「命をつなげる」4つのコースを新設
大阪の代表的なビジネス街・京橋の東に位置し、平成19年の地下鉄今里筋線新駅開設により、大阪北摂地域からの通学も一層至便になった大阪信愛女学院。通学路の門をくぐると、府下でも歴史あるカトリック系女子中学校・高等学校の閑静なキャンパスが広がる。
木陰に憩いでいると、通りすがりの中学生が微笑んで軽く会釈を送ってくる。その仕草のなんと爽やかで上品なこと。通学路の最寄り駅でも「礼儀正しい生徒がいると思ったら信愛の生徒だった」と評判が高い。
大阪信愛女学院は、カトリックの教えを基盤に、女性として生きてゆく力を育む真の女子教育を展開してきた。そして平成21年、創立125周年を迎え、その女子教育をさらに充実。大阪信愛女学院短期大学・提携大学との連携を視野にいれた「命をつなげる」4コースを高校に新設する。
(1)「生命科学コース」は、薬学進学を主に医学部や理系学部への進学にも対応する実力を身につける。
(2)「看護医療コース」は、人のために働く仕事「看護」「医療」について大学体験・看護体験などを通じて学び、看護・医療系大学への進学をめざす。
(3)「食物科学コース」は、管理栄養士、栄養士などのフードスペシャリストをめざすコース。食や環境に関する実験・実習を通じて「命」の尊さを再認識し、将来の進路につなげていく。
(4)「発達教育コース」は、保育から初等教育の指導者を目指すコース。本学院短期大学初等教育学科や他大学での体験実習を通じて学んでいく。
これら新4コースでは、高大連携授業「フィールド」を設け、大学で実際に講義を受けたり、大学の先生が講義に来られたりと、興味ある学科の授業を体験できるのが大きな魅力だ。
松尾誠副校長は次の点を強調する。「授業を受けるからといって、その大学に進学するわけではありません。大学の授業を体験することによって、目的意識を確かに、高校生の今なにをすべきかを認識してもらうわけです」
現在、同志社女子大学、聖トマス大学、帝塚山学院大学の3大学と提携しており、いずれは生徒の関心の高い学部コースをもつ大学との提携を増やしていくことも計画している。
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目標にあわせて未来づくり
中学2コース・高校7コース
では、大阪信愛女学院での学びがどのように進められるのか紹介しよう。
まず中学校では、入学時に、難関国公立大学合格をめざす「トップランナーコース」と、基礎学力から現役合格の実力まで多様な進路に対応する「ドリームチャレンジャーコース」の2つに分かれる。「総合学習」で高校のコース別学習を少しずつ取り入れ、高校進学に備える。
高校に入学すると、希望する進路にあわせて、難関国公私立大合格にむけた学力アップを図る「特進コース」と、基礎学力をしっかりと養う「進学コース」に。目標が定まってくる高校2年の段階で、夢をかなえるための3ステージ7コースに分かれ、よりきめ細かな指導が徹底される。
「国公立大学進学ステージ」は国公立特進コースの一つ。「難関私立大学進学ステージ」は、難関私立特進コースと生命科学コースの2コース。そして「総合進学ステージ」には、総合進学・看護医療・食物科学・発達教育の4コース。未来を拓いていく選択肢が新コースを加えて7つに広がり、よりきめ細かなサポートも可能になった。
平成20年度の進路状況は、卒業生239名のうち、国公立大学13名、難関といわれる関関同立90名が現役合格。私立4年制大学合格者は延べ346名、なかでも薬学・医科大や医療専門学校への理系進学者が目をひく。
平成21年度の新入学生が高校2年次の新コースで学ぶのはさらに2年後。新カリキュラムがどのような成果をあげるのか、期待とともに注目される。
楽しく学び視野を広げる多彩な体験プログラム
「中学生時代は、どんどん吸収して成長していく大切な時期。積極的にいろいろ体験してもらいたいですね。そのためにも、多彩な行事や体験プログラムを用意しています」と松尾副校長。そう語るとおり、中学校では校内の行事だけでなく、多くの校外体験行事を実施しているのが特長だ。
たとえば海外体験学習は中1の段階から実施し、1・2年生はオーストラリアへ、3年生はカナダとオーストラリアを選択して。夏期学習プログラムでは、大阪府立青少年海洋センターで自然環境を学んだり、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで特別プログラムを用意してもらい、仕事をキーワードにスタジオ体験したり。オペラ観賞で感動に浸り、スケート教室にも挑戦。
そんな充実した体験学習の中で、生徒たちは気づき確かめ、進路を拓いていく。新たに始まる新コースと高大連携授業は、進路選択をサポートする画期的なプログラムであり、保護者から寄せられる期待も高い。
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