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中学・高校受験:学びネット

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雲雀丘学園中学校・高等学校

 
  5段階キャリア教育が生む真のリーダー
地域住民の手によって創られた学校の校是は、高志、自律、努力の三つ。世界的視野を持つリーダーの育成に、徹底した理念の具現化で挑む雲雀丘学園。システム化した本格キャリア教育を中心に話を聞いた。

校 長: 中尾 直史
住 所: 〒665-0805 兵庫県宝塚市雲雀丘4丁目2-1
電 話: 072-759-1300
交 通: 阪急宝塚線「雲雀丘花屋敷」駅より徒歩3分
学生数: 中学校 497名
高等学校 773名 (2011.7.1現在)
ホームページ: http://www.hibari.jp

 

住民意志が生んだ学校

 兵庫県宝塚市雲雀丘は、古く大正時代に開発された住宅地であったが、地元に小学校がなく、子どもたちは遠く池田市の小学校まで通学していた。その学校も戦後の入試制度改革で抽選制となり、選に漏れた子どもが通う学校が求められていた。

 わが子を通わせられる小学校を地元に、という住民の意志によって創立されたのが雲雀丘学園小学校である。当初、村立小学校の分教場として開校したが、翌年には学校法人として認可を受け、幼稚園が併設された。その後、生徒の成長に合わせるように中学校、高等学校が開校した。

 初代理事長は地元に邸を構えていたサントリー創業者の鳥井信治郎氏である。その鳥井氏の「親孝行な人は必ず立派になれる」のことばを継いで、創立以来60余年、孝道を人間の根本義とし、素直な心と健康な体を持った社会的リーダーの育成を目指してきた。

 ところで、同校の紹介用パンフレットは、毎年、趣向を凝らしている。昨年度版は、表紙を開くとエジプト象形文字を刻んだロゼッタストーンを載せている。教育理念である「高志」、「自律」、「努力」の重要性を、象形文字解読を成し遂げたフランスのエジプト学者・シャンポリオンに寄せて説明しているのだ。困難や目標に挑み続けるに必要な力を根気強く培っていこうというメッセージが込められている。

 では、実際にシャンポリオンのような世界的視野に立ったリーダーを育成するどんな装置が雲雀丘学園にはあるのだろうか。

登録制人材バンクから
日常化させた高大連携まで

 まず、中1〜高3までシステム化された5段階のキャリア教育は、その装置の最たるものと言えるだろう。中学1年でつくる「生い立ちの記」は、周囲の人々の支えの中で自分が成長してきたことに気づくための第1のプログラム。父母や祖父母に誕生から12年間の軌跡を聞き取ったり、名前の由来を知ることで、家族との絆の深さや、いかに愛情を注がれ育てられたかを知る機会としている。

 第2段階となる中学3年次では、「職業人インタビュー」を行っている。保護者や地域ロータリークラブなどの協力を得て、「雲雀丘人材バンク」を設立。登録している様々な職業人を、生徒自らアポをとって取材するというプログラムである。取材内容はまとめてグループで発表するため、自分が取材した以外の職業についても興味関心の幅を広げることができるようになっている。

 高1になると、人材バンクの登録者30人ほどが、一斉に来校し自らの職業について講義する日を設けている。キャリア教育の第3段階である。講師は大学時代に学んだことや仕事に生かせる資格など、生徒が職業観を具体的に描けるよう話す。生徒は2講座まで受講でき、取り組みには地域住民との信頼関係がうまく生かされている。

 第4段階の「ワンデイカレッジ」は高校1〜3年生までが対象。国公立や私学の別なく全国約30の大学から講師を一斉に招き、講義を実施するというもので、生徒の希望によって大学、学部を選択し1人2回の受講が可能となっている。

 そして、最後に設けているのが本格的な高大連携講座である。生徒は半年間、放課後などに大学に通い、実際にナマの講義を受け、キャンパスの雰囲気を日常的に味わう。年度によって受け入れ大学は若干変わるが、今年は大阪大学、関西学院、立命館などと連携している。幅広い大学と連携できるのは系列大学がない強みともいえる。

 一連の取り組みは、大学進学の意味を深く考える機会に設けた、極めて充実したキャリア教育と言えるだろう。

根(=人間力)を育てることで
元気に繁る花や葉(=学力)

 雲雀丘学園が教育理念にこだわるのは、人間力を伴わなければ高い学力があっても結局は社会の役に立てないのではないかという考え方が根底にあるから。高い志や根気、情熱、思いやりなどを併せもった理想の人間力は、教師が口で説いて育まれるものではない。仲間同士の触れ合いの中で培われるものだ。そんな考えに従って、「選抜特進」、「特進」などのコース設定をした際にも、クラブ活動に参加できるよう配慮している。

 行事への関わり方も重視している。文化祭では定番の模擬店が出店されるが、そこで使う器はリサイクルでき、環境への負荷の小さいものを生徒が選ぶ。使用後は一つひとつ器を洗い、回収業者に渡している。自分たちにできることは自分たちでするというのが、環境教育の基本である。一つの行事を通して、自分以外の者に対する思いやりをもつ。そこに雲雀丘の教育理念の息づいていることを見るのである。

 
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