大きく育てるのだろうか。

 中高一貫生の学校生活は、入試の合格発表の日から始まるといってもよい。入学式までの2か月余りに数回登校をすることになっている。保護者同伴の登校日は、その後の6年間をいかに過ごすのかを親子で考える機会であり、また別の登校日には課題提出も行われるという。

 入学後、4月中ごろまでに実施される「宿泊研修」は、ノートの取り方など基本的な学習法を徹底的に身につける場となっている。中学生活は楽しいことも多いが、学習に対しては厳しい姿勢で臨むよう生徒たちが言い渡されるのも、この研修においてである。土井法人本部長は「成績中間層の子どもたちには、このステップが重要。ちょっと可哀想かなというくらいの学習量を課すが、それが、子どもたちの覚悟となる」と話す。

 カリキュラムでは、中学1年次に新聞を使った学習や実験による調べ学習に重きを置いている。思考力、表現力、文章力を養う目的だ。2年になるとディベート学習が始まり、物事を見る独自の目を養い、分析力や論理的思考力を育てていく。3年次には、それまで学習したことの集大成として、個人、グループで論文を完成させる。全生徒の論文を集めた論文集を繰ると、これが中学生の研究論文かと圧倒される。

 「コロイドの性質とゾルに対する電解質の効果」(スーパー理進コース)や「微生物の単離」(同)などタイトルだけ見ても、高校受験に追われる中学生には、したくてもできない夢のような研究だ。生徒の探究心もさることながら、高度な実験へと導く教員の専門性、熱意も見て取れるようだ。

専門性高い教員
やり甲斐感じる

 なぜ、開智は短期間にここまで伸びたか。その第一の要因は教員にある。「開校翌年、同校は県立トップ校を早期定年退職などで職を辞した再就職組7〜8名を迎えた。このメンバーが教頭、進路部長、教務部長など要職に就き、県立トップ校で採用されていた進学システムを参考に新しい学習内容の編成を行った。」

 当時、「そんなカリキュラムでは生徒が授業について行けない」という教員もいたが、新カリキュラムで押し切った。結果、現在の開智の躍進に結びついたのである。

 生徒の学力にカリキュラムを合わせるのではなく、理想的なカリキュラムに生徒を引きあげ、合わせるという発想。一見、強引にも見える手法が奏功した。以来、開智中学校、高等学校では新卒の教員採用はほとんど行っていない。開智の「成績中間層を国公立に」の方針に「やり甲斐がある」「こんな学校で教えてみたい」と現役教員が採用試験に応募してくるという。

 毎年行っている教員採用試験の倍率は20倍以上。当然、高度な専門性をもつ教員が採用されるため、授業の質も高まってきた。土井本部長曰く、「一般に就職活動を行う大学生が敬遠する就職先の3番目は、公務員と教員。実質的には選ばれる職業ながら意識の上では面白みのない、尊敬されない職業と考えられている。教員がやり甲斐を感じられる環境を創れば、能力の高い教員は集まってくる」と。

 こうした教員陣によって、近年の進学実績は国公立大合格者数が130〜150名で安定的に推移。ただ、今年あたりから国公立大でも旧帝大系大学の合格者が増えるなど中身に変化が出始めた。今後の目標としては大阪大、大阪市立大、大阪府大、大教大、和歌山大、和歌山医大など地元国公立大へ100名(今年は77名)、東大などの難関国公立大へ30名の合格者は確保していきたいとしている。

 今後もあくまで国公立大に目標を置くため、特定の私立大学への進学を前提とするコースは設置しない方針。「生徒の気持ちが逃げるから」と強気だ。

 最後に、この春、東大文科V類に進学した卒業生は後輩に次のようなメッセージを残している。
「この合格は自分ひとりの力ではなく、支えてくれた家族や先生方、一緒に切磋琢磨して頑張った仲間がいたから勝ち取れたということです。開智では、生徒一人ひとりの将来について真剣に考えてくださる先生方や、互いに刺激し合いながら一緒に受験勉強を乗り越えた仲間と出会いました。私は開智に入学したからこそ、志望大学に合格ができたと思っています。」

 
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