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中学・高校受験:学びネット

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東海大学付属仰星高等学校中等部

 
  段階的な研修プログラムで視野を広げ人間的成長を促す
「豊かな人間性の育成」を教育目標に掲げる東海大学付属仰星高等学校中等部は開校以来、一人ひとりの生徒が貴重な体験を積み重ねることができる学校行事を重視し、多彩なイベントを催している。なかでも毎年6月下旬に実施する宿泊研修では、生徒の成長段階に応じた体験プログラムを実施。活動範囲と視野を広げ、人間的に大きく成長させる機会となっている。

校 長: 松岡 哲
住 所: 〒573-0018 大阪府枚方市桜丘町60-1
電 話: 072-849-7211
交 通: 京阪交野線「村野」駅下車徒歩10分
学生数: 中学校 365名
高等学校 962名 (2009.7.1現在)
ホームページ: http://www.tokai.ed.jp/gyosei/

 

東海大学発祥の地で友情を深める

 同校は東海大学付属仰星高等学校の中等部として1996年に開校した。「若き日に身体を鍛え、知能を磨き、世界に対する幅広い視野を持つための思想を培う」という東海大学の建学の精神を受け継ぎ、文武両道による「豊かな人間性」の育成を目指している。そのため勉学はもちろん、クラブ活動や学校行事も盛んだ。中等部の立ち上げ時から携わってきた鞆安孝郎中等部主任は、「特に学校行事を中等部の教育の核として位置づけました」と話す。
数ある行事のなかでも、メインは生徒たちが最も楽しみにしている宿泊研修。毎年6月末に学年ごとに国内外へ出かける。

 1年生は2泊3日の日程で東海大学ゆかりの地を訪れる。1日目は神奈川県平塚市の東海大学湘南キャンパス工学部を訪問。ここの航空宇宙学科には日本初の操縦士養成専攻があり、実地訓練さながらにトレーニングできるフライトシュミレーターが導入されている。パソコン操作であらゆる天候やエンジントラブルなどの悪条件をシュミレーションする様子に生徒の目は釘付けになる。
2日目は東海大学発祥の地である静岡県三保半島を訪れ、学園の海洋博物館と自然史博物館を見学する。海洋博物館では海ホタルの発光実験や、普段は目にすることのできない水族館の裏側なども見学できる。ここで生徒たちは、班ごとにテーマを決めて調べ学習に取り組む。昨年は夜間にも水族館を訪れ、「魚の昼と夜の姿」を観察し、絵や図を交えてまとめた。この成果は研修を終えた後に学校で発表する。

 入学後まだ3ヵ月足らずの1年生にとって、調べ学習やレポート作成は難度が高い。そのため事前学習に時間をかけている。三保の自然や静岡の特産物などをテーマに、インターネットで調べる方法やまとめ方を学び、発表の仕方を練習する。この事前学習により、現地で新しいテーマに取り組むときも戸惑いはないという。

 最終日の3日目は、三保の松原を散策し、鉄舟寺など東海大学「建学の歌」の歌詞に登場する場所を巡る。鞆安主任は「東海大学発祥の地や水族館などを見学するうちに少しずつ付属校生としての意識が高まっていくようです」と話す。また3日間も寝食を共にすることで、友達との関わりが深くなるという。

農業を体験し、大自然を満喫する

 2年生は3泊4日の日程で北海道体験研修に出かける。そのうち1日はファームステイ。3〜4人ずつ富良野や深川の農家に泊めてもらい農業を体験する。体験プログラムは農家によって異なり、酪農家では牛の世話や乳搾りも体験できる。農作業は畑で植え付けなどを行う。
事前学習では、ホテルや旅館ではなく農家に泊めていただく心構えを指導し、手紙を書かせている。「農家にも、しっかり働かせていただきたいとお願いしています。食育の観点から、苦労して農作物を育てているということを実感させたい」。
当日は宿泊先の人たちが生徒を迎えに来てくれる。初対面の人の家に泊めてもらうため、どの生徒も期待と不安が入り交じった表情で出かけていくという。しかし、翌日戻ってくるときの顔つきは一様に楽しげだ。「トラクターに乗せてもらった」「近くの温泉に連れて行ってもらった」「夕食が豪華だった」など、口々に体験談を語りだす。

 北海道では、その他にもラフティング、魚釣りなどの自然体験、旭山動物園見学、小樽市内散策など楽しいプログラムが用意されている。
帰阪後は、泊めてもらった農家にお礼の手紙を出すことも忘れてはならない。なかには、この縁で個人的に交流が続く生徒もいる。また毎年必ず、北海道の大学に進学を希望する生徒が何人か出てくるという。
鞆安主任は、「学内では伝えられないことを農家の方々が教えてくれます」と、農業体験が生徒に与える影響の大きさを語る。

英語と異文化に浸る充実の9日間

 中学部の研修の総まとめは、3年生のハワイ語学研修だ。ハワイ東海インターナショナルカレッジ(HTIC:アメリカ政府より認可を受けた短期大学)に9日間滞在し、英会話のレッスンを受けながら異文化を体験する。午前中はカレッジ講師によるグループレッスン。午後からはパールハーバーやダイヤモンドヘッドなどに出かけたり、ショッピングセンターで買い物を楽しむ。夕食後は、ハワイの文化体験。フラダンスやハワイ伝統の楽器演奏を習う。

 一方生徒たちも、事前学習で日本の文化や歴史などについて調べ、現地でスライドを使ってプレゼンする。昨年は、大阪の食文化であるたこ焼きや、日本のファッション、習慣などを紹介した。プレゼンは、当然のことながら英語で行われる。そのため、出発までにある程度準備して持参するが、現地でカレッジの先生方から指導を受けて完成させる。ところが、プレゼンの英文は会話でなく抽象的な内容を含む説明文であるため、先生に詳しく説明しようとしても、うまく伝わらない。また、先生がアドバイスしても生徒には理解できない。試行錯誤を繰り返し、絵を描いたり、身振り手振りを交えたコミュニケーションとなる。しかし、この経験が生徒たちを変えていく。鞆安主任は「最初はしゃべれなかった生徒が、どうにかして伝えようと悪戦苦闘しているうちに度胸がつき、自信が持てるようになります」と話す。
また、滞在生活をサポートしてくれるHTICやハワイ大学の学生たちとも親しくなり、気軽に会話できるようになるという。

 ハワイ語学研修は生徒たちに達成感と胸いっぱいの楽しい思い出を持ち帰らせる。そのため高校卒業後にHTICへ進学する生徒もいる。HTICで2ないし3年間学んだ後、東海大学の3年に編入することも可能だ。また、HTICから優秀な成績でハワイ大学へ進んだ生徒もいる。
東海大学発祥の地からスタートしハワイへと続く研修が、生徒たちの視野を未来へ、そして世界へと広げている。

 
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