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中学・高校受験:学びネット

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東大谷高等学校

 
  敬虔な宗教的教育理念を礎に 生徒・保護者を手厚くサポート
親鸞聖人の教えのもと報恩感謝を旨とし、社会に役立つ女性の育成を教育理念とする東大谷高等学校は、卒業生の99%が進学という中堅進学校。着実に進学実績を伸ばし、今春も二桁の国公立大学への進学者を出し、関関同立大とあわせて50名以上の合格者を出している。一方、大阪府で唯一「保護者の授業料立て替え撤廃制度」の導入、「親学支援教育セミナー」の開催など、生徒だけでなく保護者へのサポートにも万全を期す取り組みが注目されている。

校 長: 児玉 道仁
住 所: 〒545-0041 大阪市阿倍野区共立通2-8-4
電 話: 06-6661-0384
交 通: 地下鉄谷町線「阿倍野」駅徒歩8分、地下鉄堺筋線、南海各線「天下茶屋」駅徒歩13分、地下鉄御堂筋線、JR各線「天王寺」駅、近鉄南大阪線「大阪阿部野橋」駅徒歩17分、阪堺電軌阪堺線「北天下茶屋」駅徒歩8分、阪堺電軌上町線「松虫」駅徒歩7分、市バス「阿倍野筋5丁目(阿倍野警察署前)」停留所徒歩5分
学生数: 557名 (2011.9.1現在)
ホームページ: http://www.higashiohtani.ac.jp/

 

授業料無償化に伴う、
保護者の立て替え納付を猶予

 大阪府では平成22年度から「私立高等学校等授業料支援補助金制度」を取り入れており、授業料の無償化や負担軽減が実現している(入学金、制服・教科書等の購入費用は別途必要)。この制度により、私立高校への入学希望者が大幅に増加したという。

 ただし、この支援金の給付時期は11月。多くの私立高校では、保護者が1・2期分の授業料を立て替えて納付することになり、入学時に50〜60万円の現金が必要。そのため、保護者からは「これじゃ無償化とはいえない」という声も聞かれるとか。

 そんな中、東大谷高等学校は、保護者の授業料立て替えを撤廃する制度を打ち出した。府内で、同校だけが導入した画期的システムである

 「本校では、新入生の保護者の授業料立て替え払いをなくしています。支給金が給付される11月まで、本校が立替えるわけで、学校経営的にはかなり負担になりますが、保護者の入学時負担の軽減になるのであれば…ということで、導入しました」と児玉道仁校長。まさに、保護者と生徒のことを考え抜いた同校ならではの勇断といえる。多くの保護者から「ありがたい」と歓迎されているのも当然だろう。

今春の国公立大学への進学者が増加し、
二桁達成!

 同校には、進学、英語進学、特別進学の3コースがあり、今春卒業生236名のうち、174名が4年制大学に進学した。国公立大学への進学者は12名。しかし、同校の目標は国公立30名以上で、さらに前進したい、と気を引き締めている。

 「今春達成できたのは、1年の時からきめ細かい準備をしてきた賜物です。いかに生徒と教員の信頼関係をつくれるかですね」と語る児玉校長の言葉に、進路指導のきめ細かさ、生徒の教員への信頼の厚さを垣間見た思いがした。

 今春、同校から合格者を出した国公立大学は、大阪府立大学、奈良県立大学、奈良女子大学など。次は、国公立大学進学者数の増加に加え、阪大・神大への進学者を出すのが新たな目標だ。同校では、難関私立大学への進学者数も多く、高大接続パイロット提携を結んでいる関西大学への29名を含め、関関同立だけで40名。併設されている大阪大谷大学への推薦入学制度もあり、生徒の進路への選択肢は多い。

 一方、進学実績にもまして、同校で力を入れているのが、キャリア教育。全学年の生徒に「10年未来プロジェクト」という実践的職業教育を行っており、大阪府のキャリア教育推進校として指定を受けた。ちなみに、他の指定校では、高校卒業後すぐに就職する生徒が多く直接的な職業教育がなされているが、東大谷高等学校は、進学校で唯一、将来を見据えたキャリア教育に取り組んでいる実績が認められ、中堅進学校におけるキャリア教育のモデルケースとして注目されている。

 このプロジェクトの目的は、10年後の自分を意識した職業教育を推進すること。高校生の時から自分を理解した上で職業意識を持たせ、偏差値に合う大学を選ぶのではなく、自分が就きたい職業への道筋となる進路を選ぶ手助けとなるようにと実施されている。まさに10年後、社会で役立ち、活躍する女性を育成するためのプロジェクトと言える。高校の3年間で将来のことをしっかりと考えた同校の生徒たちは、大学や専門学校へ進学後の学習も、就職活動についてもモチベーションをもって取り組めるに違いない。

心疲れた生徒へのサポートや
親学支援セミナーも充実

 同校では、創立以来、宗教的情操教育を実践しており、女性としての振る舞い、礼儀作法、しつけ教育にも力を入れてきた。

 「今春、本校の卒業生が3人、大阪府警に採用されたのですが、3人とも礼儀正しくテキパキ行動し、成績も非常に良いと、警察学校の教官にほめていただいたんです。本校の教育の成果だと確信いたしました」と、児玉校長はうれしそうに語った。

 情操教育の理念は、生徒のメンタル面のフォローにも通じており、メンタル・サポート・システムという形となって現れている。それが、「ほっとするーむ」の設置で、教室に入れず不登校気味となっている生徒にとって、癒しのスポットといえる部屋。週2回、若い女性の臨床心理士が常駐し、それ以外の時は同校の教員がスタッフとして在室する。「ほっとするーむ」では、授業は行わないが、生徒を放置することはないという。臨床心理士やスタッフの教員に悩みを相談したり、課題をこなしたり、自学自習や、作業したりでき、出席扱いとなる。この部屋ができて以来、他校からの転入生が増加したとか。

 また、情操教育を家庭環境の側からサポートするための取り組みとして「親学支援教育セミナー」を開催している。これは、3年前の児玉校長就任以来、社会貢献活動の一環として企画されているもので、8月に、第4回目として「良き親となるために」をテーマに実施。親子の絆を再認識し、より良い親子関係の構築に役立ててもらうことが狙いだ。

 仏教精神を礎に、先進の女子教育を推進してきた東大谷高等学校だが、平成25年春、堺市泉ケ丘に新たに校舎を開設し、男女共学校となることが決まった。ただし、今の1〜3年生と、来春の入学生は、女子校として現在の阿倍野台校舎で卒業まで学習する。

 共学校となっても、校名はもちろん、同校の建学の精神、基本的教育理念は引き継がれる。時代の変化に対応した学校改革に取り組む東大谷高等学校に大いに期待したい。

 
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