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中学・高校受験:学びネット

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金蘭会高等学校・中学校

 
  最新の高度な英語教育と 「7つの習慣」で生徒の行動力を育成
100年余の歴史を誇る金蘭会高等学校・中学校は、明治の女性たちが自ら学びの道を拓こうと作った女子教育の伝統校。近年はIT、語学教育分野で、伝統の上に現代性を調和させた教育内容が評判を呼んでいる。女子校ならではの情操教育、進路に添った細やかなキャリア教育にも注目したい。

校 長: 藤林 富郎
住 所: 〒531-0075 大阪市北区大淀南3-3-7
電 話: 06-6453-0281
交 通: JR環状線「福島」駅下車、北へ徒歩8分、JR東西線「新福島」駅下車北へ徒歩10分、阪神電車「福島」駅下車、北へ徒歩10分
学生数: 中学校 252名
高等学校 430名 (2011.9.1現在)
ホームページ: http://www.kinran.ed.jp/

 

最新のデジタル教科書を活用
中身の濃い英語教育で国際人を育成

 英語教育の充実が急務の課題となっている昨今の中学教育。2007年、同校では校舎を全面改築し、プロジェクターとデジタルボードを設置。いち早く授業のICT化に着手し、中学の英語にデジタル教科書を採用。語学教育において着実な実績をあげている。

 デジタル教科書の特徴は、ビジュアルと音声の融合である。ボードに投影された画像を専用ペンで触れるだけで、瞬時に音声が流れ、教材を切り替えることができる。また、板書もデータとして保存可能で、いつでも呼び出すことができる。そのため、これまでの授業でロスタイムとなっていた板書や教材配布に費やす時間がなくなり、非常にスピーディーな授業を行うことができる。

 記者は3年生の英語の授業を見せてもらったが、単語のフラッシュカード、ネイティブ音声による書き取り、ペアになっての音読競争、英検対策の問題読解など、5、6種ものカリキュラムを50分の授業に盛り込んでおり、そのテンポの早さと内容の濃さに驚いた。

 「デジタル教科書は非常に便利なツールです。次々といろいろなアイテムを出せるので、生徒は退屈せず授業に集中できます」と英語科主任の宿口先生は、ICT化の成果を話す。

 また同校では、通常の授業とは別に、外国人講師によるオーラルイングリッシュの授業も実施。どちらも10数名の少人数クラスだ。こうした高度な語学教育を3年間継続することで、実社会で使える本物の英語を習得するのが狙いだ。

 グローバル化を見据えて、高校では来年度からコースの内容も新しくなる。現在、「総合進学コース」には「文理進学系」「保育幼児教育系」など5つの系が用意されているが、ここに来年度から「国際理解系」が加わる予定だ。文字通り、通訳やキャビンアテンダンド、語学教師など国際舞台で活躍するプロフェッショナルを目指すための系だ。1、2年は共通科目を学び、3年生で系ごとに将来のキャリアプランに特化した科目を選択することができる。

世界的な行動力育成プログラム導入
成長期のモチベーションアップを図る

 中学校では、道徳にユニークな手法を取り入れているのも大きな特徴だ。組織行動学の専門家スティーブン・R・コヴィー博士の著書『7つの習慣』は、世界で1500万部を記録したベストセラーとして有名だが、同書を若者向けにアレンジした『7つの習慣J』を道徳のテキストとして採用している。ビジネス界やスポーツ界などで活躍した人々に「共通する習慣」を体系的にまとめたもので、成長期に良い行動習慣を身につけていくことで、自己の成長を促すプログラムである。

 週に1度の授業では、「自分のミッションと目標をクリアにする」「時間管理と優先順位づけを学ぼう」といったテーマが設定され、各界の偉人たちがどのように考え、行動してきたかを講義。クラス全員で考えていく。そして、実際に行動目標を設定し、実行していくという流れだ。

 授業を担当するのは、専門のファシリテーター資格を取得した7名の教員。このプログラムを導入して以降、生徒の姿勢、モチベーションが明らかに変わったという。臨床心理士の資格も持つ田中好浩先生は、「生徒が自分を客観的に見るようになりました。自分の行動を常に意識し、次のチャレンジは何だろう? と前向きになりました」と効果の大きさを話す。

 生徒は授業の感想や行動記録をレポートにまとめ、指導教員に提出。教員はすべてコメントをつけて返す。また、授業の度に授業内容や生徒の感想を書いた通信を発行。成長のプロセスが保護者にも即時に伝わるようになっている。

 この試みは、保護者の間でも高い評価を得て、当初は1年生だけのプログラムだったが、2年生にも導入することになったという。

日本の伝統文化にふれて
女性らしさを養うカリキュラムも

 IT化、グローバル化を進める一方で、金蘭会では伝統的な情操教育にも力を入れている。そのひとつが「教養講座」の設置である。高校では、1年時に茶道(裏千家)、2年は華道(池坊)、3年は礼法(小笠原流)の授業が週に1度行われる。設備も充実しており、水場、花器、作業台などを備えた専用の華道室に、茶道・礼法用には広さ20帖の和室を完備。講師を務めるのは各流派の師範クラスの方々だ。歴史や背景といった基礎理論から実践的な作法まで1年間に渡ってじっくりと学ぶことができ、授業を通じて正式な免状も取得することができる。この取り組みは、大阪府の「私立学校先導的モデル支援授業」にも採択され、注目を集めている。

 「女性にはきれいな物にふれ、豊かな心を持ってほしいと願っています。日本らしい女子教育の根本は、たとえ時代が変わろうと、受け継いでいきたいですね。本校の生徒は、おっとりとした明るく優しい生徒が多いですよ」と田中先生は語ってくれた。

 明治38年の創立以来、100年余に渡って女子教育の伝統を受け継いできた同校。その歴史の上に現代性をうまく融合させた教育展開は、これからの時代、ますますニーズが高まりそうだ。

 
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