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中学・高校受験:学びネット

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百合学院中学校・高等学校

 
  「20年後に咲く自分のために」 進学、就職、その後の生き方を見据えた教育
カトリックに基づく建学理念「純潔と愛徳」を日々、着実に実践し55年目を迎える百合学院中学校、高等学校。提唱するのは、20年後に自分を咲かせる生き方、学び方である。女性の生き方がいかに多様化しようと、それぞれが目指す夢を花開かせ、しなやかに人生を歩み続けてほしい。そんな長い道程を見据えた教育が授業の中にも生かされている。今春、就任したM崎宗一校長は「志望する進路の実現と全人教育を両立させたい」と抱負を語った。

校 長: M崎 宗一
住 所: 〒661-0974 尼崎市若王寺2-18-2
電 話: 06-6491-6298
交 通: JR宝塚線・福知山線「塚口」よりスクールバス5分/阪急神戸線「園田」より徒歩12分/阪神・JR「尼崎」より市バス阪急園田行き乗車「聖トマス大学前」すぐ
学生数: 中学校  163名
高等学校 250名 (2010.7.1現在)
ホームページ: http://www.yuri-gakuin.ac.jp/

 

女子に特化したキャリア教育
Bloomin’20

 「落ち着いた校風の中でカトリックの理念に基づいた全人教育を地道に行っている学校」。M崎宗一校長は就任前、そんな印象を百合学院にもっていた。はたして就任して見ると、その印象通りの学校だったと話す。教育活動に理念が表れることは、私学では当然のこと。だが、百合学院の特徴は、とりわけ各教科の授業レベルにまで理念教育が反映されている点だ。

 「百合学院的人間学のススメ」と名づけられたテーマ学習は、約10年前から行われ、社会問題に対する意識を涵養する同校のオリジナルプログラムである。プログラムでは中学1年から高校3年までの6年間を通して、各学年、教科ごとに現代社会で起きている現象、問題を考え、弱き立場の人々の視点で行動することを学んでいく。

 たとえば、高校1年生では「福祉」をテーマに、国語では小説を題材にノーマライゼーションについて考え、現代社会では福祉を巡るキーワードから福祉の基礎知識を学ぶ。また、中学3年生は「平和」をテーマとして、理科で核兵器の開発や原子力発電について考え、数学では「世界がもし、100人の村だったら」をもとにグラフをつくるといった授業が行われる。

 高校2年生で「国際理解」をテーマに行った学習では、日頃募金をしている西アフリカの国シエラレオネについて考え、外務省主催「開発教育コンクール」で入選に選ばれた。

 これらのテーマ学習は、同校が行うキャリア教育「Bloomin’20」(花の咲きほこる20年後)とも関連し、社会参加への意欲を高める教育活動の一つだ。夢を実現するため自分を「たがやし」、自分に「種をまき」、自分を「そだてる」という着実な努力を実行していこうという、スクールモットーでもある。

 一般にキャリア教育というと、自己の適性を知ることから始まり、職業観や将来の目標を持ち、その達成に必要な学習へと導かれるものである。その過程で志望大学を決め、受験指導が行われていくが、百合学院のキャリア教育は、どのような形で他人の役に立つことができるかが出発点であり、大学での学びは通過点としてとらえ、その先の社会人として成長し続ける時点までを見据えている。もちろん、志望大学合格のための手厚い指導体制を築いてはいるが、そこに最終目標をおいてはいない。

 夢をもつことでどのように成長し、人生を歩んでいきたいのか。その途中で迎えるであろう出産や育児も含め20年後の自分像を描く。歩み続ける女性のいわば土壌づくりをしようというのがBloomin’20である。

個性的な3コースから
花開く卒業後の進路

 高校ではBloomin’20を発展させる段階として、3つのコースが設けられている。国公立をはじめとする難関大学を目指すコース「スカラー」では、5教科7科目をバランスよく学習するため、1日7時間授業や、夏期勉強合宿も行われているが、受験指導一辺倒というわけではない。1年次には、甲南大学の協力により大学生の英語によるプレゼンテーションを見学し、その後テーマパークUSJにおいて調査を行い、その内容を英語でプレゼンテーションするという活動も行っている。机上の学習のみならず、自ら考え、発信することによって、英語学習に対するモチベーションも上がり、チームワークを育てる効果もあり、その後の学習に対する意識に変化がみられるという。

 次に、「自己探究(IE)コース」(75名)では四年制大学、短大など多様な進路を目指す生徒が個性豊かに学んでいる。コースの特徴として、興味関心のある機関、企業などでさまざまな職業を体験できるインターンシップ制度がある。受け入れ先は、幼稚園や病院、一般企業などだ。また、全コース生徒対象に行われる卒業生によるキャリアガイダンスでは、看護師、教員、薬剤師、警察官など幅広く体験談を聞く機会も設けられているという。入試広報部長を務める赤松武仁教諭は、「卒業生は生徒にとって身近な存在。そんな先輩が自分の職業について話してくれることは、同じ目標を持った生徒の励みになる」と喜ぶ。

 3つ目のコース「創造表現(CE)コース」(35名)では、芸術系大学を含む四年制大学、短大への進学を目指す。ジャンルにとらわれず表現力を育む過程で、ディベートやコミュニケーション能力が身についていくのもこのコースの特徴だ。1年次に学ぶ舞台表現基礎から始まって、2年次には幅広いジャンルの舞踊、舞台表現の研究段階に入り、3年次には学習の成果を発表会で披露する。卒業後は芸術大学でミュージカルや舞台を専攻する者、豊かな表現力を活かし教育福祉や児童文学といった分野へ進む者、また、産業デザインやキャラクター造形でクリエイティブな世界を目指す者と可能性の大きさを感じさせるコースである。

理念を保ち
変化に対応

 昨年から自学自習をサポートする目的でブルーミング・タイム(テーマ型放課後講座)が始まった。教員で組織する改革推進委員会の発案だ。約10年前に発足した委員会だが、そのときどきの生徒の変化を見極めながら、何が必要かを問いなおしてきた。理念を堅持しながら、変化に対応する。そうした姿勢が教育活動にたしかに息づいている、そんなふうに感じさせる学校である。

 
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